みなさま、メダカや針子の1日の餌の回数って、何回が理想なのか疑問に思ったことはありませんか?
ネットで1日の餌の回数を検索すると、1日1回とか夏は2回とか、稀に3回なんて記事も見ますが、実際の餌やり頻度は何回くらいが正解なんでしょうか?
メダカにも満腹サインや空腹サインがあるのでしょうか?
また、メダカが餌を食べてくれない時には、どうしたら良いのでしょうか?
メダカの餌やり頻度だけでも、飼い方の疑問はたくさんありますよね。
そこで今回は、私のメダカの経験を中心に、メダカの餌やり頻度や針子へのエサの与え方について、メダカの空腹サインと言う観点から解説をしていきたいと思います。
様々なメダカの飼育書籍やWebサイトを見ていると、メダカの1日の餌の回数は1回だったり2回だったり。
ブログなどでもおすすめしているメダカの餌の回数は、各サイトによってバラバラ。
いったいメダカや針子のエサの回数は何回くらいが正解なのでしょうか?
そしてメダカにも空腹サインや満腹サインがあるのでしょうか?
悩むほどメダカの餌やり時期やタイミング、餌の回数の疑問が膨らむばかりですよね。
私も、メダカを飼育し始めたばかりの頃、どれくらいの回数メダカへ餌を与えたら良のか、メダカの餌やり頻度については試行錯誤の日々でした。
いろいろとメダカの餌やりの頻度について研究した結果、今では1日の餌の頻度が生き餌を含めて3回以上が普通で、産卵時期など餌を増やすときには、1日少量の餌を5~6回与えることもあります。
今回は、私が実施している餌やりの頻度や時期・タイミングについて解説をさせていただきます。
メダカの餌やり回数の目安は1日の生活スタイルの中にあります
ここでは、メダカの食事の様子など、一日の生活を中心に解説していきます。
メダカは満腹中枢がなくて満腹を感じにくいってホントなの⁉
メダカって人間と違って胃袋も満腹中枢(満腹を感じる感覚)もないんですよ。
だから、いつだってメダカは満腹を感じることができずに、常に水草をつついたり、水面を俊敏に泳ぎ回ったりと、徳に空腹でなくても空腹サインを出しています。
つまり、メダカは空腹サインを出しているように見えても、実は既に腹八分や満腹なんてこともあるんです。
ですから、メダカの空腹サインを見て「まだ食べるのね」みたいに何気に餌を与えてしまうと、メダカが餌の食べ過ぎで消化不良になったり、餌の食べ残しで水槽の水を汚してしまうことがあります。
メダカが空腹サインを出しているからといって、必要以上にメダカへ餌を与えると、食べ残した餌が水槽の底へ沈んで、急激に水質が悪化する原因になります。
メダカが食べ残した餌の怖さについては、以下の記事にまとめています。
メダカや稚魚・針子への理想的な餌やり頻度について
屋外水槽やビオトープのメダカ達は、常に微生物や植物プランクトンを追いかけて、満腹になるまで天然の餌を食べながら生きています。
満腹を感じにくいメダカたちは、一日中ずっと何か餌を食べながら泳いでいるんですよ。
ですから、理想のメダカの餌やり頻度は、天然のメダカの食事スタイルに近い、少ない量をできるだけ数多くが基本なんです。
特に食べ残しが多くなりがちなメダカの針子のエサは、少量を何回にも分けてあげることが大切です。
でも、日々お仕事で忙しい愛好家さんが、1日に何回もメダカや針子へ餌やりするのは、時間的に無理がありますよね。
一般に言われているメダカの餌やりの方法は、1日1回~2回、5分で食べきれる量と言われています。
でも、実はネット上の記事や飼育の本に書いてある餌の回数や量の目安は、一般の方でもチャレンジしやすい最低限の目標なんです。
ですから、1日1回~2回の餌やりでは、メダカが産卵や成長のために必要な量を食べるには不足かもしれません。
特に産卵期のメスの餌やりは「飽和給餌」と言って、常に満腹まで食べさせてあげて肥満にさせるくらいがちょうど良いのです。
ですから、メダカの飼育に慣れてきたら、飼育本の餌やり方法を鵜呑みにするのではなく、自分なりのメダカの餌やり方法や餌やり頻度を探してみるのも良いかもしれないですね。
メダカは餌の与え方で次第で、稚魚の成長スピードやヒレ長メダカのひれの伸び具合など、飼育結果が大きく変わりますよ。
メダカ飼育は、たかが餌、されど餌ですよ!!
