
皆さまはメダカが突然激しくるくる回るのように泳ぐのを見掛けて、ビックリした経験はありませんか?
私が初めて見かけた時は呆気にとられたというか、固まって動けませんでした。
回り方は、縦回転だったり横回転だったり様々なトンボ返り状態で、とにかく普段からは想像できない激しい泳ぎ方なので、見かけるとすごく焦ってしまいますよね。

実は、メダカがくるくるっと激しく泳ぐのを見かけたら、それはメダカが何かしら病気に感染したサインかもしれないです。
もし、よく観察をしてみて、メダカが病気に感染しているようなのであれば、治療・隔離・まん延防止の対策をとる必要がありますよね。
今回は、突然メダカが激しくるくる回るように泳いだ時に確認すべきことと、その対策についてご説明させていただきます。
当時は何もわからず不安で不安で色々調べましたが、たどり着いた結論は「くるくると激しく泳ぐ理由の殆どは、病気感染初期の不快感」だということでした。
もし、メダカが病気に感染しているのであれば、治療・隔離・まん延防止の対策をとる必要があります。
今回はこれを踏まえてメダカがくるくる回った時の原因と対策をまとめています。
①激しく泳ぐメダカを見かけたら考えるべきこと。
②水質ショックとアンモニア中毒。
③病気の予防とその対策
【STEP1】くるくる回るメダカを見つけたら病気の初期症状かも?
先程も書きましたが、激しくメダカがくるくる回る時は、メダカが白点病や尾ぐされ病など、何か重大な病気に感染してしまった可能性があります。
感染すると、その違和感から激しく泳ぐので、それを見かけたら感染が広がって大事になる前に、至急隔離や水質改善をする必要があります。

急にくるくる回った場合はまだまだ初期のケースが多いので、しっかり観察してあげたり予防や治療を実施するとで回復させてあげることも十分可能です。
くるくると回った場合の具体的な対処方法

いきなり”しっかり観察や予防や治療”って言われても困りますよね。
予防や治療については以下にまとめています。
そして冷静になって以下を確認してください。
①最近その水槽に何か変化を与えなかったか?
②逆に長期間水替えなどせずに放置しずぎていなかったか?
などを振り返ってみてください。
もし、思い浮かぶことがあれば至急に対策と改善が必要です。
例えばメダカの飼育場に急な大雨が降りませんでしたか?

最近、急に大雨でメダカの水槽にたくさん雨水が入りませんでしたか?
水温1℃の温度変化は人間の気温変化5℃に匹敵すると言われています。
ですから、冷たい雨が大量に水槽に降り込むと、想像以上にメダカがダメージを受けている場合があります。
①雨は酸性なので、水質が急激に酸性に傾いてしまう
②雨は季節にもよりますが、水温が5℃くらいと地上の水より冷たいので、雨が大量に降り込むと一気に水温が下がってしまう
①②の影響により、水質が急変するとメダカはダメージを受けて弱ってしまいます。

メダカの水質ショックと雨対策の詳細は以下に記事にまとめています。
ご興味がある方はご参照ください。
他のメダカへの配慮と対応
雨などの振込が原因の場合は、くるくる泳いだメダカだけでなく、同じ水槽にいた他のメダカ達も同様にショックを受けている可能性があります。
水温ショックは人間が風邪ひいたのと同じですから、メダカの抵抗力が下がり病気に感染しやすい状態と言えます。
対応としては、ゆっくりと1/5~1/10程度の優しい水換えを繰り返し実施し、心配な場合は塩浴・薬浴などをして、メダカの体力を回復させることをご検討ください。

隔離する際に、発砲スチロールの箱を使用してあげると、温度が安定するので安心です。

水替え時の注水には点滴容器の使用がおすすめです。
その他、粘膜保護剤を使用することで体力を温存することができます。


私も愛用の粘膜保護剤のプロテクトXです。
カルキ抜きの効果もあるので、メダカの健康のために使ってみてください!
メダカの体力回復には塩浴(塩水浴)がおすすめ

塩浴(塩水浴)とはアクアリウム用の塩を使って濃度0.5%の塩水を作り、メダカをその中にいれて体力を回復させる治療法です。
使用する塩は普通の塩も使えますが、粒が細かい塩を使用すると一気に塩が溶けて、急激に塩分濃度が上がり、かえってメダカに負担をかける恐れがあります。
いきなり濃い塩水にメダカをいれてしまったらショックで落ちるので注意ですからね。
(重要)市販の塩を選ぶ際は、アミノ酸などの添加物が入っていない、100%天然塩の物を選んでください。

