ラメが綺麗なメダカって、見ていてとても楽しい気分になりますよね。
でも、どうしたら綺麗にラメがのったメダカに育つのでしょうか?
ラメは、基本的に遺伝の要素が大きいと言われていますが、人為的な環境の影響はないのでしょうか?
今回は、綺麗なラメメダカを育てる為に必要な飼育方法について、解説させていただきます。
メダカのラメを増やすには、どのよう育てたらよいのでしょうか?
同じ種親の卵でも、ラメが綺麗な子、そうでない子様々ですよね。
実は、ラメって殆どが遺伝に左右されていて、飼育環境の影響が少ないと言われています。
では、なぜ綺麗な個体とそうでない個体が産まれるのでしょうか?
今回は、その点について固定率以外の環境要因について解説をさせていただきます。
【STEP1】メダカのラメの殆どは遺伝と固定率で決まる
冒頭でも書きましたが、綺麗なラメメダカを産み出す最大の要素は遺伝情報です。
そして、それ以外の差は、ほぼ固定率の影響と思っていただいて間違いないと思います。
ですから、綺麗なラメメダカを作出する一番の方法は、たくさん数を取って、その中からできるだけラメがのった個体を選別し、種親にしていくことなんです。
これは聞きかじりですが、ラメメダカの選別にあたっては、目の横まで幅広くラメがのっていて、よりラメ密度が多い個体を選ぶと良いそうです。
確かに殆どのメダカは、頭の後ろくらいまでしかラメはのらないですもんね。
目の周りまでラメがビッシリだったら凄いと思います。
ただ、この話をし出すと、綺麗なラメメダカが欲しかったら、綺麗な種親を買うことしかなさそうに聞こえますよね。
実際、ほぼそうなのですが、でも綺麗な種親の子供を高い確率で鬼ラメにするためには、環境的な要素として、気を付けるべきこともたくさんあります。
ここからは、できるだけラメを増やす育て方について解説をしていきます。
【STEP2】メダカのラメも体外光も虹色素胞の中のグアニン層の集まり
グアニン層とは、メダカに限らず青魚のお腹の部分など、金属光沢の部分(虹色素胞)に含まれる、板状の細胞の層とお考え下さい。
金属光沢だけでなく、様々な色に輝くのもメダカの魅力ですよね。
人為的に環境を整えて、このグアニン層が厚くなるように飼育すると、メダカのラメや体外光にプラスに働きます。
【STEP3】メダカの虹色素胞とグアニン層を発達させる育成方法
孵化から約1cmの幼魚まで加温飼育をする
水温20℃代の後半、できれば28℃~30℃で加温飼育をすると、虹色素胞の細胞分裂が進み、体外光が伸びラメが増えると言われています。
加温飼育は、熱帯魚で使う熱帯魚用のヒーターを用いると簡単です。
ただし、ヒーターを使っての加温飼育は、水質の悪化が進みやすいので、できるだけ低めの温度から練習すると安心です。
また加温飼育は、水換え時に水温変化のダメージを与えがちなのも気になるポイントです。
ですから、水換えの際の温度合わせにもご注意ください。
加温飼育の詳細は以下の記事をご参照ください。
孵化から約1cmの幼魚までの期間はやや過密気味に育てる
メダカに限らず魚類は、過密に飼育されると成長が鈍くなる習性を持っています。
そこで、孵化後~1cmくらいまでの期間を、やや過密気味に育てることで、意図的に成長のスピードを落とし、虹色素胞・グアニン層の細胞分裂に時間を掛けようというのが理由です。
ただし、過密飼育は水質悪化の原因になりますので、そのデメリットをご理解いただき、まめな水換えなど適切な対応をお願いします。
メダカの稚魚・幼魚を白や透明の容器で育てる
近年、メダカの黒色素胞が発達すると、虹色素胞の発達が悪くなることが分かってきました。
色が濃い容器で飼育すると、メダカは保護色機能(背地反応)で色を濃くし、黒色素胞を発達させていきます。
ですから、それを逆手にとって、白や透明容器で育てることで黒色素胞の成長を抑制し、逆に虹色素胞を発達させようというのが、白容器飼育の目的です。
