メダカに限らず魚にとって水は、人間にとっての空気と同じくらい大切です。
私たちが、空気が汚れたら換気をするように、メダカたちも水が汚れたら水換えをしてあげないといけません。
みなさん、大なり小なり毎日換気をしますよね!?
では、メダカの水換えも毎日する必要があるのでしょうか?
今回は、水換えのタイミングの見極め方について解説していきたいと思います。
この記事は、ベアタンクと言って砂利などを敷かない水槽での飼育を前提に書いています。
ろ過フィルターや砂利などを敷いて飼育している方は、生物濾過(バクテリアによる水の浄化)が効いているので、参考程度にご覧ください。
また、ろ過フィルターを使用していても、なんだかエアレーションの泡切れが悪いなと感じていたら、濾過不足の可能性があるので、この記事を目安に水換えの回数を増やした方が良いかもしれません。
室内飼育では毎日水槽の水換えをしないといけないの?
結論から言うと、毎日水換えをしたいところですが、メダカのストレス軽減のために、数日おきに留める方が安心です。
メダカの飼育水はたった一晩で汚れる!?
まさか!と思われるでしょうが、たった1日でも飼育水は汚れます。
上の画像は、1L水槽でメダカを2匹一晩飼育した水を、アンモニア検査した結果です。
このくらいのアンモニア濃度は、すぐにはダメージがないけれど、長期間は危険だよってレベルです。
たった一晩でここまで汚れるので、毎日水換えしたくなる気持ちもご理解いただけますよね?
メダカは水の汚れに対して我慢強いので、少々水が汚くても、数日であれば元気に泳ぎ回ってくれます。
そのため、メダカが元気がないと気が付いた時には、既に致命傷に至るまで、ダメージを負っていることが多いです。
それを防ぐため、勘ではなく試薬を用いた確実なアンモニア検査をおすすめしています。
健康を維持するためのph調整やアンモニア測定について
確実に水の汚れを確認するために「アンモニア」や「ph」の検査薬を揃えておく方が安心です。
私はも長くメダカを飼育していますが、(メダカは元気なフリをするので)水の状態確認は、勘に頼り過ぎないように注意しています。
2週間に1回程度を目安に、定期的に検査をしてあげると安心です。
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私が測定器を使って、メダカ水槽のph検査を行っている様子です。
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先ほども書きましたが、メダカの水換えは人間にとっての換気です。
であれば、毎日しっかり水換えをした方が健康に良さそうですよね。
なぜ、それが分っていて、なぜ毎日水換えをしないのでしょうか?
定期的な水換えは大切ですが過剰になるとメダカの健康を害することもあるので注意が必要
メダカに限らず殆どの魚は、急にphなど水質が変化すると、変化に耐えられずダメージを受けてしまうことがあります
※ここでの水質とは水温やph、汚れ具合などを指します。
そこで、本音では毎日水換えをしたいのですが、メダカのストレスやダメージを軽減するために、水換えを2日~3日おきに留めているのです。
何事もバランスが大切だと思います。
数週間水換えをさぼっていた水槽の水をいきなり換えるとメダカのストレスの原因になりやすい
特に長期間水換えしていない水槽のを水換えをする時には、phや水温の変化に配慮した丁寧な水合わせが必要です。
何日も水槽の水換えをせず放置をしていると、徐々にアンモニアが増えはじめ、そして1週間もするとアンモニアが亜硝酸に変化しだすため、亜硝酸の影響で水槽のphが弱酸性に変わっていきます。
そして、phが弱酸性に変わってしまった古い水に、いきなりphが中性の水道水を注いでしまうと、水質が綺麗になるのは良いことですが、足し水によるphの変化も大きくなるため、メダカがストレスを負ってしまう原因になります。
特に、水換えの間隔があいてしまった場合は、点滴式の水合わせ容器などを使って、ゆっくり注水すると安心です。
こちらが、私がDIYした点滴式の水合わせ容器です。
以下に、水合わせ容器のDIYの記事を載せておきます。
手作りが苦手な方は、このような水合わせの道具が便利でおすすめです。
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水換えの間隔が開くと、古い水と新しい水とのphの差が大きくなります。
そして、水換え前の古い水と、新しく注水する水のphに差が出ると、メダカはその変化に順応できずダメージを受けてしまいます。
ですから、私はph変化を緩和する意味でも、まめな水換えをおずずめしています。
水換えをするなら、できる限り少量をこまめにが安心です。
参考ですが、私は2日~3日に1回のペースで1/3程度の水換えを行っています。
2日間隔と3日間隔にどんな違いがあるの?と思いますよね。
これにはちゃんと理由があって、私は状況に応じて2日間隔と3日間隔を使い分けしています。
水換えの2日間隔と3日間隔の使い分けはどのように判断していますか?