ですから、可能であれば、アクアリウム用の粒が大きなあら塩が、一気に水に溶けなくて安心なのでお薦めです!
一般の塩を使う場合でも、粒が大きい塩を使うか、少しづつ時間を掛けて塩を溶かしながらメダカがショックを受けないように、ジワっと塩分濃度を上げていくことが大切です。

塩浴中の足し水や換水で逆にメダカがダメージを受けないように、塩分濃度計を常備しておくと安心です。

お仕事や家事でお忙しい愛好家のみなさまが、時間を掛けて塩分濃度を上げ下げすることはとても手間暇がかかります。
そのため、お忙しい方ほど塩浴専用の塩を活用する方が、お手軽で安心感が高いと思います。
酸性雨対策として水質を酸性からアルカリ性に戻す効果がある牡蠣殻の導入が有効です。

牡蠣殻は水質が酸性になると、酸に牡蠣殻が溶かされて、溶けだした牡蠣殻のアルカリ成分が水質をアルカリ性に変える効果を持っています。
少しでも雨が降り込む可能性がある飼育環境の方は、水質ショックの保険に牡蠣殻の導入を強くお勧めします。
【STEP2】メダカのpHショックとアンモニア中毒
メダカのpHショックとは
※ph(ペーハー・ピーエッチ)とは酸性・アルカリ性・中性を数字で表した指標です。

pHショックとは、ちゃんと水合わせをしないでメダカを新しい水槽に入れたり、大量に水換をした場合など、メダカが急激なpHの変化に耐えられずダメージをを受けてしまうことを言います。
同じ飼育場の別の容器への移動も含まれますのでご注意ください。
網ですくって隣の水槽へポイっは厳禁ですよ!
phは使っている水が水道水か、井戸水か、湧き水かで差が出ますし、水道水であってもお住まいの地域で僅かですが異なります。

また、基本的に水道水はph7.3くらいの弱弱アルカリ性が平均ですが、水が汚れたり、雨が降り込んだり、グリーンウォーターに変化したりでphは大きく変動するんです。
だから、同じように並べている飼育水槽であっても、メダカの糞などの有機物で飼育水が汚れるとphは酸性に傾きますし、グリーンウォーターになっていたり、牡蠣殻が添加されているとアルカリ性へ傾いています。
それに雨が降り込むと、酸性雨の影響で水質は酸性に変化していきます。
そのため、ご自身の飼育場での移動であっても、水槽ごとにpHに差があるとお考えいただいて、油断することなく慎重な水合わせをお願いいたします。

以下の記事に基本的なphの知識をまとめてあります。
私が初心者の頃に軽視していて、今後悔していことの一つにPhの維持管理があります。
魚の体調管理にかなり重要ですからご注意ください。
メダカのアンモニア中毒とは

特に暑い時期は、アンモニア中毒が一番怖いのでよく確認して下さい。
「夕方見たら全滅していた」のような経験がある方は、以下の内容を必ずご確認ください。
アンモニアはメダカに限らずお魚に強い毒性を示します。
餌の食べ残しや、メダカのフン、死んでしまったメダカの死骸や植物プランクトンなどの死骸などの有機物が分解されるとアンモニアが発生します。
アンモニア中毒を防ぐためには、適切な量の餌を与える工夫や、飼育容器内のこまめな掃除が大切です。

観賞魚飼育で最も怖いのがアンモニア。
アンモニアの害については以下にまとめていますのでご確認ください。

餌が残ってしまうとアンモニアが増加しやすくなります。
ちょっとくらい餌が残っても大丈夫と思っている方はすごく危険ですよ。
アンモニアは、水中に浮遊する硝化バクテリアによって分解されます。
しかし、新しい飼育水やろ材にはバクテリアが定着していないため、アンモニアの分解が進まず蓄積されていきます。

だから、水槽の立上げ当初はまめな水替えが必要なんですよ。
【STEP3】で私の水槽立ち上げのことを説明しています。
対応策としては、市販のバクテリア剤を使用したり、調子が良い他の飼育容器の水を種水として添加するなど、できるだけ早くろ過バクテリアを増やす対策をしてください。

正直いって、未だに日々の水換えは慎重にやっています。
アンモニア中毒を警戒して頻繁に水替えを行うと、逆に飼育水中にせっかく増えたろ過バクテリアを、水ごと捨てて減らしてしまう結果になり、場合によっては水換えのし過ぎがアンモニア中毒を誘発する場合もあります。
だからといって、水替えに慎重になり過ぎると、アンモニアの処理が追い付かず、メダカに致命的なダメージを与えてしまう場合もあります。


