
みなさまは、メダカを稚魚から育ててどれくらいの期間で産卵できるサイズまで大きくしていますか?
みなさまの中にはメダカの稚魚がなかなか大きくならなくて、すごく悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
私も、メダカの繁殖を始めたばかりの頃、孵化から産卵まで2カ月以上かかっていましたが、最近は孵化から約1.5カ月で産卵するまでに短縮できました。
どうしてこんなにも稚魚の成長に差が出るのでしょうか?
【STEP1】メダカの稚魚を早く育てるメリット

そもそも、稚魚を早く大きくするメリットは何があるのでしょうか?
メダカの稚魚を早く育てるメリット
2.メダカの一生でいちばん弱く、外敵に捕食されるリスクが高い稚魚(針子)の期間を短くすることで、生き残る確率を高めることができる。
孵化後2週間以内でサイズが5mm以下の稚魚は針子と呼ばれます。
針子と呼ばれるサイズの稚魚はとても小さく弱いです。
そのため、育成に最適な環境を作り出し、成長スピードを加速していくことは、メダカの生存率に直結する大切なスキルです。
また、成長速度を早めることは品種改良の面でも、稚魚の成長が早い=年間に産卵する(累代できる)回数が多くなる=品種改良のスピードアップにつながるのでとても大切なことです。
【STEP2】メダカの稚魚を早く育てるデメリット

稚魚をゆっくり育てた方が、体外光が伸びやすいって知ってましたか?
メダカの稚魚を速く育てるデメリット
1.効果的にメダカの体外光を伸ばすことができる成長期が短くなってしまう
稚魚を大きくするのにデメリットがあるの!?と、びっくりされると思いますが、私が知る限り1つだけデメリットがあります。

これがゆっくり育てる唯一のデメリットです。
体外光の伸ばし方については以下の記事をご参照下さい。
【STEP3】実際にメダカの稚魚の成長速度を速める方法
メダカの稚魚(針子)は育てる環境を整えてあげるだけで、随分成長のペースが速くなります。
1.メダカの稚魚を大きな飼育容器へ移す
成長速度の変化が一番わかりやすいのは、卵から小さな容器で育ててきた稚魚たちを、大きな飼育容器へ移して、一気に過密な飼育環境を改善してあげた時です。
数日間で、稚魚がみるみる成長するのを確認でき、とてもびっくりすると思います。
これはグッピーなどの熱帯魚も共通する特徴で、魚は過密な飼育環境に置かれると、一層過密になることを避けるため、成長速度を鈍らせる傾向があります。
そのため、早く大きくするためには、稚魚が大きくなるのに合わせて、飼育容器をどんどん大きくする必要があります。

大きい飼育容器の代表と言えばトロ舟ですよね。
飼育スペースが許容できる方へおすすめの容器です。

私は、屋外だけでなく、写真のようにメタルラックにトロ舟を差し込んで使っています。
これだと、狭い室内を広く活用できますよ!

2.稚魚には栄養豊富な餌を1日に少量ずつできるだけ数多く与える

稚魚の死因のNO.1は何だと思いますか?
意外な結果だと思いますが、No.1の死因は餓死なんです。
ですから、メダカは1日中餌を探して泳ぎ回り、今必要なエネルギーを確保する必要がありあます。
その対策として、可能な限り稚魚が「食べ続けられる」環境を人為的に作り出さなければなりません。
ですが、ご存じのように餌の食べ残しは水中で腐って飼育水を汚しますので、ただ餌の量を増やせば良いという単純な話ではありません。
私たちが確実に食べきれる量の餌を1日に何度も与えてメダカが「食べ続けられる」を演出できると、飛躍的にメダカは成長していきます。

おすすめの粉の餌はコチラです!

みなさまは、お仕事や家事があるので、一日中メダカに餌を与え続けるなんてできないですよね。
こんな時に役立つのが、ミジンコやゾウリムシといった生きた餌です。
このよう活き餌は腐って水を汚すこともなく、安心して一度にたくさん与えることができるので、メダカが「食べ続けられる」の演出に最適な餌と言えます。

最近の私は針子から与えることができて栄養価も高い、ブラインシュリンプに生後2週間目からオオミジンコを併用して育てています!


