
みなさま、メダカが好きな「ph(ペーハー)」ってご存じですか?

そして、メダカにとって適正なphってどれくらいなのでしょうか?

「ph(ペーハー)」とは学校の理科や化学で習ったことがある、酸性とかアルカリ性とかってやつです!

メダカを飼う時に、最適な水の状態を表す代表的な指標の一つとして、「ph」や軟水か硬水を表す「硬度」などがあります。

先に答えを言うと、メダカは弱酸性から弱アルカリ性(ph6.5~8.0)の軟水(ミネラル分が少ない水=硬度が低い)を好むと言われています。

メダカの飼育で適正な「ph」を意識する事って、そんなに重要ことなんでしょうか?

メダカにとって弱酸性や弱アルカリ性と言いた指標に重要性があるのでしょうか?

ph(ペーハー)と言う単語だけでも、メダカの飼い方の疑問は深まるばかり。

そこで今回はメダカの適正な「ph」を中心に、メダカの好きな水質と、その重要性について解説させていただきたいと思います。
みなさまは、メダカが好きな水質とph(ペーハー)をご存じですか?
そしてメダカ飼育に適正なphを意識できていますか?
一般的にメダカが元気に生きていけるphは、弱酸性から弱アルカリ性(phで表わすと6.5~8.0)と言われています。
メダカを飼育するうえで、適正なphってそんなに大切な事なのでしょうか?
メダカ飼育で適正なphを気にしないと何か問題があるの?
正しい水槽のph調整の方法は?など様々な疑問が湧きますよね。
そこで今回は、今一曖昧なphの意味と重要性を中心に、メダカの好きな水質と適正なph調整の大切さについて、ご説明をさせていただきます。

なぜメダカには好きなph(ペーハー)があるのですか?


ph(ぺーはー・ぴーえっち)とは、液体や土壌などの水素イオン濃度を計測した結果で、その値によって酸性とかアルカリ性などと表わされます。

phは、小学校の理科の実験でもお馴染みですよね。

でも、なんで弱酸性が好きな魚と、弱アルカリ性が好きな魚がいるんでしょうか?

実は生き物のphの好みは、その生き物の原産地生き物や育った環境で決まるんです。
弱酸性の水質・phが好きな魚の原産地について

アマゾン川などの写真があればよかったのですが、資料が無かったので台風の時の川の写真でイメージだけお伝えします。

このような泥で濁った川のphが弱酸性です。

上の写真は泥川のイメージだけです。
実際はドキュメンタリー番組でしか見れないような、大きくて泥が舞ってる茶色い大河川をイメージしてください。

赤玉土や鹿沼土などがそうですが、基本的に土ってphが酸性のものが多いんです。
ですから、大きくて泥が舞って茶色に染まった川の水のphは、弱酸性であることが多く、そう言った川の魚たちは先祖代々弱酸性の水で生きてきました。
だから、ネオンテトラをはじめとした熱帯魚の大半は弱酸性の水質を好みます。
弱アルカリ性の水質・phが好きな魚の原産地について

日本で見かける、岩がゴロゴロとした河川をイメージしてください。


こういった川は、石や貝殻から溶け出したミネラル分によって、phは弱アルカリ性になります。
ですから、金魚やメダカなど日本固有の魚は弱アルカリ性の水質を好む場合が多いです。
意外ですが、熱帯原産のイメージが強いグッピーも、実際は弱アルカリ性のphを好む魚なんですよ。
※メダカは、田んぼの畔や用水路にも生息しているので、土が溶けだした弱酸性の環境にも対応できるのだと思います。
メダカを健康に飼育するにはメダカを適正なphで育てることが大切

魚が好きな「ph」に調整することは、その魚が生まれ育った環境に近づけるってことなんです。
適正なph調整の意味とは、人間の手でメダカが住み慣れた故郷の環境を作ってあげること

私たち人間も、産まれ育った風土や環境の方が、生活する上で居心地がよくないですか?

