
みなさまメダカや金魚の病気で塩浴ってご存じですか?
馴染みがない方や、なんで淡水魚に塩?って思う方も多いのではないでしょうか?
私も初めて塩浴の記事を見つけた時は、塩水に入れても大丈夫なの?って疑問に思って何度も読み返しました。
実は、お魚の”塩浴”を人間に例えると、風邪の引き初めに温かくして寝るような回復方法なんです。
今回はお魚の健康維持に効果絶大な塩浴について、ご説明させていただきます。
みなさまはメダカの塩浴はご存じですか?
塩浴とは、魚の病気を早期発見できた時に行う治療で、魚をしばらく塩水で飼育することを指します。
でも、なぜ淡水魚を塩水で飼育すると元気になるのでしょうか?
今回はそんな塩浴の疑問について解説させていただきます。

塩浴は以下のような症状に有効です。
②なんとなく尾腐れ病っぽい時
③輸送後にエサの食いが良くなくて、しばらく待っても回復の兆しが見られない時など・・・

基本的に、病気の気配がする時や、なんだか元気がない時に使うのが塩浴です。
注意点ですが、メダカが何かに怯えて潜ったり、寒くなって動きが鈍くなると体調不良に見えてしまうことがあります。
このような行動を病気と見誤らないように注意が必要です。
ですから、肌寒い時期には塩浴を判断をする前に必ず水温を確認するようにしてください。
水温が15℃以下の時期は、メダカの動きが鈍くなったり、水槽の底で固まっているのは正常な反応です。

塩浴は魚を元気にするので、間違って元気な魚を塩浴しても問題はありません。
ただ、メダカにとって水質変化の負担があるので、勘違いでの塩浴は避けたいところです。
【STEP1】そもそもメダカの塩浴治療ってなに?

いきなり核心に迫りますが、”塩浴”とはメダカを塩水で泳がせることで、メダカを塩浴すると元気になるんです。
つまり、周りの水よりもメダカの体内の塩分濃度の方が高いんです。
そのため、常に浸透圧の影響で周囲の水がメダカの体内に入ろうとする力が働いていて、メダカは水を通さないために粘膜を体の表面に作って水の侵入を防いでいます。
そうすることで、体内の水分と塩分のバランスを維持しているんです。

メダカや金魚に限ったことではなく、魚はこの粘膜を作ることにかなりの体力を使っているんです。
体調不良や病気で体力が落ちていると、粘膜を作ることに体力を奪われて、更にメダカが弱ってしまう原因になります。
これが塩浴の効果です。

病気の予防目的で、元気なうちから0.1%程度の塩水で飼育される方もいらっしゃいます。
私もお店のベタだけはろ過をしていないので、病気の予防に常時0.1%の塩浴をしています。
【STEP2】メダカの塩浴治療のやり方と注意点
塩浴は、塩水の濃度を0.5%(水1Lに対して塩5g)に調節する必要があります。
〇使用する塩について
塩は普通の食塩でも問題ありませんが、市販の塩浴専用の塩を使うと、大粒のあら塩がジワジワ溶けることで水質ショックの予防に配慮されていたり、専用の計量スプーンが付くなど使いやすい設計になっているのでお薦めです。
※市販の塩でも大丈夫ですが添加物が悪影響になるので、にがり入りの塩や味付け塩は避けてください。

塩浴に体力回復の効果があるといっても、いきなり濃い塩水にメダカが晒されると、逆に水質ショックでダメージを受けてしまします。
対策として、時間を掛けて溶ける大粒のあら塩を使用するか、一般の塩でしたら半日~2日間、ゆっくり時間を掛けて徐々に塩を溶かすようにしてください。

普通の方だったら「仕事もあるし、2日間もかけて塩分濃度を調整してられないよ」って思いますよね。
私も同感です。ですから、お忙しい方は治療用の塩を使う方が、徐々に溶けてメダカもショックを受けないので安心ですよ。
私は、治療が数匹の場合は小さな容器で安心の治療用の塩を使い、大きな容器の魚が一度に調子を落とした時はコスパ重視で市販の塩を使って治療をしています。

この記事の一番下にリンクを貼っていますが、私が塩浴をする際は安全第一で必ず塩分濃度を測っています。
これを使うようになってから、塩浴の成功率が大きく向上したのでおすすめです。
〇メダカの塩浴の治療期間と運用について
塩浴の期間は5~7日が目安です。
でも、実際はメダカの体調を確認しながら調整してあげてください。
塩浴中はろ過バクテリアがいない環境なので、水質の悪化を防ぐために餌を控えた方が良いです。
ただ、回復が遅く塩浴が長期化する場合には、食べ残しがないように注意しながら少量を与えてあげてください。
そして可能な限り一日おきに水を完全に新しくすることをおすすめします。
※塩水の中でろ過バクテリアは死滅します。

容器を二つ準備しておくと、水槽を移動させるだけでいいので水替えが楽です。
〇治療期間のエアレーショの必要性
必ずしもエアレーションが必須ではありませんが、メダカが疲れない程度に優しくエアを噴いてあげると酸欠の防止と、水の攪拌効果が期待できます。
〇メダカの調子が戻ったら
メダカの体調がが回復したら、塩水から通常の飼育水に戻します。
いきなりメダカを真水に戻すと、逆に水質ショックでダメージを与えることがあります。
できれば、2日間くらい時間をかけてゆっくり水換えをして徐々に真水に近づけてから、更にしっかり水合わせをして元の水槽に戻してあげると、ダメージを抑えることができます。
〇飼育水槽に直接塩を入れてはダメです

面倒でも塩浴は別の水槽に隔離して実施してください。
面倒だから飼育水槽で塩浴をしたくなるところですが
①塩浴をするとろ過バクテリアが死滅します
②水草も0.5%の塩分には耐えられません
【STEP3】塩浴に適さないケース

塩浴は病状が軽度の時に自然治癒力で回復させる治療法です。
ですから、見てすぐに病気とわかるような状態の場合は、迷わずメチレンブルーなどで薬浴してください。
病状が見てすぐに判るような場合は、手遅れになる前に早急に塩浴ではなく薬浴をしてあげてください。
また、消化不良(目に見えて痩せている場合などは)真水のまま温めてあげる方が治療効果が期待できます。

やせ細り病は塩浴も薬浴もリスクが高いのでおすすめしません。
詳細は下の記事をご確認ください。

本格的に病気の場合は迷わず薬浴をしてください!

塩浴に欠かせない塩分濃度計の記事です。是非ご覧ください!