
みなさま、メダカの稚魚の餌に、ミジンコが最高って聞いたことはありますか?
『なんだか聞いたことはあるけど難しそうだな』とか、『ブリーダーさんだけの特別な餌でしょ?』みたいに思っていませんか?
ミジンコって意外に便利で身近な存在なんですよ。
ミジンコは環境を整えてあげるとドンドン増えてくれるし、食べ残されてもメダカ水槽の中で共存してくれるので、過剰に与えても粉の餌のように腐って水を汚すこともありません。
ミジンコの増殖をコントロールできるようになると、稚魚の飼育が凄く簡単になるんですよ。
メダカの稚魚(針子)の餌には、ミジンコが最適って聞いたことありますか?
ミジンコはコツをつかめば水を汚さずドンドン子どもを産んで増えてくれるので最適です。
ミジンコの増殖をコントロールできるようになると、稚魚の飼育が凄く簡単になるんですよ。
今回は、私がミジンコの増やし方や与え方について解説をさせていただきます。

いつもは、以下のリンクにあるように、メダカの稚魚のパーフェクトフードとして「ゾウリムシ」をご紹介させていただいています。

私の経験ではメダカが喜んで食べる大好物は、圧倒的にミジンコだと思います。
やっぱり元気に泳ぐ活き餌の方が本能が刺激されるのかも!?
だから、痩せて弱り気味の個体の餌にも最適なんですよ。

それに少し残酷な話ですが・・・
大きいミジンコ(大人のオオミジンコなど)は稚魚の口に入らないので、稚魚に捕食されることなく水中でメダカと共存し、大人のミジンコが放出する子ミジンコだけが稚魚の餌になります。
ですから、ミジンコの増殖をコントロールできるようになると、天然の無限自動給餌システムを構築できて、メダカの稚魚の成長が飛躍的に促進されるんです。
針子(稚魚)の育て方の記事でも説明しましたが、稚魚の死因で多いのが餓死ですので、この自動給餌システムの構築はメダカの稚魚を育てるうえで理想的な給餌方法になります。

ミジンコは針子と共存に成功すると、しばらくお手入れいらずなのでとても便利です。

手間がかかっても栄養価が最優先でしたら、ミジンコでなくダントツブラインシュリンプが効果的ですです。
ブラインシュリンプについては、以下のリンクをご参照ください。

【STEP1】いつもお薦めはゾウリムシなのに、なぜ今日はミジンコ推しなの!?


今日はミジンコが最高って言ってるけど、なぜいつもはゾウリムシを推奨しているのって思いませんか?
理由は簡単で、ゾウリムシに比べるとミジンコの方が培養に若干手間がかかるからです。
ミジンコは、油断して水換えや間引きをサボっていると、あっと言う間に全滅してしまいます。
その気まぐれな感じが、ミジンコの扱いにくさになります。
逆にゾウリムシは毎日のルーティンを繰り返せば誰でも簡単に培養できるため、仕事や家事で忙しい方はゾウリムシが簡単で便利だと思います。

それでも、今回ミジンコをご紹介する理由は、ゾウリムシに比べてミジンコの方が栄養価が高いからです。

ただし私の経験上、孵化後2週間未満の針子にオオミジンコを入れるとあまり良い結果を産まないので注意してください。
最初の2週間はゾウリムシやブラインシュリンプが安心だと思います。
【STEP2】メダカの餌のミジンコの育て方について


ミジンコの育て方はすごく単純です。
ミジンコの培養は、カルキした水にミジンコの餌となるもの(生クロレラなど)とミジンコを入れるだけです。
エアレーションは賛否ありますが、私はごく弱くエアレーションする方が良い結果が出る実感があります。
それだけでミジンコが少しずつ増えていくので、増えてきたら間引いて、間引いたミジンコをメダカの餌として与えるだけです。

最初の方で難しそうに書きましたが、言葉にすると意外に簡単です。
大切なことは、可能な限り2日に1回全換水することがコツといえばコツです。
ミジンコも水質悪化は苦手なんです。
成魚にミジンコを与えるとメダカたちは争うように捕食します。
稚魚の場合はずっとミジンコを追い回してる感じで、きっと親ミジンコを追いながら産まれたての子ミジンコを狙ってるのかなって思っちゃいます。

手作りミジンコ培養容器

これは私がオリジナルで作ったミジンコ繁殖容器です。
上からグリーンウォーターか生クロレラを注いで、下からミジンコと老廃物を排出する仕組みです。
容器はこの状態でDaisoさんで販売していますが、私は追加で蓋に穴をあけて内部にホースをいれて軽くエアレーションしています。

先ほども書きましたが、ミジンコにエアレーションは良くないというお声もありますが、私はごく弱くエアレーションをかけて飼育しています。




エアレーションで破裂しないように、空気排出用の穴もあけてくださいね!


