つい最近まで、メダカを飼育する水槽(容器)と言えば「黒い水槽」と決まっていたのですが、最近は『白い水槽や透明の水槽がおすすめ!』って情報が増えてきているのはご存じですか?
昔は、周囲の愛好家さんが『メダカを飼育するなら黒い水槽!』って言ってたから、「黒い水槽」を揃えたのに、ガッカリという方も多いのではないでしょうか?
結局、メダカの飼育容器の色って何色が良いのでしょうか?
飼育水槽の色とメダカの保護色機能(背地反応)について
メダカには保護色機能(背地反応 せぢはんのう)と言って、周囲の環境が暗いと体色を濃くして、逆に周囲が明るいと体色を淡くして、外敵に見つからないようにする特徴があります。
ですから、メダカを黒い水槽で飼育する方が保護色の機能で体色が鮮やかになり、よりメダカが綺麗に見えるのは間違いがないことです。
また、白い水槽よりも黒い水槽の方が、日光の熱をよく集めるので水温が上がりやすく、黒い水槽でメダカを飼う方が、メダカの体外光を伸ばす効果がきたいできるので、黒い水槽が愛用されてきました。
そう考えると「白い水槽」は、保護色(背地反応)の面でも、水温を高くする効果でも、メダカの飼い方では、マイナス面しかなさそうですよね。
では、なぜ最近は「黒い水槽」のメリットを捨ててまで、メダカ飼育では「白い水槽」や「透明水槽」が良いと言われ始めたのでしょうか?
今回は、メダカ飼育における水槽の色の影響をメインに、メダカの飼い方のコツを解説したします!
少し前までは、メダカ飼育について書いている、どの専門書でも、どのWEBサイトを見ても、メダカの飼育水槽の色といえば「黒」が推奨されてきましたよね?
もっと詳しく言うと、「黒い水槽」が無理なら、できるだけ「黒」に近い濃い色の水槽を使った方が、良い結果がでますよと説明されていました。
私も最近まで、「黒い水槽」のメダカの保護色を活かした色揚げの効果や、日光の熱を集めて水温を上げる効果などから、メダカの水槽の色と言えば「黒」がベストだと考えてきました。
ところが、最近なぜか「白い水槽」や「透明水槽(クリア)」の活用をおすすめする記事が増えてきていると感じませんか?
このメダカの飼い方の突然の心変わりは、いったい何が理由なのでしょうか?
今回の記事は、ぶっちゃけメダカの飼育水槽の色は、黒い水槽がいいの?白い水槽がいいの?の疑問について、文字通り白黒をつけていきたいと思います。
結局メダカの容器は何色がいいの?
結局メダカの飼育水槽の色って何色がいいの?黒い水槽?白い水槽?透明水槽?
メダカ飼育で定番の「黒い水槽」の飼い方のメリットを知っているだけに、なぜ「白い水槽」が良いのか悩めば悩むほど混乱が増す一方ですよね。
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私もずっとメダカの飼育には「黒い水槽」が1番と思っていたので、初めて「白い水槽」が良いって聞いた時には、頭の中が???でした。
みなさまの中にも、私みたいに飼育水槽の色で悩んでいる方が多いのではありませんか?
今回は、最新のメダカの飼育水槽の色事情ついて、私こと「めだか屋SUNの店長メグ」が、できるだけ簡単にご説明させていただきます。
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②最近メダカ飼育で白い水槽や透明水槽が推奨されてきた理由
③具体的な飼育水槽の色の使い分け
これまでメダカの飼育に「黒い水槽(容器)」が推奨されてきた理由
ここからは、今までメダカの飼育に「黒い水槽」が推奨されてきた理由について解説していきます。
メダカ飼育水槽の色に「黒」が推奨されてきた理由は大きく2点
①メダカを綺麗な姿で楽しみたい時と、②屋外で意図的に水温を上げてメダカを綺麗に育てたい時は「黒い水槽」がおすすめです。
メダカは保護色(身を隠すために体の色を変える機能=背地反応(せぢはんのう))機能を持っていて、メダカを色が薄い水槽で飼育すると、メダカは外敵からその身を隠そうと体色を薄く変化させます。
そこで、メダカの綺麗な色を楽しむために、メダカが本能的に体色を濃くする「黒い水槽」での飼育が推奨されてきました。
メダカを綺麗に育てるためには、水温を高めることが大切と言われてきました。
そこで、電気が使えない屋外で、道具を使わずに飼育水槽の水温を上げるテクニックとして、太陽の熱を集めやすい「黒い水槽」での飼育が推奨されてきました。
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参考ですが、実際に水槽の色や材質で水温に違いがあるかを検証した記事です。
実際に色々試してみると意外な結果もあるので、是非ご覧ください!
黒い水槽で固めたメダカの飼育環境は、こんなイメージです。
上の画像にもありますが「黒い水槽」の定番と言えば、NVボックス13です!
