メダカを飼育について調べていると「水質維持・水温管理」「ph」「硬度」など、たくさんの水管理の用語が出てきますよね。
私が初心者の頃に、単語の意味を聞かれても「なんとなくわかるかな・・・?」くらいの返事しかできませんでした。
今思えば、あまりよくわかっていなかったんですけどね。
水を綺麗にするのはわかりますが、「ph」とか「硬度」ってそんなに大切なのでしょうか?
今回は、そんなわかってるようで意外に曖昧な「水質」に関する内容について、詳しく解説していきたいと思います。
みなさまは「水質維持」「ph」「硬度」など、水質管理に関する用語を、詳しく説明できますか?
私がメダカ飼育初心者の頃は、要は「綺麗な水で育てるってことでしょ?」くらいの感じで、あまり詳しく理解できていませんでした。
「ph」とか「硬度」ってそんなに大切なことなのでしょうか?
「水質管理」って具体的にどんなことに気を付けたら良いのでしょうか?
「綺麗な水を使っていれば問題ないでしょ?」そう思いますよね。
メダカの飼育に置いて、そういった飼育環境の維持・管理は、そんなに大きな問題なのでしょうか?
今回は、分かっているようで意外に曖昧な、「メダカの水質管理」について、飼い方のコツを詳しく解説していきたいと思います。
最初に核心の「水質」の意味と「水質の維持・管理」について解説します
いきなり核心ですが「水質の維持・管理」とは、水槽内のphや硬度などを調整して、メダカが好きな水質と水温が整った飼育環境を作り、それを継続して維持するという意味です。
①メダカが好む「ph」は6.5~7.5と言われています【ph】
②メダカ飼育で理想の水温は、20℃~28℃の間と言われています。
※ただ、生存できる範囲で言うと、冬の凍った氷の下から、夏の炎天下水温35℃くらいまでは耐えることが可能と言われています。
③メダカは水中のミネラル分の含有量が少ない「軟水」を好みます【硬度】
④糞などの有機物が、バクテリアに分解され生成されるアンモニア・亜硝酸・硝酸塩は、メダカにとって有害です
簡単に言えば、上の条件を満たした水を、常に維持することを「水質の維持・管理」と言います!
メダカ飼育におけるph管理について
phとは、水分や土壌に含まれる水素イオン(H+)の含有量を表した値で、ph7を中性、phが7より小さい状態を酸性、7より大きい状態をアルカリ性と呼びます
地域によて差があるので明言できませんが、一般的に水道水のphは7.0~7.3くらいと言われています。
水道水のphが7の中性なら、蛇口から出た段階でメダカの飼育に適したphなので、水道水を使えばメダカの飼い方でphについて考える必要性はなさそうですよね?
でも、phの調整と維持・管理は、そんなに単純ではないんです。
飼育用品やメダカを飼育しているうちに発生する成分で水質を酸性に変化させる物質の一覧
phを酸性に変える要因はこちらです。
①ソイル
②赤玉土などの園芸用土
③柿の葉やマジックリーフ(アーモンドリーフ)
④水槽に降り込んだ雨
⑤有機物が分解されて生み出される亜硝酸塩や硝酸塩
ソイルや園芸用土は、濾過に必用なバクテリアの住処になるので、濾過の効果を高めるために、水槽の底砂として使うことが多いですよね?
でも、こういった「土」の類には、水槽のphを酸性に変化させる性質があります。
柿の葉やマジックリーフに含まれるタンニンには水を殺菌する効果があるので、屋外飼育やビオトープで水を殺菌するために柿の葉を入れる事があります。
この柿の葉やマジックリーフにも、水槽のphを酸性に傾ける効果があります。
雨は「酸性雨」という言葉が示すように、ただの水ではなく酸性の液体なので注意が必要です。
飼育用品やメダカを飼育しているうちに発生する成分で水質をアルカリ性に変化させる物質の一覧
phをアルカリ性に変える要因はこちらです。
①土の他、石や岩、砂利、流木などのレイアウト用品
②貝やサンゴなど石灰やカルシウム性成分を含む物質
③飼育水がグリーンウォーターに変化する
④有機物が分解されて生成されるアンモニア⇒亜硝酸塩まで分解されると酸性へ変化する
石や岩などを水槽のレイアウトに使うと、石からミネラル分が溶け出して、phがアルカリ性に変わります。
また、砂利などに含まれる割れた貝殻(牡蠣殻を含む)なども、水槽のphをアルカリ性に変化させます。
ここでピンとくる方もいるのではないでしょうか?