興味がある方は、以下の記事も覗いてみてください。
忙しくて1日に何回もメダカの餌やりができない時に餌やり頻度を上げるにはどうしたらいい?
1日に何回もメダカへ餌やりをする時間がない・・・
そんな時、一番簡単な解決策は、このようなフードタイマーを使うことです。
私がお客さまから「理想の餌やり頻度は何回?」って質問されたら、「少ない量を何回もが理想です」って回答します。
でも、現実的に1日に何回もメダカへ餌やりをするのは難しいので、できる範囲で良いので、最低でも朝夕2回以上はメダカへエサを与えてくださいねってアドバイスしています。
ただし、暗くなるとメダカが消化不良になりやすいので、日没の2時間前からは餌やりを控えてください。
ヒレ長メダカの尾ひれを伸ばすためにも餌やり頻度が大切
ヒレ長メダカの尾ひれをモサモサに伸ばしたい方は、餌やり頻度が多くなるほどメダカのヒレが伸びるので、稚魚の餌の回数を増やすことをおすすめします!
写真は、私が育てているマリージュメダカの若魚です。
だんだんヒレがモサモサしてきたので今後が楽しみです。
でも、ヒレ長メダカはヒレが伸びてる子から順に売れていくので、綺麗にヒレが伸びた子を成魚まで育てる機会って少ないんですよね。
ヒレ長メダカのヒレを伸ばす時期も産卵時期と同様に、栄養価が高い産卵用の「メダカの舞 ブリード」を与えることをおすすめします。
満腹を感じないメダカの食べ過ぎによる消化不良対策について
さっきも言いましたが、メダカは胃袋も、満腹中枢(満腹を感じる器官)もないので、食べ過ぎて消化不良を起こしやすい生き物です。
もちろんメダカが満腹を感じにくいといっても、お腹パがンパンになれば、内臓が弾ける前に食事を止めますが、それでも十分食べ過ぎなんです。
ですから、メダカが餌の食べ過ぎで消化不良にならないように、メダカの満腹サインを見ながら、人の手で餌の量を加減するのは大切です。
満腹サインと言っても難しくはなくて、わっと餌に集まらなくなって食べる泳ぎが遅くなってきたら、餌やりを止めた方が安心です。
また、日が沈む時間以降にメダカへ餌を与えないのは大鉄則です。
冬のメダカが餌を食べない時期など季節ごとのメダカの適切な餌やる頻度と回数とは?
稚魚をしっかり成長させる朝やりの回数と矛盾しますが、メダカの健康のためには、餌は控え目が安心です。
メダカが食べ過ぎで消化不良気味になると、すぐに死んでしまう場合もありますし、死ななくてもダメージを蓄積させて短命に終わる場合もあります。
また、メダカの消化能力は水温によって大きく変化します。
春から夏にかけて水温が25℃から28℃の時期に、メダカの消化能力は最大に発揮されます。
そして、水温が20℃を切ると消化能力の低下がはじまり、15℃をきると消化不良を起こすリスクが高くなります。
ですから、冬になって水温が10℃を切りメダカがあまり餌を食べない時期には、無理してあまり餌を与えないようにしてくださいね。
夏場はメダカも消化能力が高いので、産卵や越冬に向けてメダカが肥満になるまで、たくさん餌を与えて栄養をつけてあげましょう。
そして、秋から徐々に餌を減らし始めて、冬に水温が15℃を割りメダカが餌を食べない時期になったら、適切に餌切りをしてください!!
