
みなさまは、メダカを稚魚から飼育して、どれくらいの期間で産卵ができる若魚サイズまで大きく育てていますか?

メダカの成長速度が遅くて、針子の飼い方をすごく悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

私も、メダカの飼育し始めたばかりの頃は、卵から孵化した針子を若魚まで育てて、更に産卵ができる大きさまで育てるには、早くて2カ月くらい掛かっていました。

今ではメダカの飼い方のコツをつかんできたので、孵化から1.5カ月くらいで産卵できるまで、成長期間を短縮できるようになりました。

ベテランの方の飼育場を見に行くと、メダカの飼い方次第で2週間目の稚魚の大きさに違いが出ることを、疑問に思う方も多いと思います。

どうして、こんなにもメダカの飼い方次第で、稚魚の成長スピードに差が出るのでしょうか?

メダカの針子はどのくらいで大きくなるのが理想でしょうか?

適切にメダカの稚魚を育ててあげると、孵化後1週間から2週間でも、メダカの大きさに差が出ることがあります。

どうしてメダカの稚魚が孵化して1週間~2週間で、成長スピードや大きさに差が出るのでしょうか?

適切にメダカを飼育できると、針子はどのくらいでおおきくなるのでしょうか?

そして、どうしたら針子を早く大きくできるのでしょうか?

そこで今回は、メダカの成長速度に差が出る要素と、稚魚の成長速度を速め、メダカを早く大きくする飼い方のコツについて解説をさせていただきます。

最初にメダカの稚魚(針子)の成長速度を速くするメリットについて


そもそも、メダカの稚魚・針子を早く大きくするメリットは、何があるのでしょうか?
孵化後2週間までの針子(稚魚)を早く大きくする育てる飼い方のメリットとは
2.メダカの一生で、いちばん弱く外敵に食べられやすい稚魚の期間を短くできるので、成魚まで生き残る確率(生存率)を高めることができる。
卵から孵化して1週間~2週間以内の、大きさが5㎜以下の稚魚を針子と呼びます。
孵化から1週間~2週間のメダカの稚魚はとても小さく弱い生き物です。
そのため、適切に飼育環境を整えて、稚魚の成長速度を加速させるためのメダカの飼い方を学ぶ事は、孵化から2週間程度のまだ大きく成長していないメダカの生存率を高くするためにとても大切な事です。
また、孵化から2週間のメダカの稚魚の成長速度を速めることは、メダカの品種改良の面でも、稚魚の成長が速くなる=年間に産卵する回数が多くなる(年間の選別交配の機会が増える)=品種改良のスピードがアップするので、とても大切な飼育技術と言えます。
孵化から2週間のメダカの針子(稚魚)を早く大きくするデメリットとは

メダカの針子・稚魚を早く大きくする事に、なにかデメリットがあるのでしょうか?


メダカの稚魚をゆっくり育てた方が、将来的に体外光(たいがいこう)が伸びやすいって知ってましたか?
孵化から2週間のメダカの稚魚を早く大きくする飼い方のデメリットとは
1.メダカの稚魚を早く大きくすると、稚魚から若魚までの効果的に体外光を伸ばせる成長期が短くなってしまい、体外光が綺麗に伸びなくなるリスクがあること。
「メダカの稚魚を早く大きくする飼い方にデメリットがあるの!?」と、びっくりされると思いますが、私が知る限り1つだけメダカを早く大きくするデメリットがあります。

「メダカの稚魚・針子を早く大きくすると体外光が伸びにくくなるかも?」が、メダカを早く育てる飼い方の唯一のデメリットです。

かも?と濁しているのは、メダカを白い水槽で育てたり、高い水温で育てるなど、成長期間を長くする以外にも、体外光を伸ばす効果があるというか、飼い方のコツだからです!

