
優雅に、時に俊敏に泳ぎ回るメダカたちですが、その内面は意外にデリケートでストレスを感じやすいことはご存じですか?

そして、メダカにストレスが溜まってくると体調を崩して、弱り病気にも感染しやすくなります。
みなさまは、メダカがストレスを感じる事をご存じですか?
メダカも私たちと同様に、急な環境の変化に合ったり、phや水温安どの環境が合わない場合は、ストレスを感じ最悪の場合は、ストレスから体力を低下させ弱り、病気に感染することもあります。
ですから、メダカにストレスを掛けない環境を作ることは、水の汚れの管理と同様に大切なことです。
でも、メダカのストレスになる要因と言っても、なかなかピンとこない方も多いのではないでしょうか?
今回は、メダカを病気から守るために大切な、メダカをストレスなく育てるための飼い方について解説をさせていただきます。

メダカにストレスを貯めない飼育方法は、ラメを増やすためにも大切なことです。
メダカの飼育水槽まわりのストレスの原因について再度確認が必要


意外かもしれませんが、メダカは以下のような事柄に対して、ストレスを感じると言われています。

例えば、上の写真のように水面が激しく波立つような飼育環境は、メダカのストレスになります。

以下の内容をご確認いただいて、メダカが無用なストレスを感じないようにメダカの飼育環境をケアしてあげてください。
②周囲の音・水槽に接触したときの振動・人間などが覗き込む影など
③水槽内でメダカを追いまわす行為

基本的に、外敵の危険を感じさせる事は、メダカのストレス要因になります。
エアレーションの泡が弾ける音や振動はメダカのストレスの原因になる


ここまで強くブクブクとエアレーションを行うと、メダカにとってはストレスでしかありません。
メダカの飼育水が綺麗なのに、いつもメダカが水槽の底に潜って動かない時には、メダカがエアレーションのブクブク音を怖がっている可能性があります。
もし、いつもメダカが水槽の底に潜っている原因が、エアレーションの泡と疑われる時には、試しにエアレーションを弱めてみて確認してください。
エアレーションを止めてみて改善がみられる場合は、エアーの流量を減らすなどの対策が必要です。

以下の記事にも書いていますが、私は水草やエアホースを丸めて浮かせて、泡の広がりを抑えるなどの対策をしています。


メダカの採卵をしない方は、このように水草を入れてあげると、流れを弱める効果があります。

もしメダカの卵を採卵する場合は、メダカが水草に卵を産み付けまくり、卵を採取しにくくなるので、水草の導入には注意が必要です。


メダカは、みなさまの想像以上に臆病な生き物です。

ですから、ストレス対策で簡単に改善ができる事柄については、速やかに対応してあげてください。

さて、ここからがストレス解説の本番になります。
命に係わる水質悪化や水質・水温の急変によるストレス症状と対処法について


水質悪化がメダカのストレスの原因になる事は、簡単にご想像いただけると思います。

ただ、メダカ水槽の水が綺麗な方が良いといっても、雑に水換えをすると、phの急変など水換え自体が、メダカにとって大きなストレスになるので注意が必要です。
メダカにとって、まめに水換えを行って、常に飼育水を清浄に保つことは大切です。
しかし、日々の水換えのやり方を間違ってしまうと、足し水による水温やphの変化が、メダカにとって大きなストレスの原因になるので注意が必要です。
水換え時のメダカのph変化によるストレスを避けるために、以下の事柄をご対応ください。
②優しく水合わせをせずに、いきなり水槽を移動すると危険です
③水換え時に、ジャブジャブと注水を行うことは水温やphの急変の原因になります
メダカ水槽への大量の雨の降り込みよるphショックの危険性

雨の成分は、「酸性雨」という言葉があるように「酸性」を示し、また寒い上空から降ってくるので水温が低いです。
※平均的に地表付近の雨の水温は、5℃程度と言われています。
その雨が大量にメダカ水槽へ降り込むと、メダカの飼育水が「酸性」に傾き、水温も急激に低下します。


グリーンウォーターのphは8~10の弱アルカリ性なので、そこに酸性の雨が降り込むと、phがアルカリ性から酸性へ急変する原因になり、メダカがストレスを感じて弱ってしまいます。
梅雨時期など雨が多い時期には、メダカが負担を感じないように、事前の雨除け対策が必要です。

