私も水槽の水換えや、水槽立ち上げの記事でよく使う”水合わせ”という用語。
でも、飼育に慣れない方にとっては、”水合わせ”って何??って感じですよね。
水合わせを簡単に言うと、いきなり暑くしたり、寒くしたりしないように、優しく環境を整えるということです。
人間も、いきなり高い山に登れば高山病になるし、いきなり深海から浮上すると潜水病になる危険性がありますよね。
メダカの飼育をしていると、よく聞く言葉”水合わせ”。
なんとなく意味はつかめるものの、具体的にどうしたらいいの?と聞かれると不安になる方も多いのではないでしょうか?
私も初心者の頃は「メダカを買ってきたら、袋ごと水槽に浮かせて30分くらい待てばいいのね?」程度の認識でした。
メダカの飼育に限らず、観賞魚の飼育で最も大切な技術の一つである”水合わせ”。
よく聞く言葉にわりに、具体的な方法が曖昧な方も多いのではないでしょうか?
正しい”水合わせ”は、メダカの健康にとても大切です。
そこで今回は、初心者の方向けに、私流の水合わせ方法について、解説をしていきたいと思います。
なぜメダカの飼育で”水合わせ”が必要なの?
みなさんの飼育場の同じ場所の水槽でも、日当たりや風の強さ、水の汚れの程度で、水温もphもバラバラです。
その水温やphが違う水槽に、メダカをドボンと入れてしまうと、メダカは急な環境変化に耐えられず、大きなダメージを受けて、最終的に弱ってしまいます。
このようなダメージを防ぐためには、どうしたら良いのでしょうか?
新しいメダカを買ったり、貰ったりした際や、単に水槽を移動する時でも、現在メダカがいる水槽の水と、これから行く先の水槽の水の温度やphを近づけて、メダカが環境変化でダメージを受けないように配慮することを水合わせと言います。
先程も書いたように、メダカは水温やphが急変するとダメージを受けてしまうので、確実な水合わせはとても大切です。
水温やph変化が大きいと、メダカが死んでしまうこともあるので注意が必要です!
以下の記事は、メダカがphや水温など様々な環境変化を受けた場合の記事です。
この記事と、併せてご覧ください。
急な水温変化によるダメージとは
メダカにとっての水温変化の1℃は、人間が感じる気温変化の5℃に匹敵すると言われています。
私たち人間も、いきなり冷たいお風呂に押し込まれたら、寒くて風邪をひきますよね。
もしも、水風呂の温度が極端に冷たかったら、心臓麻痺で死ぬこともあるかもしれません。
そう言われると、メダカの水合わせの重要性が伝わりませんか?
メダカだって、大きな水温の変化は苦しいんですよ!
急なph変化によるダメージとは
phを人間で表現するのは難しいのですが、急激に空気の質が変わってしまうようなもので、単純に汚れているとも違います。
私たちだと、空気の湿度みたいな感じかな・・
梅雨に、いきなりジメジメすると体調を崩しやすい、そんな感じかもしれません。
あくまでイメージというか、乾燥肌の人をいきなり砂漠に行かせたらバリバリになって皮膚病になりそうですよね。
同じではないと思いますが、メダカもいきなり弱酸性の水から、弱アルカリ性の水に移動させられると、phのギャップで大きなダメージを受けてしまうんです。
人間の実感として、ph変化をうまく表現できなくてごめんなさい。
メダカとphの関係は、以下の記事をご確認ください。
同じ場所の水槽でもphはこんなにも違う
こちらは、私の飼育場のグリーンウォーターのphを計った様子です。
ph10.23とアルカリ性が強いですよね。
こちらが、水が透明な水槽のphを計った結果です。
中性ではありませんが、ほぼ中性と言ってよいと思います。
同じ飼育場の飼育水槽でも、こんなphは違っているので、”水合わせ”がとても大切なんです。
ご紹介が遅れましたが、phは以下のような道具で確認ができます。
機械式のphテスターは定期的に値の狂いを確認・修正しないといけないので、定期的に購入する費用が掛かりますが、ph検査薬の方が間違いがなくて安心です。
適切な水合わせの方法
”水合わせ”とは・・・
メダカがphや水温の変化でダメージを受けないように、引っ越し前の水槽の水と、行先の水槽の水とを混ぜながら、メダカが受けるショックを和らげる作業のことを指します。
水合わせのやり方を解説
水合わせは、新しい水槽に30分から1時間メダカが入った袋や、ボールなどの容器を浮かべて、水の温度が同じになるのを待ち、その後スポイトや点滴法で少しづつ水を混ぜて、phを同じにすることを指します。
そして、しっかり”水合わせ”行うことで、メダカが新しい環境に順応するのを助けることが必要です。
”水合わせ”に有効な点滴法については、この先で解説しています。
具体的な水合わせの方法
私はメダカを袋ごと新しい水槽に浮かべて1時間くらい、水温合わせをします。
水合わせするメダカが少ない場合は、いったんボールなどへ移し替えてから、水合わせをするとやり易いと思います。
その方が、袋に入れっぱなしに比べて、温度計で水温を確認できるので安心です。
メダカの安全のためにも可能な限り、確実な水温合わせを目指しましょう!