乾燥した地域、ジメジメした地域、暑い地域、寒い地域色々ありますが・・・

人間も産まれや育ちが様々あるように、メダカにも祖先から生き抜いてきた環境があります。

メダカのphを適正に調整する意味とは、メダカが本来住み慣れた故郷の環境に、水槽の中を近づけるって意味なんです。

メダカのph調整の大切さが理解できてきましたか?
私たちも、誰かの勝手な都合で、いきなり砂漠やジャングルへ移住させられたら、なかなか環境に適応できずに苦しんで、ストレスから病気になって死んでしまいそうですよね?
メダカ飼育で、水槽を適正なphへ調整する大切さとは、メダカに本来住み慣れた環境で過ごして貰うための、優しさというか思いやりなんです。
つまりメダカ水槽のph調整を、上級者だけがこだわればいい飼い方のテクニックと思って軽んじていると、メダカがストレスを抱えて健康を害する結果になり、最悪の場合は死んでしまう原因にもなりかねません。
ですから、メダカを飼育する上で、水槽のphの管理は大切な飼い方のコツです。

メダカに限らず、アクアリウムの生き物を飼育する場合に、phの確認と調整は大切な飼育テクニックとお考え下さい。
メダカの水槽のph測定方法について


メダカ水槽のphは、このようなペーハー測定器や、ペーハー検査薬を使うことで確認ができます。
写真のような測定器は、すごく手軽にphを確認できる反面、定期的に値を調整しないと、時間とともに結果が狂っていきます。
私は、phの測定値が狂うリスクがないので、測定器ではなく検査薬を愛用しています。
ただ、一度測定器を買えば壊れるまでは使えるので、検査薬に比べて測定器には費用の面のメリットがあります。
その他に、リトマス試験紙タイプにph検査キットもありますが、試験紙タイプはの変化が不鮮明で、細かなphの値が判断しにくいので、あまりおすすめしていません。

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ところでメダカの適正なphって弱酸性?弱アルカリ性?

メダカは、弱酸性から弱アルカリ性(ph6.5~8.0)までのphに幅広く対応できる魚と言われてます。

個人的には、ph7.0~8.0の弱アルカリ性の方が、メダカの調子が良いように感じています。

最初の説明で行くと、田んぼの用水路などで育ったメダカは、土の成分に由来した弱酸性の環境が好きかもしれませんね。

逆に砂利が多い川や、グリーンウォーターで育ってきたメダカは、弱アルカリ性のphが好きなんだと思います。

ちなみにメダカの飼育環境でよく見かける、グリーンウォーターは強めの弱アルカリ性です。

結局、メダカが弱酸性と弱アルカリ性のどちらが合っているかは、メダカを観察していみないと答えがでないので、日々しっかり観察をしてあげてください。
簡単に水槽のphを調整する方法は赤玉土で弱酸性、グリーンウォーターで弱アルカリ性変えること

参考ですが、ビオトープの底砂で定番の赤玉土は弱酸性で、グリーンウォーターは弱アルカリ性です。

下の画像は、メダカをグリーンウォーターで飼育して、弱アルカリ性の環境を作っている様子です。


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私の経験ですが、飼育水がグリーンウォーターになるだけでも、phは水道水由来の中性からph10.2の弱アルカリ性まで上がります。


グリーンウォーターはホームセンターやAmazonなどの通販で購入できますし、ご自宅のお庭でDIYすることもできます!

グリーンウォーターの作り方は以下の記事をご確認ください。

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私が訪れたことがある主なメダカの生息地や、グリーンウォーターのphを計測すると7.5~8.0以上の弱アルカリ性でした。
また、枯葉が溜まった小川や用水路、田んぼの畔などのphは弱酸性であることが多いです。
ですから、メダカの好きなphは生息地によって幅広いのだと思います。
どうやってメダカの飼育水を適切なphに調整するのですか?phが変化する要因とは

先程も少しご説明しましたが、メダカ水槽のph調整はとても簡単です!
メダカ水槽のphを弱アルカリ性に調整するには

最初にご説明した、弱酸性と弱アルカリ性の川の風景を思い出してみてください。
最初に水槽のphを調整する意味とは、人間の手で本来メダカが生まれ育った環境を作り出すこととご説明しました。
まさに、そこに答えがあって、phを弱酸性に調整する場合はアマゾン川のように泥(土)を、弱アルカリ性に調整するなら日本の河川のように石や貝殻(砂利)を、水槽に入れるだけでいいんです。

ですから、メダカ水槽のph調整といっても難しいことはなく、僅かでも水槽の中をメダカが住んでいた川の風景に近づけるだけでいいんです。


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川の風景を作るといっても、上の写真のようなレイアウト水槽を仕立てるわけではなく、例えば一つかみの砂利を入れるだけでもphをアルカリ性にする効果があります。