私も店先にテラス屋根を作るまでは、こんな風にすだれや波板を使って雨除け対策をしていました。



すだれであれば、雨除けと同時に日差し対策にもなるので、揃えておくと便利です。

参考ですが、ブルーシートは上手に張れないと、雨が溜まってしまい、水の重さで柱が潰れるので、大工仕事が得意でない方は、避けた方が良いと思います。



雨の降り込みの危険性については、以下の記事をご参照ください。

最も簡単な雨除け対策は、DIYショップで波板を購入して蓋をすることです。

ストレスで負担を掛けないためのメダカの水槽の移動方法


小さなことですが、ph変化でストレスを与えないために、わずかな水槽の移動であっても、丁寧な水合わせが大切です。

メダカのショック症状と、優しい水換えについては以下の記事をご参照ください。

以下の写真は、透明な水とグリーンウォーターのph比較ですが、グリーンウォーターになるだけでもphは大きく変化します。

透明な水だと、中性というか、かなり弱いアルカリ性を示します。

私が調べた範囲では、極弱いアルカリ性の方が水道管が腐りにくいので、水道水はわざと中性ではなく弱アルカリ性にしてあるようです。


グリーンウォーターは、phが10以上のアルカリ性になることもあります。

一見して同じように見える飼育水槽でも、日当たりや、メダカの飼育数、水槽内の環境、グリーンウォーターの濃さなど、様々な要因でphや水温が変化します。
ですから、同じ飼育場の隣り合った水槽であっても、水質は少なからず異なっているとお考え下さい。
そのため、近い水槽だからと、網ですくってそのままポイのような雑な移動をしていると、メダカが弱って病気になる原因になりかねません。

たとえ隣の水槽への移動であっても、必ず水合わせをしてくださいね。

参考ですが、グリーンウォーターが濃くなるだけでも、水温は高くなります。

ですから、隣の水槽なら水温も同じだろうなどと、安易に判断すると危険ですよ!
メダカにとっての水の管理は、人間にとっての空気の管理と同じです。
私たちが毎日空気の入れ替えをするように、メダカの水も常に衛生的であるように心掛ける必要があります。
しかし、前述したように、水を綺麗にするためであっても、雑な水換えは逆にメダカのストレスになることがあります。

飼育水の維持管理や水換えについては、以下の記事をご参照ください。
メダカにphや水温ショックを与えないための優しい水換えと注水方法とは?


水質を綺麗に保つために、定期的な水換えが必要です。
でも水を抜いた後、いきなりジャブジャブと水を注いで、短時間で大きくphや水温が変わってしまうと、メダカはストレスを感じて弱ってしまいます。
ですから、可能な限り水を注ぐときには、点滴式の注水を行うなど、優しい水合わせをご検討ください。
点滴式の水合わせ容器は手作りできますので、ぜひ取り入れてみてください。

私が自作している点滴式の水合わせ容器です。


手作りが苦手な方は、このような飼育用品もあります。

過密飼育がもたらすストレスの危険性について


私たち人間が狭い満員電車を嫌うように、メダカも過密飼育は嫌いです。
私たちがゴミゴミした空間にいると、なんだか空気が悪いなとストレスを感じるように、メダカも飼育数が多すぎると、餌や糞で水の悪化が加速するだけでなく、圧迫感からストレスを感じていると思います。
ですから可能な限り、メダカの飼育には、大型の水槽を使用してください。
また、メダカだけでなく観賞魚全般に言えることですが、過密な状態で飼育をすると、成長が遅くなるばかりか、大きく育ちにくくなります。
ですから、成長の促進の意味でも、育ち盛りの幼魚や若魚を大型水槽で育てると、メリットがあります。

育ち盛りの幼魚や若魚は、体調がわずか数ミリから1.5cmまで急激に成長するので、飼育数に変化が無くても、時間の経過とともに自然に過密になっていきます。
ですから、飼育場所に余裕がある方は、大きなプラ舟など大型水槽を導入すると、過密によるメダカのストレスの防止になります。

その他のストレスの原因について

ごく当たり前のことですが、以下の内容もストレスの原因になるので、注意が必要です。
②メダカ・他の魚種を問わず、気が強く追い回してくる魚との混泳
③昆虫など外敵の存在

私だって自分より体が大きく力が強い人や、噛みつくような動物がウロウロしていては、安心して外出もできません。

メダカだって同様で、力の強い生き物から追い回されていたら、ストレスが溜まりますよね。
最後に
ここまで、メダカがストレスを感じる環境について解説をさせていただきましたがいかがでしたか?
メダカは、魚の世界でも小さな存在です。
強くて飼育しやすい印象もありますが、実際は臆病でストレスを感じやすい魚です。
水換えや、周囲な環境など、メダカにストレスを掛ける様々な要因を減らすことも、メダカを健康で綺麗に育てるために大切な要素になります。
ぜひ、エアレーションの調整など簡単なことからチャレンジしてみてください。
この記事がみなさまのお役に立てると嬉しいです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