薬浴や塩浴から戻す時も、水槽の水に薬液が混ざらないように注意しながら、温度合わせをしてあげてください。
水槽に浮かべて1時間が経過し、水温が均一になったら、次はph合わせです。
phは、水温のように温度計で何度も計ることができないので、経過を目で見て確認することができません。
※phの測定器をお持ちでしたら、適宜確認してあげる方が安心です。
ph合わせは、水を少量ずつ時間をかけて混ぜてあげることで行います。
手間はかかりますが、しっかり確実に行ってください。
私はph合わせに、30分から1時間をかけています。
先程も書きましたが、水合わせ中に都度phを確認するのは難しいと思います。
ただ、メダカを買ってきてすぐの段階で、どれだけ元の水との間に、phの開きあるのかを知ることは、水合わせの時間の判断に有効だと思います。
上の写真のように、メダカを袋からボールにあけている場合は、30分以上かけて少しづつ新しい水槽の水を足してあげてください。
私は、ボールに少し新しい水を足して、1分待ってまた足してを繰り返すか、自作の点滴式の水合わせ容器を使って自動で水を足すようにしています。
私は、手作りの点滴式の水合わせ容器を使って、自動で水を合わせることが多いです。
たくさんのメダカのお世話をしないといけないのに、30分間数匹のメダカに付きっきりになるのも負担ですよね。
点滴式の水合わせ容器の作り方については、以下の記事をご参照ください。
手作りが苦手な方は、このような水合わせの道具もあるので、ご活用ください。
購入時に限ってお忙しい方はこのような方法もあります
購入時に限りますが、おい探しい方向けの水質合わせ方法があります。
※メダカが入ってきた袋の水に、殺菌剤のメチレンブルーが入っている場合、この方法は使えません。
ご注意ください。
ちょっとガサツですが、この袋にプスプスっと穴を開けて放置するだけで、徐々に水が染みて混ざっていくので、水合の効果があります。
ただし、穴を開ける前に、しっかり水温を合わせを終わらせてくださいね。
私はハサミの先などを使って、ビニール袋に2~4か所程度メダカが逃げ出さない大きさの穴をあけて作業しています。
穴を開けた後、ビニール袋の口からエアストーンを差し込んで空気を送り込むと、自然に水の循環が始まり、水が混ざって行きます。
※穴が2か所以上ないと水が混ざりにくいのでご注意ください。
少し乱暴な方法ではありますが、たくさんの魚を扱う方には、簡単かつ扱い易い方法だと思います。
最後に
私も初心者の頃は、メダカの水合わせを軽視していて、移動は選別網ですくって隣へ”ポイッ!”でした。
そのような雑な飼育をしていたので、体調を崩して死んでしまうメダカも多かったと思います。
メダカ飼育の経験が、長くなればなるほど実感することですが、メダカはphと水温の変化に敏感です。
メダカを大切に育てたいとお考えでしたら、ちょっとのことと面倒くさがらずに、しっかり優しく水合わせをしてあげてください。
それが回りまわってメダカの長生きの秘訣になります。
私も、この記事に書いてあるように、しっかりと水合わせをして移動させていますので、水槽の移動後にメダカが死んでしまうことはなくなりました。
みなさまのてで、メダカの健康を守ってあげてください。
この記事が、みなさまのお役に立てると嬉しいです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。