上に水替えのジレンマを書きましたが、正直言ってバクテリアの増減に悩むくらいなら、大幅な水替えの都度しっかりバクテリア剤を使えば悩まなくて済みます。
私は水槽が多いから、一か月でGEXサイクル500mlを4本使用しますが、一般のご家庭でしたら一本でも数か月お使いいただけると思います。

アンモニアって、無害なNH4+と有害なNH3をウロウロ変質してるんです。
つまり、アンモニアの総量が同じでも、常にその毒性は変化しています。
ただ、アンモニアがNH4+とNH3のどちらに偏るかは、様々な条件があるので、以下で詳細をご確認ください。
水温やphが上昇すると、水中の無害なアンモニウムイオン(NH4+)が、どんどん有害なアンモニア(NH3)に変異して行きます。
つまり、真夏で急激な水温上昇が予想される場合や、グリーンウォーター化が進んだり、雨対策で牡蠣殻を添加した直後などのpH上昇が予測される時は、NH3が増加する可能性がたかいので、アンモニア中毒を警戒してください。
未然にアンモニア中毒を防ぐためには、長年の飼育経験も大切ですが、私は市販のアンモニア検出薬を利用して、できるだけ早期にアンモニアの上昇を発見することが、確実な方法だと思います。

アンモニア検査薬を使用すると、初心者でも確実に飼育水の汚れ具合を確認できますし、水替えをしたらバクテリア剤でろ過バクテリアを補うだけで水槽の安定感がグッと向上します。
「専門的な薬剤は初心者には必要ない!ではなく、初心者だからこそ必要!」とお考えいただき、アンモニア検出薬の活用をお勧めいたします。
アンモニアを分解するろ過バクテリアは、好気性バクテリアに分類され、好気性バクテリアは酸素がある状況下で活発に繁殖します。

ろ材の近くで優しくエアレーションを掛けたり、ろ材をぎゅうぎゅうに詰め込まず、隙間が多くなるように配置するとバクテリアの繁殖を促進する効果がありますよ。
加えて、アンモニアを分解するバクテリアは、弱アルカリ性で28℃~30℃の水温で活発に増殖すると言われています。
ですから、加温飼育や牡蠣殻の導入もバクテリアを増やす方法として有効です。

!?
それって有害なアンモニア(NH3)が増える条件と同じだよね。
実は、バクテリアが繁殖し易い環境とアンモニアが有害化しやすい環境は同じなので、どんな時も油断は禁物なんです。
(参考)加温飼育は体外光を伸ばしたり、ヒレを伸ばすのにとても効果的です。
【STEP3】ろ過バクテリアが増えるまでの工程
そのため、最低限必要なバクテリアが増えるまでには、水を張って1ケ月程度は水を空回しする必要があると言われています。
※空回しとは、魚を入れずにろ過装置だけを稼働している状態です。
可能な限り水槽を準備してから1か月以上水槽を空回しして、それからメダカを入れる方が安全です。
どうしても一定期間の空回し運用が難しい場合は、最低1か月はメダカの様子を観察しながら、定期的に水質ショックを与えないように注意しながら1/10~1/3程度の換水を行ってください。

半換水以上の急激な換水を行うぐらいなら、新しい水槽を作って丁寧に水合わせをしながら引っ越す(リセットする)方が、ショック緩和の面で安心だと思います。

水づくりの詳細については以下の記事をご参照ください。
【STEP4】メダカがクルクル回るのは白点病や尾ぐされ病の初期症状!?

メダカが急にクルクル回る時は、白点病や尾ぐされ病の不快感からの行動かもしれません!
メダカがクルクル回るのを見かけたら、先ず病気のまん延対策のために該当のメダカを早めに隔離して、できるだけ速やかに水替えなどの対策を行ってみてください。
また、他のメダカもダメージを受けている可能性があるので【STEP1】でご説明しているとおり、軽い塩浴を実施すると用結果が得られるかもしれません。

病気の詳細については以下のリンクからご確認いただけます。
最後に
メダカが変な動きをした場合は、病気の兆候と考えて間違いないと思います。
メダカにとって水は人間にとって空気と同じです。
急に冷えたり、汚れたりしたら具合が悪くなるのは想像できますよね?
そんな時、人間だったら急いで窓をあけて換気しますが、メダカ達は自分で水替えをできません。
大切なメダカですから、可能な限り早期発見、早期治療を心がけて長く可愛がって生きたいですね。
この記事がみなさまのメダカの飼育にお役に立てれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