幹之メダカの体外光の伸ばし方については、以下の記事をご参照下さい。
メダカの稚魚の成長速度を速める飼い方のコツとは

繰り返しになりますが、孵化後1週間から2週間のメダカの稚魚(針子)は、育てる環境を整えてあげるだけで、成長スピードが速くなり、短期間で大きく育ちます。
メダカの稚魚の成長に合わせて稚魚を大型水槽へ移し替える重要性

メダカの稚魚の成長速度の変化がわかりやすいタイミングは、しばらく小型水槽で育ててきた稚魚たちを大型水槽へ移し替えて、一気に過密な飼育環境からメダカを解放した時です。
水槽を移動してわずか1週間でも、メダカの稚魚が目に見えて早く大きく成長するで、はじめてその成長していく様子を見ると、とてもびっくりすると思います。
これはグッピーなどの熱帯魚にも共通する特徴ですが、魚は過密な飼育環境に置かれると、より密になることを避けるためなのか、成長スピードを遅くする傾向があります。
そのため、メダカを早く大きく育てたい時にも、1週間~2週間ごと稚魚のサイズが大きくなるタイミングに合わせて、適切にメダカ水槽を大きくしていく必要があります。

メダカの針子を早く大きくするには、水槽の引っ越しが欠かせません。

メダカ飼育で大型水槽の定番と言えばプラ舟(トロ舟)ですよね。

ご自宅の飼育スペースに余裕がある方は、メダカ水槽にプラ舟など大型の容器の活用をおすすめします。

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私は、メダカの外飼い(屋外飼育)だけでなく、室内飼育でも写真のようにプラ舟をスチールラックに差し込んで使っています。

プラ舟とスチールラックを活用する方法だと、狭い室内を広く活用できますよ!

ただし、スチールラックに大型のトロ舟水槽を載せていくとかなりの重さになるので、床の耐久性には注意が必要です。

このような水槽の配置の工夫も、ある意味メダカを早く大きくする飼い方のコツだと思います!

風雨でスチールラックが錆びるリスクもありますが、この方法は外飼いでも活用できるので、狭い裏庭やベランダでメダカを飼育される方にも、おすすめの飼い方です。


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こんな感じにスチールラックを使えば、狭い室内でも何台もの大型プラ舟を活用できます。


メダカを水量が多い大型水槽で飼育する場合は、市販のバクテリア液を活用することで、水の安定感がグッと向上します。

小型水槽は、一回の水換えだけでもバクテリアの量が増減し過ぎるので、バクテリアを活用して水を綺麗にする生物濾過には不向きです。

でも、プラ舟などの大型水槽は、少々水換えをしてもバクテリアが減りにくいので、バクテリアを活用したメダカの飼い方がおすすめです!

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メダカの針子に栄養豊富な餌を少量ずつこまめに与えると稚魚の成長速度が速くなる


メダカの稚魚の死因の1位は何だと思いますか?

意外な結果だと思いますが、メダカの稚魚の死因の1位は餓死なんです。

もし、メダカの 針子が孵化後7日~10日でスーッと消え始めたら、栄養不足で餓死している可能性が濃厚だと思います。
メダカの針子は、孵化してからの3日間ヨークサック(お腹の栄養袋)の栄養で生きています。
そして、ヨークサックの栄養を使い切った4日目から、針子は自分の口で餌を食べるようになります。
そのため、針子が孵化してから4日目以降に、ちゃんと餌が食べられる環境が整っていないと、孵化から数えて7日目以降、稚魚の餓死が目立ちはじめます。

孵化したての針子はとても小さいので、針子の餓死が目立つというよりも、いつの間にかたくさんいた針子の姿が見えなくなるという方が、正しい表現かもしれませんね。
ですから、メダカは1日中餌を探して水槽内を泳ぎ回り、今必要なエネルギーを今確保することに奔走しています。
メダカの針子の餓死対策として、針子が常に「餌を食べ続けられる」環境を、人の手で作り出す必要があります。
ですが、単純に餌の量を増やしても、食べ残された餌が水槽の底で腐って飼育水を汚すので、ただ闇雲に1日の餌の量を増やせば良いという話でもありません。
針子の飼い方で大切なことは、1日に何回にも分けて、針子が短時間で食べきれる少量の餌を与え続け、人の手でメダカが「いつでも食べられる」環境を演出することで、それを実現できると短期間で針子達が飛躍的に成長していきます。

餌の食べ残しを気にせずに、1日中針子が餌を食べ続けられる環境を作るために、一番簡単で手っ取り早い方法はゾウリムシなど生き餌の活用です!