ここで疑問に思いませんか?
なぜ赤玉土に牡蠣殻(かきがら)を混ぜる方がいるのですか?弱酸性のphの原因と改善方法

写真のプラ舟の右側上部にあるのが赤玉土で、右下の白いネットの中身が牡蠣殻(かきがら)です。
メダカ水槽をアルカリ性にするには

本来、赤玉土の影響で水槽内のphが弱酸性になるところを、追加で牡蠣殻を入れる事で弱アルカリ性に調整しています。


メダカはph変化に耐性があり、徐々にphを変化させると、幅広く順応してくれます。

とは言え、メダカが生まれてから死ぬまで、できる限りphを一定に保つことは大切なことです。
※ただし、メダカに急激にphを変化を与えてしまうと、phショックでダメージを受けてしまうので、phを調整する際は極端な変化にならないようにご注意ください。
メダカ水槽のphをアルカリ性にする際の注意点

ph調整のために赤玉土や牡蠣殻を加える際は、少量からはじめて数日に分けて増やしていくようにしてあげてください。
メダカ水槽が弱酸性になる原因と弱アルカリ性にする方法
先程も書きましたが、メダカの飼育水がグリーンウォーターになると、phは弱アルカリ性に変化します。
では、グリーンウォーターの水槽から、底砂に赤玉土を敷いた水槽にメダカを移動するとどうなるでしょうか?
ご想像の通り、いきなり水槽から水槽へメダカを移動させてしまうと、メダカたちは急激な弱アルカリ性から弱酸性へのph変化に晒されてしまい、ph変化によるダメージを受けてしまいます。
また、メダカの水槽に大量の雨が降り込むと、酸性雨の影響で、phが弱酸性に急変します。
これもメダカにとって、大きなphショックです。
この辺りの理屈がわかっている方は、赤玉土に水質を弱アルカリ性に誘導する牡蠣殻を混ぜて、phを弱アルカリ性に維持・調整しています。

酸性雨という言葉を聞かれたことがあると思いますが、雨は大理石を溶かすほどの強い酸性の水です。
水槽のphを維持するために考えるべき事とは
普段水道から出てくる水は、厳密にはごく弱い弱アルカリ性で、全国平均がph7.3程度と言われています。
※中性はph7.0。弱アルカリ性の水の方が水道管に与えるダメージが少ないので、水道水は弱アルカリ性に調整されているそうです。
ほぼ中性の水道水に、ソイルや砂利を入れることで、飼育水槽のphを弱酸性や弱アルカリ性に変えるのですが、以下のような理由で、いったん調整したphも時間の経過とともに変化していきます。

水槽のphは、時間とともに変化するので、定期的な確認と再調整が大切です。
メダカの水槽のphが弱酸性に変化する原因
①水が汚れてきた⇒亜硝酸や硝酸塩の影響でphが弱酸性に変化する
②大量に雨が降りこんだ⇒酸性雨の影響でphが弱酸性へ変化する
③飼育水がグリーンウォーターに変化する⇒グリーンウォーターが濃くなるにつれてアルカリ性へ変化する
メダカを飼う時は定期的にphを確認することが大切

ここまで書きたように、大袈裟でなくメダカの水槽のphは刻々と変化していきます。

そのため、定期的にメダカの水槽のphを確認して、想像よりphの変化が大きければ再度ph調整をしてあげてください。
水槽を立ち上げた後に再度phを調整する方法とは

ここからは、メダカの飼育の途中で、水槽のphを再調整する方法についてご説明いたします。
メダカ水槽のphを弱酸性にするには


ソイル水槽でメダカを飼育しているのにphが弱アルカリ性になる場合は、石や貝殻などアルカリ性ものが水槽に入っていないかをご確認ください。
ソイルも土の仲間なので、水槽にソイルを敷くとphは弱酸性になります。
ですから底砂にソイルを使っているのに、phが弱アルカリ性に変わる場合は、水槽内に岩や石、貝殻らなどのミネラル分が混入している可能性があります。
どうしても原因を探してみて該当が見つからない場合は、市販のph降下剤を使用して対応すると簡単です。
ただ、ソイルを敷いた水槽でphが弱アルカリ性になるのは不自然なので、しっかり原因を探すのも大切だと思います。