その他、私は外飼いの繁殖水槽に万能容器30Lと、制御の飼育用にプラ舟(トロ舟)を使っています。
万能容器30Lは、2ペア+1で飼育して採卵をする時、水質悪化防止に効果的な大水量に加えて、広い環境にメダカの産卵を促す効果があり、更にメダカの健康とストレスの予防にも最適なので愛用しています。
※メダカは、水量に余裕があるほうが産卵が促進されます。
ですから、可能な範囲で、できるだけ大型の水槽で飼育することをおすすめしてします。
プラ舟をホームセンターなどで探していて、価格が高いなと感じていたら、私が購入している、お得なプラ舟の購入情報をまとめた記事をご覧ください。
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黒容器で飼うメダカの写真
メダカの色揚げには、黒い水槽が最適です。
やっぱり黒容器で飼うメダカの方が綺麗ですよね!
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メダカの稚魚飼育に「白い水槽」や「透明水槽」が使われはじめた理由
ここまででメダカ飼育に「黒い水槽」が推奨されてきた理由は、ご理解いただけましたか?
ここからは、なぜメダカ飼育で「黒」以外の色が注目されはじめたのかを、簡単にご説明させていただきます。
ラメや体外光のメダカに「白い水槽」や「透明(クリア)水槽」が使われる理由とは
ここではメダカの飼い方で、白容器を使う理由をご説明していきます。
白容器で飼うメダカの写真
明るい水槽では微生物が良く増えるのか、白容器で飼うメダカは元気なことが多いです。
画像の白い水槽は、Daisoさんで購入したものですが、最近見かけないんですよね。
結論は、体外光やヒレ長メダカのひれを伸ばすためには、色が薄い水槽で飼育す方が効果的であることがわかってきたからです。
メダカの体外光の元になる虹色素胞とグアニン層の特徴と白い水槽との関連性
具体的には、メダカの濃い体色の元になる黒色素胞が発達すると、体外光のベースとなる虹色素胞の中のグアニンの層の成長に、悪影響を与えることが判明しました。
つまり、体外光やラメを増やすためには、メダカの体色が濃くならない環境で、黒色素胞を抑えて育てることが効果的ということが分ったのです。
メダカかの体色が濃くなると、体外光やラメに悪影響が出るのね。
だから、メダカの色を薄くするために白い水槽で飼育するのか!
参考までに、メダカには黄色素胞、白色素胞、黒色素胞、虹色素胞の4つの色素があります。
ちなみに黄色素胞が、楊貴妃メダカなどの赤いメダカの体色の基になっています。
ですから、メダカの赤い色は赤ではなく、厳密には濃い黄色なんですよ!
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現在では、メダカの保護色の機能を逆手にとって、意図的に明るい環境でメダカを飼育して黒色素胞の成長を抑えこみ、しっかり体外光を伸ばすために、メダカの体色が薄くなる「白い水槽」や「透明水槽」が活用されるようになりました。
また、ヒレ長メダカのひれを伸ばすためにも、虹色素胞の中のグアニン層の成長が大切と言われているので、ロングフィンの尾びれを伸ばす飼育にも「白い水槽」の使用が推奨されています。
体外光を伸ばすためにも、ひれを伸ばすためにも、ラメを出すにも、虹色素胞(グアニン層)を成長させることが有効と言われています。
つまり、体外光が強いメダカの品種ほど、尾びれも良く伸びる傾向にあります。
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なるほど!
メダカの保護色機能を逆手にとって、「白い水槽」で黒色素胞を抑えて育てるといいのね!
ただし「白い水槽」には、屋外で「黒い水槽」に比べて水温が上がりにくい欠点があります。
ですから、基本的に「白い水槽」の使用は、室内の加温飼育か、夏場の暑い時期の使用が前提となっています。
白い水槽で飼う唯一のデメリットは水温が上がりにくいこと
寒い時期や、春先の水温が低い時期、「白い水槽」の使用は微妙かもね・・・
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普通に水温が28℃以上を保てる夏の時期であれば、屋外で「白い水槽」を使用しても、体外光を伸ばす効果が期待できます。
体外光を伸ばすためには加温飼育が効果的だが高い水温にはリスクが伴う
水温が28℃を超えてくると、水が傷みやすく水質悪化が早いので、加温飼育は注意してくださいね。
寒い時期で水温が低い時は、熱帯魚用のヒーターをご活用ください。
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ただし、高い水温にはメダカが綺麗に育つメリットの反面、水質悪化が進みやすいデメリットもあります。
水温が上がることによるリスクについては、以下の記事をご参照ください。
参考ですが、私のブリーディングエリアはこんな感じで白一色です。
写真の中で使用している透明の水槽は、以下のリンクの水槽です。
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先ほども書きましたが、最近はDaisoさんの白いコンテナが入手できないので、GEXさんの白い水槽を併用しています。
上の写真にもありますが、「透明の水槽」のチョイスで悩んだら、NVボックス13のクリアカラーが扱い易くておすすめです。
普段からNVボックス13の黒をお使いの方だったら、透明水槽もNVボックス一択ですよね。
最近人気の浮かせる飼育水槽「わけぷか」にも、白タイプと黒タイプがあります。
「ワケプカ」を使うと、大きな水槽でまとめて累代できるので便利ですよ!