以下の写真は、私がメダカの餌にするために、ペットボトルで増やしたゾウリムシです。


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ゾウリムシだけでなく、栄養のバランス面で粉の餌も併用していて、私のおすすめの粉の餌はコチラです!

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メダカの稚魚の餌にミジンコやゾウリムシなど生き餌を与える方法と効果について


みなさまは、お仕事や家事で忙しいと思いますから、一日中メダカに餌を与え続ける飼い方なんてできないですよね。

そんな時は、上の画像のように自分でミジンコなどの生き餌を増やしておくと便利です。
忙しい時ほど役立つのが、ミジンコやゾウリムシといった生き餌です。
生き餌は死んで水槽の底に沈んで水を汚すことがなく、安心して一度にたくさん与えることができるので、メダカが「一日中食べ続けられる」環境の演出に最適な餌と言えます。

最近は、針子から与えることができて栄養価も高い「ブラインシュリンプ」に、水槽で自然に増えていく「オオミジンコ」を併用して育てています!

メダカの生き餌にするため、ブラインシュリンプに興味がある方は、少し下のリンクからブラインシュリンプの使い方をご確認ください。


室内飼育のメダカ水槽でしたら、このような観賞魚賞の「フードタイマー」も活用できます。
フードタイマーは、私が趣味で観賞魚を飼育をしていたころ、とてもお世話になった製品です。
さすがに針子~稚魚にかけての期間のメダカ餌は細、粒が細かくて1回の量も少ないので、フードタイマーを使うのは不安ですが、メダカが1㎝くらいの若魚まで育てば、フードタイマーでも安心して餌やりができます。

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以下は、私がメダカ用の粉の餌や、生き餌の詳細についてまとめた記事です。

市販の粉の餌も含めて、様々なメダカの餌の情報が満載です。

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ミジンコを増やす時の餌には、生クロレラやグリーンウォーターが最適です。

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孵化後2週間目から稚魚を大きさごとに選別して分けることが大切

ここからの話は、メダカの稚魚の生存率を高めるための飼い方にも通じます。
同じ時期に孵化したメダカの稚魚(針子)でも、成長速度にはバラツキがあります。
メダカは孵化してから2週間もすると、同じ時期に孵化した稚魚であって体格差が大きくなり、より大きく育った稚魚が自分より小さな針子を追いかけるようになります。
そして、大きな稚魚が餌を独り占めしたり、小さな稚魚を捕まえて食べる事故が増えてきます。
そのような事故を避けるために、針子が孵化して2週間を目安に、稚魚を大きさ毎に選別していく必要があります。
そうすれば、小さな針子でも安全に餌を食べることができ、大きな稚魚に食べられる危険もなくなるので、結果として稚魚の生存率を高めて成長速度を速くすることができます。
サイズごとのメダカの稚魚の選別の目安とは
私は体長5㎜と7㎜と10㎜を稚魚の選別の目安としていて、1.5㎝の若魚まで大きくなれば、成魚に混ぜるようにしています。

稚魚のサイズごとに水槽を並べて配置しておくと、針子の選別や管理がしやすくなります。

稚魚をサイズごとに選別する飼い方は、すごく場所を取りますが、メダカの共食いを防止して生存率を高くする手段としても有効です。

メダカを選別飼育をする時には、大型水槽に浮かせて区分け飼育ができる”わけぷか”と、”わけぷか”を綺麗に4個収納できるNVボックスの22Lをセットで使うと便利です。

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メダカをしっかりと日光に当てて健康に育ててあげることも大切
メダカも人間と同様に、カルシウムを吸収するために欠かせないビタミンDを作るために、定期的な日光浴が必要です。
それに、水槽の水が日光あたると、紫外線に病原菌が殺菌されて、病気の発生率を下げる効果が期待できます。


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また、日光の下でメダカを飼育すると、水中に植物プランクトンなどの微生物が自然発生し、稚魚はそれらを餌としてスクスク元気に成長していきます。
ただし、夏の時期は水温が上昇しすぎてメダカが突然死するリスクがあるので、水温には注意しながら適度に日除け対策をしてください。

室内で育てた経験がある方は、屋外で育てたメダカの稚魚(針子)に比べて、室内の稚魚が成長が遅いと感じたことはありませんか?

