みなさま、夏のメダカの暑さ対策は万全ですか？
せっかく梅雨を乗り切ったのに、夏の暑さでメダカが死んでしまったら悲しいです。
梅雨場の雨対策も大変でしたが、夏の暑さからメダカたちを守るのも様々な工夫と対策が欠かせません。
では、具体的にどのような対策を行うと良いのでしょうか？
この記事では、様々な切り口の夏の暑さ対策と、高い水温の危険性について解説をさせていただきます。
みなさま、メダ活は順調ですか？
私が、お店を始めたばかりの頃は、今ほど日除けの設備が整っておらず、店頭の床がコンクリートだったこともあり、水温がうなぎ上りで、30℃を超えるのも日常茶飯事でした。
そうすると起きるのが、水槽まるごと突然死の大惨事です。
せっかく辛い梅雨を乗り切ったのに、この夏の暑さでメダカが死んでしまっては、悲しすぎますよね。
そこで今回は、突然死を起こさないための暑さ対策と、なぜ暑いと突然死が起きるのかについて、詳しく解説をさせていただきたいと思います。
夏の屋外飼育（外飼い）のメダカの暑さと高水温の対策
何はなくとも暑さ対策がしっかりしていれば、突然死の惨劇は起きにくくなります。
道具が揃っていない時は、このように板を載せるだけでも日除けの効果が期待できます。
その意味で、ここでは暑さ対策の重要性を認識いただけると幸いです。
上のグラフを見ていただければわかりますが、アンモニアは水中に溶けている分量が同量であっても、高水温と水質がアルカリ性になるほど毒性を増す特性を持っています。
ですから、夏に水温が急上昇するとアンモニアが強毒化して、水槽まるごと突然死してしまうことがあるんです。
これを急性のアンモニア中毒といって、夏に突然死を起こす原因の一つです。
真夏に、朝は元気だったメダカ達が、昼や夕方に全滅していたら、原因はほぼコレです。
また、水換えたばかりの新しい水は、中に濾過に必要なバクテリアがいないので、アンモニアが増えやすい環境といえます。
そのため、新しく作ったばかりの水槽や、多めの水換えした水槽は、水を入れて数日後すごく暑い日になると、一気にアンモニアの毒性があがってしまい、メダカが突然死する事故が起きやすくなります。
夏場はそのような、水を換えたばかりなのになぜ？のような事故が起きがちです。ご注意ください。
他にも、夏にメダカが死んでしまう理由はたくさんあります。
だからこそ、夏の暑さ対策は重要です。
飼育水槽（容器）の色・材質選択
暑さ対策で最初に考えるべきなのは、飼育水槽の色や大きさです。
私の経験上ですが、発泡スチロールの箱を水槽に使用するだけで、指を入れてハッキリわかるくらい水温が下がります。
白い水槽だとメダカの色が褪せてしまうデメリットはありますが、西日の日なたが避けられない場合は、少しでも水温が下がる発泡スチロールの使用がおすすめです。
発泡スチロール水槽の入手が困難な場合は、できる限り色が薄い水槽をご使用ください。
水槽の色が濃いか薄いかだけでも水温は数度違います。
ですから、たかが色と思わずに。メダカを守るためにご検討ください。
薄い色の水槽を使用すると、メダカの色まで薄くなるリスクがあります。
メダかの色は褪せてしましますが、種親候補のメダカを高水温で死なせてしまうくらいなら、例え見た目が悪くなっても、色が薄い水槽で水温を下げて飼育してあげる方が安心だと思います。
逆に体外光を伸ばしたい若魚は、安全な範囲で黒い水槽に賭ける必要もありますけどね！
ポチップ
ポチップ私も、暑い夏は発泡スチロール箱を多用します。
ポチップ飼育水槽の大きさの効果
これは私の経験上の話だけでなく、みなさまもご想像もしやすいと思いますが、色が黒い水槽で水量が30L以下の小型水槽は、夏の西日にあたると簡単にお湯になってしまいます。
ですから、夏場の暑い時期はプラ舟などの大型水槽を使う方が安心です。
また、水温は水槽の上からの日差しだけでなく、側面から受ける太陽光でも上昇するので、水槽の並べ方も重要になってきます。
太陽に対して、側面の面積が小さい水槽から並べたり、一番日が当たる水槽を水だけの水槽にして、日除け用ににするのも、夏の配置のコツだと思います。