また、NVボックスの22リットルであれば、”わけぷか”が綺麗に4個収まるので、セットで使用すると便利です。
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孵化から若魚までの成長期は「白い水槽」成魚になったら「黒い水槽」と使い分けることが大切
ここまで飼育水槽の色の効果について書いてきました。
各色の特徴がわかったところで、結局何色の水槽で飼育したらよいのでしょうか?
私の結論は、稚魚~若魚の成長期の飼育は「白い水槽」や「透明の水槽」を使用して虹色素胞の成長を促し、体外光やヒレをしっかり伸ばします。
そして、成魚になったら「黒い水槽」で仕上がりを楽しむ。
そんな育て方が今風なのかなと考えています。
やっぱり黒い水槽の方が、メダカの色も柄も映えますよね!
稚魚の飼育水槽の色の選びで注意が必要なケース
朱赤や黒色のメダカは、いったん色が褪せると元に戻りにくいので、稚魚のうちから必ず「黒い水槽」で育ててください!
1.黒や朱赤が魅力の品種は「白い水槽」で育てると、色が褪せて戻らなくなる原因になるため避けたほうが良い。
2.成魚になっても「深海」のように「白い水槽」で仕上りを楽しむ品種もいる。
オロチのような黒色が魅力の品種も、白い水槽や透明水槽で育てると、黒の色素が育ちにくく悪影響が出る恐れがあります。
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また、”楊貴妃メダカ”に代表される赤いメダカの品種は、一度体色が褪せるとなかなか色が揚がらないといわれているので注意が必要です。
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逆にメダカの成魚でも「深海」や「マリンブルー」のように、「白い水槽」で色を褪せさせて色・柄を楽しむメダカの品種もいます。
そう言った、各品種ごとの特性をご確認ください。
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暑い日のお世話に、ネッククーラーはひんやりして快適ですよ。
「白い水槽」でメダカを飼育する方が稚魚や針子も元気に育つ
「黒い水槽」に比べて「白い水槽」の方が水槽の中が明るいので、メダカも明るい環境で元気そうに見えます。
おそらく、餌になる微生物の増加も「白い水槽」の方が活発なのかもしれません。
実際に「白い水槽」を使うようになって感じることですが、「白い水槽」で飼育する方が、稚魚も元気に育つようです。
「白い水槽」は水槽自体が光をよく反射するので、「黒い水槽」に比べて室内の照明でも水槽内が明るくなります。
その結果、「白い水槽」で稚魚を飼育していると、室内の照明だけでも簡単にグリーンウォーターになり、プランクトンなども増えて餌が豊富なのか、稚魚たちは元気に育っていきます。
水槽の中が明るいと、針子の体調が良いかどうかも確認しやすいので、飼育がやり易くなります。
このような様々な理由から、針子から幼魚の飼育には、「白い水槽」最適だと思いますよ。
どうしてもグリーンウォーターにならない場合は、僅かに生クロレラや浮草を入れてみると、グリーンウォーター化を促進できます。
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水槽内が明るいことの効果は、メダカが健康になるだけでなく、浮草もよく育つので飼育水の浄化効果の向上が期待できます。
ですから、私は楊貴妃メダカなど色褪せが気になるメダカを除けば、基本的に成長期は「白い水槽」で浮草と一緒に飼育する飼い方をおすすめしています。
水草には水の浄化の効果だけでなく、エアレーションの泡から針子を守る効果も期待できます。
可能な限り、水草を一緒に入れてあげると安心です。
実際の飼育場の動画です。
私が飼育水槽の色を使い分けている様子が伝わると思います。
メダカの飼育水槽の色の選び方まとめ
①メダカの色を綺麗に見せたいときは「黒い水槽」を選択すると良い。
②体外光のメダカやヒレ長メダカを綺麗に育てたい時には「白い水槽」や「透明水槽」を使うと良い。
③ただし、「白い水槽」で長期間育てると、逆に色が褪せて楽しめなくなる品種もいるので注意が必要。
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最後に
数年前までは、幹之メダカがフルボディに成長するだけでも大きく騒がれていましたが、最近は本当に品種改良が進んで、綺麗なメダカが増えてきました。
年々メダカが綺麗になり、メダカの飼い方の研究も進むにつれて、メダカの育て方も様々変化してきました。
メダカ飼育に限らず何事も共通ですが、昔の常識、数年前の当たり前が今でも常識とは限りません。
常に最新の情報を知ることは難しいですが、様々な切り口で最新に情報のアンテナを張ることは大切です。
とは言え、みなさまが常に新しい情報を調べるのも大変ですから、私の記事を通して最新の情報を分かりやすくお伝えできればと思っています。
この記事が、みなさまのお役に立てると嬉しいです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。