屋外でメダカを飼育していると、水槽の中に植物プランクトンなどメダカの餌になる微生物が増えやすいのですが、室内では微生物がうまく増えてくれません。
外飼いでメダカの稚魚が良く育つのは、日光の恩恵も大きいです。
私も、孵化して最初の2週間は、外敵から針子を守るために室内で育てますが、その後はできる限り屋外の水槽に引越しさせています。
水槽に日光が当たると、メダカの稚魚の餌となる、植物プランクトンや動物プランクトン、バクテリアンなどが増えていきます。
また、メダカ自身も日光に当たることで、体内でカルシウムの吸収に欠かせないビタミンDを生成できるので、餌の面でも健康の面でもメダカにとって日光の恩恵は大きいです。
※室内から屋外飼育に移すタイミングで、より大型水槽で替えるようにしています。

ただし、太陽の当てすぎも水温が高くなりすぎる原因になるので危険です!

暑い夏には、適切にメダカ水槽の日除けをするなど、強すぎる日光の対策が必要になります!

私は写真のようなテラス屋根ができるまで、”日除けネット”や”すだれ”を使って日除け対策に奔走していました。

すだれをは巻いたり広げたりが簡単なので、時間帯に合わせて光量を調整できるのでとても便利です。


屋外でもスチールラックやテントを使うと、狭い場所でも水槽の配置がしやすいので便利です。

こういったことも、直接関係ないようで便利な、メダカの飼い方のコツになります。



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夏の暑い時期のメダ活には、熱中症対策にネッククーラーを活用すると、ひんやりしてとても快適です。


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メダカの成長速度を速くするために定期的な水換えが大切な理由

ほとんど水換えをしないメダカの飼い方よりも、定期的に水換えを行う飼い方の方が、新鮮な水の刺激で稚魚(針子)の成長が速くなります。
それに、酸素が豊富でキレイな水の方が、メダカの稚魚の健康に良く、稚魚たちは元気に餌を食べて大きく育ちます。

らんちゅうの飼育では、毎日のように新しい水に交換します。

ちなみに、らんちゅうは水換え頻度を多くすることが、大きく育てる飼い方のコツです。
ただ、弱くて水換えに慣れていない稚魚や針子は、成魚のメダカ以上に水温やph変化に敏感です。
針子飼育では、最初は少量ずつ優しく水換えをして、phや水温の変化に慣らすように飼育する方が安全だと思います。

メダカの水換えについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。

私は、自分で点滴式の水合わせ容器をDIYして、優しく注水・足し水をするようにしています。


手作りが苦手な方は、市販の水合わせグッズを揃えておくと安心です。

最後に
メダカの稚魚を速く大きくする飼い方のまとめ
2.栄養豊富な餌を少量づつ、複数回に分けてできるだけ繰り返し与える
3.定期的にメダカの稚魚をサイズごとに選別する
4.メダカの稚魚や針子を、よく日光が当たる環境で育てる(水温の上がり過ぎに注意)
5.こまめに水換えをして、水質の維持・管理に気を付ける
ここまで、メダカの稚魚(針子)の成長速度を速くする方法を紹介いたしましたが、いかがでしたか?
メダカを速く育てることには、様々なメリットがあります。
特に、品種改良へチャレンジされている方であれば、それだけ早くF2世代(孫の代)にたどり着けるのでおすすめです。
それに、稚魚を速く育てる飼い方のコツは、品種改良をしない方であっても毎年採卵をする方であれば、針子の生存率が高まるので、すごく役に立つ技術だとと思います。
最後に、針子のうちは与える餌も重要で、メダカの成長は孵化後最初の2週間の餌で決まるとまで言われています。
そも意味でも、手間はかかりますが、ブラインシュリンプの活用が効果的だと思います。
これを機会に、様々な生き餌の活用にもチャレンジしてみてください。
この記事がみなさまのお役に立てると嬉しいです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。


以下に、一般的な稚魚の育て方をまとめています。
その他、この記事と別の餌の切り口で稚魚の成長スピードを高める方法を書いた記事です。
併せてご覧ください。