水温によるメダカの消化能力の変化を理解できると、1年の時期ごとの餌やりの頻度や加減が把握しやすくなります。
メダカの産卵時期の餌やりの方法について
夏場のメダカは産卵があるので、肥満になるまでメダカをしっかり太らせてください。
メダカの肥満は良くないという記事もありますが、産卵時期に限っては肥満もOKです。
産卵時期に、通常よりエサの回数を増やしてメダカを太らせる餌やりを「飽和給餌(ほうわきゅうじ)」と言います。
しっかり飽和給餌ができると、こんな風にメダカがふっくらとしてきます。
適切な栄養補給にミジンコなどの生き餌は効果的ですか?
ミジンコやゾウリムシなどの生き餌は、水槽の中に住み着いて、メダカが1日中食べられる環境を作れるので便利です。
ただ、メダカには満腹中枢(満腹を感じるセンサー)がないので、一気に生き餌を投入すると争うように短時間で食べ尽くしてしまいます。
だから、私はブラインシュリンプなど水槽内で自然に増えない生き餌は、2回くらいに分けて与えるようにしています。
栄養のバランスを考えて、市販の粉の餌も含めてバランスよく与えているので、合計すると1日に3回以上は餌やりをしています。
具体的な生き餌の使い方に興味がある方は、以下の記事をご参照ください。
メダカの消化不良対策に役立つ消化に良い餌とは
一般的に活き餌は「高カロリー=消化に悪い」ことが多いので、内臓の負担になりがちです。
そういった意味で、多すぎる生き餌は、場合によっては害になる事があります。
夏場の消化能力が高い時期はともかく、水温が20℃を切ったら注意が必要かもしれないですね。
先程も書きましたが、生き餌や高タンパク質の粉の餌は、メダカの消化に悪いので、寒くなってきたら使用を控えた方が良いと思います。
寒い日や雨の日には、栄養化よりも消化吸収に良い餌が最適
寒い時期や、水温が下がりやすい雨の日の餌は、栄養化より消化吸収を優先した「メダカの舞のメンテナンス」などがおすすめです。
その他、餌の成分などに興味がある方は、以下の記事をご参照ください。
梅雨などの長雨の時期や大雨の日には餌を与えない方が安全
長雨や大雨の日は、急激に水温が下がるので、メダカは食欲が落ち、消化能力も低くなります。
雨の水温は、地表近くでも5℃程度と低いため、雨が続くと急激に水温が下がります。
そして、水温の低下はメダカの食欲と消化能力を低下させるため、このような時期に餌を与えると、消化不良を招く原因になりかねません。
ですから、梅雨などの時期は数日を目安に餌を控えることも大切です。
健康なメダカであれば、数日の絶食は問題ありません。
私は試していませんが、1週間程度は大丈夫といったご意見もあります。
どうしてもメダカが餌を食べてくれない時の対策は?
どうしてもメダカが餌を食べてくれない時に、無理に餌を与えても、食べ残しが増えて水が汚れる原因になるだけです。
どうしてもメダカが餌を食べてくれない時は、かなり弱っているか、既に病気の可能性があります。
早目に塩浴などで治療する方法もあります。
ですが、ほとんど水槽の底に沈んで動かないくらい衰弱している場合は、塩浴中に栄養不足で死んでしまう恐れがあるので、微生物が豊富なグリーンウォーターの中で療養させると回復できることが多いです。
メダカが弱っている時は、より丁寧に水合わせをしてあげてください。
最後に
ここまでメダカの餌について書いてきましたがいかがでしたか?
メダカの餌の回数は、天然に近い環境、つまり少ない量を何度も食べるのが理想です。
でも、1日に何度も与えるのは大変ですよね?
ですから、一般的に1日1回とか2回が推奨されています。
ただ、先ほども書きましたが、メダカにとって最良の餌の回数は、少ない量をできるだけ複数回に分けて与えることなので、時間に余裕がある方は、できる範囲で何回も餌を与えてあげてください。
その方が、成長が速くなり、ヒレ長のヒレもよく伸びると思います。
何より、一回の餌の量が少ない方が、餌の食べ残しが出ず、水槽の水も汚れにくくなります。
少ない餌を何回も与える餌やり方法は、飼育する側にとって大変だと思いますが、メダカにとっては最適なので、是非チャレンジしてみてください。
この記事が、みなさまのお役に立てると幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。