室内飼育でしたら、このようフードタイマーも活用できます。
私も趣味で観賞魚飼育をしていたころ、とておもお世話になった製品です。
さすがに針子~稚魚には不安ですが、1㎝サイズの幼魚まで育てばフードタイマーでも安心して給餌いただけます。

餌についてのまとめ記事です。
市販の餌も含めて様々な餌の情報が満載です。
3.メダカの稚魚を定期的にサイズごとに選別する

ここからの話は、稚魚の歩留まり(生き残る確率)をあげる方法にも通じます。
意外だと思いますが、同じ時期に孵化した稚魚(針子)でも成長速度にバラツキが出て、孵化して2週もすると、更に稚魚の大きさはバラバラになり、大きい個体が小さい個体を追いかけ始めます。
そして、大きな個体が独占的に餌を食べたり、場合によっては小さな稚魚を捕食してしまうのです。
そのような状況を避けるために、孵化2週間後を目安に稚魚を大きさで選別する必要があります。
そうすれば、小さな個体でも安全に餌を食べることができ、結果として成長を早めることができます。
私は、5㎜と10mmを選別の基準として、1.5cmから成魚に混ぜるようにしています。

サイズごとに容器を並べて配置しておくと選別や管理がし易いです。
サイズごとの選別は共食いを防止して、生き残りを増やす手段としても有効です。
4.メダカの稚魚をできる限り太陽にあてて育ててあげる
人間と同様に、メダカも体内で栄養素を生成するために日光浴が必要です。
それに、飼育水も日光に晒されることで殺菌され、病気の発生率が下がります。
また、太陽光のもとでメダカを飼育すると、水中に植物プランクトンなどの微生物が自然発生し、それらを餌として、稚魚は元気に成長していきます。
ただし、夏の時期は水温が上昇しすぎて全滅するリスクがありますので、水温に注意しながら適度に遮光をしていただくことも必要です。

室内で育てた経験がある方は、屋外で育てた稚魚(針子)に比べて成長が遅いと感じたことはありませんか?
それは、太陽光の恩恵が理由です。
めだか屋SUNでも、孵化して最初の2週間は室内で育てますが、その後はできる限り屋外に引越しさせています。
太陽が良く当たると、稚魚の餌となる植物プランクトンも動物プランクトンも良く湧きます。
また、メダカ自身もビタミンDを生成できるので、食の面でも健康の面でも太陽の効果は大きいんです。
※このときに大き目の容器へ移し替えも行っています。

ただし、太陽の当てすぎも危険ですからね!
真夏には遮光などの過剰な暑さ対策が必要です!
5.水質の維持管理
ほとんど水換えをしない飼育より、定期的に水替えを行うほうが、新水の刺激で稚魚(針子)の成長が速いようです。
それに、酸素が豊富でキレイな水の方が稚魚の健康に良く、元気に餌を食べて大きく育ちます。
ただ、水替えになれていない稚魚は水質の変化に敏感です。
最初は、少量ずつ水換えをして、水替えに慣らすようにした方が安全だと思います。

水換えについて詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。
私は自分で点滴容器を自作して、水替え時には優しく注水しています。
最後に
メダカの稚魚を速く大きくする方法まとめ
2.栄養豊富なエサを1日に少量ずつできるだけ数多く与える
3.定期的にサイズごとに選別する
4.できる限り日光に当ててあげる
5.水質の維持管理に気を付ける
ここまで、メダカの稚魚(針子)の成長速度を早める方法を紹介いたしました。
特に、品種改良へチャレンジされている方は、早く育てることができれば、それだけ早くF2(孫の代)を出せるのでおすすめです。
この記事がみなさまのお役に立てると嬉しいです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。


一般的な稚魚の育て方を以下にまとめています。
その他、この記事と別の餌の切り口で稚魚の成長スピードを高める方法を書いた記事です。
併せてご覧ください。