いきなり砂利を底砂に使った水槽から、底砂がソイルの水槽へメダカを移し替えると、phが弱アルカリ性から弱酸性へ急変するので、メダカにとって大きなストレスになります。
また、有機物がバクテリアに分解されてできる有害なアンモニアは、弱アルカリ性を示します。
水中にアンモニアが増えると、いったんphが弱アルカリ性に変わりますが、その後アンモニアが分解されて亜硝酸や硝酸塩が増えると、phは弱酸性に変化していきます。
また、日向の飼育水が、グリーンウォーターへ変化すると、phは弱アルカリ性へ変化します。
上記をお読みいただければ分かる通り「ph」は絶えず変化する指標なので、ph検査なしで完全に予測することは困難です。
実は、いちばん簡単な水質の維持方法がありますが、それはこの記事の最後でご説明しますね!
メダカ飼育における水温管理について
屋外飼育やビオトープの水温は、ほぼ自然環境任せですよね。
自然任せとは言え、あまりに水温が高すぎると、メダカの健康に害があるので、暑すぎる時期には日除けなどの対策が必要です。
屋内で飼育される方はヒーターを使用して水温26℃くらいを維持してあげてください。
水温28℃以上30℃未満くらいがメダカが綺麗に育つのですが、病気の予防などメダカの安全面では水温26℃くらいが最適です。
上見飼育が多いメダカの水温管理では、このような浮かせておくタイプの水温計があると便利です。
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メダカ飼育におけるミネラル分の含有量【硬度】について
水道水はミネラル分が少ない軟水で、メダカもミネラル分が少ない軟水を好みます。
「ph」でも話しましたが、石や砂利に含まれる石灰成分が酸と反応するとミネラルが溶けだすので、水槽に石や砂利を入れていると硬度が上昇する原因になります。
と言っても、一般的なメダカの飼い方では、硬度についてあまり気にする必要はないと思います。
メダカ飼育におけるアンモニア・亜硝酸・硝酸塩の特徴と害とは
有害物質御三家のアンモニア・亜硝酸塩・硝酸塩は、メダカの糞などの有機物を、濾過バクテリアが分解した後に残る物質で、メダカにとってとても有害な物質です。
水質維持の核心は、このアンモニア・亜硝酸・硝酸塩を除去する方法と増やさない方法と言えます。
そのアンモニアなどを除去するための基本的な対処方法としては
①定期的に水換えをする
②水を濾過する力があるバクテリアに水を綺麗にしてもらう(生物濾過)
の二つがあげられます。
濾過に欠かせないバクテリアの中でも、アンモニアや亜硝酸の分解を担当する硝化菌類は、基本的に水中にしか存在できません。
水中にしか存在しないというのは、濾材や濾過フィルターに住み着かず、水中を浮遊しているという意味です。
そのため、水の量が少ない小型水槽で、(濾過槽を持たない)投込式フィルターだけの環境では、たった1回水換えをするだけでも、致命的なくらい硝化菌が減少してしまいます。
これが、水換えをやり過ぎると良くないと言われる理由です。
小型水槽に限っては、バクテリアの減少を気にして水換えを減らすと、逆にメダカが弱る原因になるので、私は濾過バクテリアを気にせず水換えで維持するようにしています。
結局メダカの好きな水質って水道水でいいんじゃん!
その通りなんです。だからハッキリ言います。
小型水槽でメダカを飼育される方の水質維持とは、まめに優しい水換えを繰り返して水道水の水質を維持することです!!
ですから、お手数ですが、一番のメダカの飼い方は、水換えを頑張って水道水の水質を維持することです。
以下の記事が優しい水換えのお役に立てると思います。
※メダカの糞や死骸などを分解してくれる有機物分解菌は、濾過フィルターや濾材に住み着くので、投込み式フィルターを入れるだけでも濾過力を高くする効果があります。
※念のためですが、水道水の水質を維持するといってもカルキ抜きは必要です。
以下の記事で、点滴式の水合わせに必要な道具のDIY方法をご紹介していますが、手作りが苦手な方は、以下の道具を試してみてください。
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最後に
ここまで、メダカの水質維持やメダカの健康に良い水作りについて、解説をさせていただきましたが、いかがでしたか?
最初に書きましたが、私も飼育初心者の頃は「綺麗な水だったらいいんでしょ?」くらいの認識しかありませんでした。
でも、様々なメダカの飼い方の経験を積む中で、自分なりの基準みたいなものも定まってきましたし、水温やphなど最適な水質維持のコツもつかんできました。
大切なことは、メダカが水質変化でダメージを受けないように、優しい水合わせと、最適な環境を長く安定して維持する飼い方のコツを掴むことです。
この記事が、みなさまのお役にたてると嬉しいです。
最後までご覧いただいて、ありがとうございました。