判断は簡単です。
産卵させているメダカは飽和給餌といって、たくさん餌を与えているので2日に1回。
産卵させてないメダカは餌が少な目なので、3日に1回水換えをするようにしています。
私は、水道水のカルキ抜きに、観賞魚用の浄水器を使用しています。
ですが、浄水器を通していても、水温を合わせる必要があるので、基本的に水換えには、一晩以上汲み置いた水を使用するようにしています。
これは屋外の飼育場の動画です。
エアレーションの泡が、直ぐに消えずに長時間残っているのにお気付きですか?
これ、水が傷んでいる目安です。
水槽の中ににタンパク質などの有機物が増え、水の富栄養化(水が汚れている状態)が進むと、エアレーションの泡切れが悪くなります。
水の汚染に伴う水槽内の「富栄養化」とは
水槽の中には、常に食べ残しや糞などの栄養分があります。
そして、それらから排出された「窒素」や「リン」などの栄養分を、植物プランクトンなどが消費することで、水中の栄養分のバランスが保たれています。
でも、餌の食べ残しが増えて栄養分(窒素やリン)が増加したり、室内で植物プランクトンが増しぃくしにくい環境にあると、余分な栄養が消費されずに過剰となり、水の「富栄養化」が進みます。
もし、エアレーションの泡が割れにくいなど「富栄養化」を示す兆候があれば、泡切れが良くなるまで毎日1/3程度の水換えを繰り返してください。
「富栄養化」の時だけは、緊急事態なので毎日水換えをする方が安心です。
濾過に必要なバクテリアを増やして水換えを減らす効果がある生物濾過の活用が効果的
屋外飼育では、水槽の中に微生物やバクテリアが増えやすいので、時間を掛けて水を準備するだけで、自然に濾過に必要なバクテリアが増え、水質が安定しやすくなります。
ですから、一般的に外飼いは室内飼育に比べると、水換えを減らすことができます。
※室内でもバクテリアは増えますが、経験上水換えとバクテリアの増殖のバランス取りが難しいです。
※夏場は強い日差しで水が傷みやすいので、屋外の方が水換えがシビアになります。ご注意ください。
※雨が降り込むとphが急変したり、植物プランクトンが死滅するなど、水質が悪くなりやすいので、屋外であっても、雨が降り込みやすい環境では注意が必要です。
ただ、私の飼育場は仕入れや販売でメダカの出入りが多く、手狭で過密気味なので、あまりバクテリアに頼らずに水換え中心に対応するようにしています。
濾過に必要なバクテリアについては、以下の記事をご参照ください。
最後に
ここまで、私流の水換え頻度についてご説明させていただきましたが、いかがでしたか?
室内飼育は、水槽が小型であることが多く、植物プランクトンや微生物が増えにくいため、水中に余分な栄養が溜まる”富栄養化”が進みやすく、屋外飼育以上に水換えが大切になってきます。
また、水はバクテリアが不足していると、たった一日でも汚れてしまうので、毎日水換えをしたいところですが、メダカのストレスにならないように加減が必要です。
メダカの健康のためには、水換えの「頻度」と「丁寧な水合わせ」その辺りの加減が大切だと思います。
※「水合わせ」は貯め水をして、しっかり水温を合わせて、そのうえで時間を掛けた点滴式の注水を行うことで、phの変化の緩和をすると良いと思います。
メダカの室内飼育が難しい理由は、この辺りのバランス取りの難しさにあるのかもしれませんね?
この記事が、みなさまのお役に立てると嬉しいです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。