また、日が当たる場所を色が薄い水槽にして、その陰に色が濃い水槽を並べるのも、水温上昇対策として有効だと思います。
ポチップ
ポチップ飼育水槽（容器）の置き場所について
暑い夏といえども、メダカが日なたを好むのは変わりません。
強烈に暑くなる原因は、午後の西日が主ですから、午前中には太陽が当たっても、午後からは日陰になる、いわゆる半日影が活用できると便利です。
私は、飼育環境的に半日影が難しい場合は、午後の西日に当てるより、敢えて日陰を選ぶようにしています。
夏の時期であれば、日陰もある程度暖かくて明るいので、1日中日陰でジメジメしているような場所でなければ、メダカも元気にしていてくれます。
ですから、日除けに適切な場所がない場合は、日陰という選択肢も視野に入れてみてください。
ベランダ飼育の方も夏場であれば、こんな感じで完全に日除けをしても問題ないですよ。
私のところでは、遮光ネットが適度に雨も防いでくれるので、まさに一石二鳥の活躍をしてくれています。
飼育水槽の遮光対策
色々探してみても西日が避けられない場合は、すだれやテントなどで日除けを行うと効果的です。
ポチップ私も最初の頃は、こんなキャンプ用のテントで日除けをしていました。
西日の時間帯に日除けをしないと、真夏は温が30℃超えて行きますから注意が必要です。
最初の頃は、100円均一などで簾（すだれ）や日除けネットを買って太陽光対策をしていました。
100円均一の日除けネットやオーニングはサイズが小振りですが、飼育匹数が少ない方はそれでも十分だと思います。
すだれは気候がいい時期や強風の日に、簡単に巻いて収納できるのが魅力です。
日除けネットは、単位当たりの単価が安いのと、大きな面積を日除けしやすいのが魅力です。
飼育匹数が多くて飼育場が広い方は、以下のように「すだれ」や「遮光ネット」を使った日差し対策をおすすめいたします。
ポチップ
ポチップブルーシートは防水性が高すぎて、かなり綺麗に張らないと水が溜まって骨組みが潰れてしまいます。
今回は、大工さんにピンと張っていただきました。
私は大工さんに張っていただきましたが、上記の理由から防水性が高くても、ブルーシートの屋根活用はおすすめしません。
暑い日に水温を下げるエアレーション（酸素供給）の重要性
純水の溶存酸素量（水に溶け込むことができる酸素の量）は水温25℃で約8㎎・L、水温が35℃くらいまで上がると約7.5㎎・Lまで減少するようです。
ただ、これは綺麗な純水の話ですので、実際にメダカを飼育している水槽では、もっと溶存酸素量が少なくなります。
また、厳密には水純水は腐らないのですが、有機物を含んだ水は水中の有機物が腐ってしまい、有機物が腐った状態を水が腐ったといいます。
通常の水は、水道水であっても、わずかに有機物が溶け込んでいますので、基本的に水は腐るというか傷むものと考えてください。
そして、夏に水温が上がると、水が傷みやすいので対策が必要です。
川の水が腐らないのは、流れがあるからです。
だからエアレーションで水を撹拌（かくはん）してあげると、水が傷んでメダカが弱ることの防止になります。
実は、エアレーションは酸欠だけでなく、水の腐敗防止のためにも必要なんです！
エアレーションの詳細にご興味がある方は、以下の記事をご覧ください。
最後に
最初にも書きましたが、せっかく苦しい梅雨を乗り切ったメダカたちが夏の暑さで落ちていくのは可哀そうです。
画像も載せていますが、水槽の上に板を載せたり、キャンプ用のテントやすだれをかけてあげるだけでも、十分に遮光の効果はあります。
暑さ対策と聞くと、なんだかお金も手間もかかりそうと考える方も多いと思います。
でも、本当の暑さ対策とは、特にお金を掛けなくても、ただ板を一枚載せて日陰を作ってあげるだけでもいいんです。
夏の日除けなど暑さの対策は、メダカに対する思いやりだと思ってください。
暑い日が続きます。
メダカの健康だけでなく、みなさまの熱中症対策もお忘れなく！
頑張って暑い夏を乗り切ってください！
この記事が、みなさまのお役に立てると幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