最新型では、できるだけ水中をエアーで攪拌しないように、エアストーンをかなり水面よりに取り付けています。


収穫はこんな感じで2日に1回行っています。

穴あけに使う道具はこれだけ。


ドリルがなくても、こうやってビット手で持って穴をあけることができます。

【STEP3】ミジンコ培養の餌には何がおすすめですか?


ミジンコの餌としてよく言われているものは以下の物です。
グリーンウォーター
生クロレラ
PSB
エビオス
ゾウリムシ
むっくりワークなどミジンコ専用エサ
鶏糞

ミジンコの餌で聞きなれないものは、ここにリンクを載せておきますね。
ムックリワークはコスパが良くて人気です。
でも私の経験上では、値段が高いですがミジンコ爆殖が期待できるのはダントツ生クロレラです!

私はミジンコの餌に天然のグリーンウォーターやメダカの飼育水(古水)が一番だと思っています。
でも、安定して入手するために市販の物を使うなら生クロレラが断トツ最強です。
動画のミジンコの培養容器に、植物プランクトンで緑色に変化した飼育水を注いで、ミジンコが植物プランクトンを食べて緑が薄まったら、新たに飼育水を追加していく感じで与えていきます。
過密になったり、水が汚れるとミジンコは全滅しますので、定期的に増えたミジンコを間引いたり2日に1回程度は換水をしたほうが安心です。

私は冬などでグリーンウォーターが手に入らないときには生クロレラを使っています。
ただ、生クロレラはすぐに容器の底に沈殿して、水質を悪化させる印象があります。
ですから、生クロレラを使うときは特に2日に1回の換水を欠かさないでくださいね!
生クロレラの使用量は、【STEP2】の写真くらい若干色がつく量が私の適量です。
何事も入れすぎは禁物だと思いますので、過度の使用はご注意ください。
PSB、エビオス、ゾウリムシについては色んなサイトを拝見していますが、良い意見・効果が薄い意見など様々です。
注意点があってエビオス錠を溶かした水は、かなりアンモニアが出ます。
ですからエビオス錠を使用する場合は、必ず選別網などを用いてミジンコを濾し取って与えたください。
むっくりワークと鶏糞は使ったことがありませんが、爆殖を狙うなら生クロレラ一択じゃないかなって思います。

繰り返しになりますが、コスト度外視といえば大袈裟ですが、コストがかかっても確実に増やしたい場合は、生クロレラ一択ですよ!
【STEP4】ミジンコ培養の難しさって?

ミジンコは・・・
①増えすぎると酸欠や水質悪化で意外に簡単に全滅します。
だから、定期的に間引くことで、過密になり過ぎに配慮する必要があります。
② ①に関連して水質悪化で全滅させないために、1週間から2週間に一回は飼育容器のリセットが必要です。
それに加えて、ミジンコは意外にも水質変化に敏感なので、水温やpHなども配慮してあげる必要があります。
③ミジンコも酸欠を起こすのでエアレーションをしたいところですが、ミジンコは水流が大の苦手です。

ミジンコの培養にエアレーションはダメってお声も多いです。
それでも、私は水を腐らせないためと酸欠防止のために、極弱いエアレーションをかけています。
私の経験上はエアレーションをする方が全体的に安定する印象があります。
【STEP5】ミジンコの種類


ミジンコの種類は100種類以上とも言われていますが、メダカの餌としてポピュラーなのは大ミジンコとタマミジンコです。

本当にざっと説明すると、大きくて育てやすい大ミジンコと、少々育て方にコツが必要だけど、殻が柔らかくてメダカにとって消化に良いタマミジンコと思えてください。
以下の動画の中で泳いでるのは、大ミジンコです。
【STEP6】培養がうまく行けば、メダカの餌にミジンコは最高


私の飼育場の動画です。
実際にどんな雰囲気でミジンコを活用してメダカを育てているかがご覧いただけると思います。
ここまで書いてきましたが、日々の飼育のルーティンをしっかり行えば安定して増えていくゾウリムシに比べると、ミジンコはとても神経質です。
その点だけ克服できれば、メダカの稚魚の餌としてミジンコは最強だと思います。
お時間に余裕があられる方は一度ミジンコにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
この記事がみなさまのお役に立てたら嬉しいです。