また、白容器の方が水槽内が明るくなり、メダカも元気に育ちます。
ここまで書いてきた育て方の中で、白容器飼育が一番お手軽で簡単な方法です。
興味がある方は是非チャレンジしてみてください。
【STEP4】メダカが1cm超の若魚になったらストレスフリーに育てる
ここまで、孵化後すぐのメダカの虹色素胞とグアニン層を活性化させる育て方をご紹介してきました。
ここからは1cmを超えた若魚の育成方法について解説していきます。
1cmを超えたメダカの飼育はストレスフリーが基本です。
メダカにストレスを与えないためには
1.過密飼育をしない
2.しっかり餌を食べさせる
3.常に水質維持に努める
4.適切な水温の維持
5.適度な日照
上記の要素を適正に整えてあげることで、ラメを増やす効果が期待されます。
若魚を過密飼育しない
一般にメダカの飼育は、水1リットルにメダカ1匹が定説ですが、ストレスなくを目標にする場合は、2リットルに1匹で育てる方が望ましいと言われています。
これは、ヒレ長メダカのヒレを伸ばすためにも有効な飼育密度で、水質維持やストレス軽減の意味でも、種親候補を見つけたら2リットルに1匹で育てると安心です。
若魚にしっかり餌を食べさせる
綺麗に育てるには、しっかり餌を食べさせることが大切です。
でも、一度にたくさんの餌を与えても、メダカは餌を食べ残し、余った餌が水槽の底に沈んで水を悪くしてしまいます。
解決策として、市販の粉の餌を一日に何度も与える方法があります。
でも、お仕事など忙しい日々の中で、一日に何度も餌をあげるのは大変ですよね。
ですから、市販の粉の餌にミジンコやブラインシュリンプなどの活き餌を併用する方法もあります。
繰り返しですが、しっかり食べさせるためでも、一度にたくさんの餌を与える事だけは絶対に避けてください。
ミジンコやブラインシュリンプなど活き餌に興味がある方は、以下の記事をご参照ください。
常に水質維持につとめる
魚にとって水は人間にとっての空気と同じです。
ですから、水質悪化は魚にとって命に関わる大問題。
当然、悪化するとストレスの大きな原因になります。
特に稚魚のうちは餌が過剰になりがちで、成魚のように頻繁な水換えも難しく、水質悪化が進みやすくなります。
ですから、意識して水換えを行い、常に綺麗な水を維持されることが大切です。
水質管理について詳しく書き出すと長くなりますので、興味がある方は以下の記事をご参照ください。
適切な水温の維持
メダカの適切な水温は20℃~30℃と幅広いのですが、成長に適しているのは24℃~28℃前後と言われています。
※生きるということであれば0℃~35℃とも言われていますが・・・
この水温の範囲で飼育してあげると、メダカも元気に良く育ちます。
ただし、先ほども申しましたが、高水温での飼育は水質悪化が進みやすいので注意が必要です。
夏場は、適度に遮光するなどして水温が30℃を超えないように注意してください。
飼育容器の日当たりに注意する
メダカは太陽が大好きな魚です。
とはいえ、真夏の西日は強烈過ぎますので、日差しが強い時期・時間帯は遮光してあげるなどして、適度に日の光が当たるよう調整してあげてください。
適度に太陽をあててあげると、ラメの輝きが増すとも言われています。
その他のストレスについては以下の記事をご参照ください。
最後に
ここまで環境的な要素で、少しでもラメを増やす育て方をご紹介してきましたがいかがでしたか?
最初に書きましたが、ラメの多い少ないは遺伝的な要素が殆どで、選別以外に人がコントロールできる要素は多くありません。
とは言え、せっかく遺伝的に綺麗なメダカの卵でも、育て方を誤るとラメを増やすことができません。
そういった意味で、育て方も大切な要素だと言えます。
この記事が皆さまのお役に立てると嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。