みなさまは、メダカを飼育している水が緑色に変わる現象に、グリーンウォーターとアオコの2種類があるのをご存じですか?
同じようにメダカの飼育水が緑色に色付く現象ですが、グリーンウォーターとアオコではメダカにとっての影響が真逆!
グリーンウォーターはメダカの稚魚の餌になり、汚れた水を浄化してくれるパーフェクトな存在ですが、アオコは毒素を出してメダカに害を与える危険な存在です。
今回は、見た目がそっくりなのに、メダカの飼い方に与える影響が真逆な、グリーンウォーターとアオコの違いについて書いていきます。
同じようにメダカの飼育水が緑色に変化していく現象である、グリーンウォーターとアオコ。
見た目には同じに見える両者ですが、メダカを飼育する上での影響は、全く真逆です。
片方はメダカの飼育にメリット尽くめ、片方はメダカの飼育にデメリットだらけ。
グリーンウォーターとアオコは見分けが難しいだけに、特徴と対策を知っておかないと、とても危険です。
そこで今回は、そんな似て非ざる存在、グリーンウオーターとアオコの違いと対策について、詳しく解説していきたいと思います。
メダカの成魚から稚魚の飼育に役立つグリーンウォーターとは
グリーンウォーターと言えば、メダカ飼育にすごく役立つので、メダカを飼う上で切っても切れない存在ですよね。
グリーンウォーターは、メダカの水槽の水に大領の植物プランクトン(浮遊性の珪藻類)が発生した状態を指します。
そして、メダカの水がグリーンウォーターになると、水中に増えた植物プランクトンがメダカや稚魚の餌になる他、植物プランクトンがメダカに有害なリン酸塩や硝酸塩を栄養として吸収してくれるので、水を綺麗にしてくれる効果も期待できます。
メダカの飼い方で、グリーンウォーターの変化をコントロールできるようになると、メダカの飼育難易度が格段に簡単になります。
そのため、メダカ飼育でメリットだらけのグリーンウォーターは、一般に広く積極的に愛用されてきました。
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メダカを飼う上で危険な存在であるアオコとは
アオコは若干青いものの、見た目はグリーンウオーターとほとんど変わりませんが、その性質はメダカを飼う上で健康面で害しかありません。
また、見た目がグリーンウォーターに似ているため、グリーンウォーターが仕上がったと喜んでいたら、実はアオコだったという事故も起こり得ます。
例えるとメダカの飼い方で、薬と毒の見間違えって怖くないですか?
以下をご参照いただき、アオコの発生を防止してください。
アオコとは浮遊性の藍藻(らんそう)が大量発生している状態を指します。
浮遊性藍藻は最初のうち水中を漂う姿で存在します。
その状態がグリーンウォーターに似ているのですが、成長につれて水面に浮かび上がってきて水面を覆いつくすようになります。
浮遊性藍藻が水面を覆うと、植物プランクトンが光合成をできない状況に陥る上に、藍藻自体がメダカに有害な毒素を放出するので、アオコが発生したら速やかな水換えが必要となります。
メダカの水槽内で藍藻が増えると、植物プランクトンが光合成できなくなるので、プランクトンや微生物が増えることができず、水槽内は完全に死んだ水になってしまいます。
アオコが発生すると非常に危険なので、以下をお読みいただき予防を徹底してください。
藍藻(アオコ)はリン酸塩が増加すると増えやすくなるので注意が必要!
藍藻の素になるシアノバクテリアは、リン酸塩という植物にとっての栄養分が増えると、水の中で活発に増殖します。
リン酸塩はメダカの餌に多く含まれているので、リン酸塩を増やさないために、餌のやり過ぎには注意が必要です。
アオコの素になる藍藻だけでなく、水槽内で生きている苔の仲間全般に言えることですが、メダカの餌や水槽の水、水草用の肥料などに含まれる、リン酸塩を栄養として増殖します。
また、ph調整剤などにもリン酸塩が含まれていることがあるので、薬品でphを調整する際には苔の増加に注意してください。
植物の3大栄養素が窒素・リン・カリでそのうちのリンがリン酸塩なので、水槽内で水草用の肥料を使うと、苔や植物だけでなく藍藻が増えてしまう原因になります。
参考にですが、名前は藍藻(らんそう)で、見た目も植物や苔に似ていますが、藍藻はシアノバクテリアという名前で、厳密には苔ではなくバクテリアの仲間です。
メダカが食べ残した餌が増えて、水中にリン酸塩が過剰になっている環境では、飼育水がグリーンウォーターでなくアオコになるリスクが高いとお考え下さい。
メダカに限らず、魚たちは見た目に痩せてくるほど少なくなければ、それほど餌を与えなくても大丈夫です。
メダカの餌が過剰になる方が、アオコを含めて水質悪化の害が拡大する原因になるので、メダカ飼育では餌の与え過ぎに注意してください。
それが、メダカの飼い方のコツです。
また、リン酸塩意外にアンモニアが分解されて生成される硝酸塩(窒素)も、藍藻の栄養源になるので、藍藻の予防には定期的な水換えが大切です。
尚、硝酸塩は有毒なアンモニアを、水を濾過する硝化菌(しょうかきん)が分解した後に残留する物質です。
※厳密にはアンモニア⇒亜硝酸塩⇒硝酸塩の順で分解されていきます。
目に見えない硝酸塩が機になった時には、以下のような道具で硝酸塩の濃度を調べることができます。
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濾過に欠かせないバクテリアと、硝酸塩の関係については以下の記事をご覧ください。
メダカの水を綺麗にしてくれる硝化菌は、市販のバクテリア剤で簡単に増やすことができます。
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簡単なグリーンウォーターとアオコの見極め方法とメダカの飼い方への活用
アオコとグリーンウォーターの、最も簡単な見極め方法は、臭いを嗅ぐのが一番です。
藍藻が増えた水は、グリーンウォーターなどに比べて色がやや青いのでアオコと呼ばれていますが、色よりもどぶ臭い刺激臭で見分ける方が簡単です。
詳しいアオコ・藍藻(らんそう)予防と対策については、以下の記事をご参照ください。
最後に
ここまで、メダカ飼育にとってメリットだらけのグリーンウォーターと、その真逆でデメリットだらけのアオコについて書かせていただきましたが、いかがでしたか?
冒頭で書いた通りですが、アオコつまり藍藻は、水槽の水の中に栄養が増えると増加しがちになります。
ですから、一番簡単で手堅い藍藻を出さないためのメダカの飼い方のコツは、メダカが痩せすぎない範囲で、適切に餌を減らすことです。
成長期の針子や稚魚・産卵期のメダカの飼育では多めに餌を与える飽和給餌が大切になりますが、通常は餌を少なめにする方が安心です。
メダのことをしっかり観察しながら、適切に餌の量をコントロールして藍藻を予防してあげてください。
この記事が、みなさまのお役に立てると嬉しいです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。