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水槽にソイルを敷いてメダカを飼育するだけでも、phは酸性に変化します。

弱酸性のphを狙いつつ、水草も栽培する予定であれば、底砂はソイルがおすすめです。

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私の写真に写っているソイルはこちらの製品です。

天然玉土は、ソイルの中でも特に色が黒いので、メダカを水槽で飼育する時に使うと、色揚げの効果が期待できます。

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メダカ水槽のphを弱アルカリ性にするには


弱アルカリ性に調整している水槽が、弱酸性に変化してしまう場合の対策とは…
①水質の悪化でphが酸性に傾いている場合が多いので、適切に水換えを行ってください。
※水槽の中に有害な亜硝酸や硝酸塩が増えると、phが酸性に変化することが多い。
②水換えをしても水槽のphが弱酸性に傾く場合は、水槽内にソイルや赤玉土など酸性の土がないかを確認し、それでも原因がわからない場合は、phをアルカリ性にする牡蠣殻を添加する方法が簡単です。
※土の他、水槽に柿の葉、マジックリーフ、流木などを入れると、phは弱酸性に変化します。
メダカを飼育しているうちに、弱アルカリ性の水が、弱酸性に変化することはよくあることです。

マジックリーフや柿の葉に含まれるタンニンには、phを酸性にする効果と病気の原因菌を殺菌する効果があります。

特に、水換えを減らすメダカの冬のビオトープ飼育の病気予防におすすめです。

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①の水質の悪化が原因でphが酸性になっている場合は、ph調整に注意が必要です。

水質悪化はphが弱酸性へ変化するだけでなく、有害な亜硝酸や硝酸塩が増えている可能性があるので、メダカの生命にかかわる危険な状態化もしれません。

メダカにとって有毒な、アンモニアや亜硝酸はこのようなキットで検出できます。

お気付きと思いますが、定期的なphチェックには、早めに水の汚れ具合に気が付く効果も期待できます。



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先ほども書きましたが、メダカ水槽に”牡蠣殻(かきがら)”を添加すると、貝殻からカルシウムが溶けだしてphが弱アルカリ性に変化します。

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先程の画像にもありますが、私は牡蠣殻が散らばるのが嫌いなので、このようなお茶用の袋型のフィルターを使って、小分けに包んで使用しています。

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メダカ水槽のphを弱アルカリ性へ調整する前に注意すべきアンモニアの害の特徴


メダカを飼育する上での注意点ですが、弱酸性の水をいきなり弱アルカリ性に誘導すると、アンモニアが重毒化して、メダカが急性アンモニア中毒を起こすリスクが高まります。

アンモニア中毒はとても危険なので、水槽の水温やphを変化させる時には、アンモニア濃度に注意が必要です。
アンモニアの濃度が一定の場合、弱酸性の水と弱アルカリ性の水では、弱アルカリ性の水の方がアンモニアが重毒化します。
同様に水温が高くなる程、アンモニアは重毒化するので注意が必要です。
そのため、ph調整で弱酸性の水に牡蠣殻を入れて弱アルカリ性にする場合などは、事前にアンモニア検査をして、水槽内にアンモニアが溜まっていないことを確認してから行ってください。
アンモニアが増えている水槽に、大量の牡蠣殻を入れると、半日から1日でメダカが突然死するような事故も起こり得ます。

万が一の、メダカの突然死を避けるため、以下の記事でアンモニアの怖さをご確認ください。
最後に
ここまでメダカ水槽の適正なphを中心に、水槽の水質維持について書いてきましたが、いかがでしたか?
繰り返しになりますが、メダカ水槽内のphを適正に維持することは、メダカが本来生活していた環境に、水槽の中を近づけるあげる、メダカの飼い方の配慮です。
私も初心者の頃は、ph調整なんて上級者レベルの話で、初心者が悩む話ではないだろうと軽く考えていました。
ですが、メダカの飼育が上手くいかずに行き詰まり、飼い方を悩んだ末、水槽内のphを適正に調整するようになってからは、メダカが元気になり、毎日一匹ずつ死んでいくポツポツ死も減りました。
メダカを健康に飼育するために、定期的な水換えやph管理がとても大切なので、日々お忙しくて大変だと思いますが気にしてあげてください。
この記事が、みなさまのお役に立てると嬉しいです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
