
みなさま、今年もメダカ飼育を楽しんでいますか?

メダカを飼育していれば誰でも、よりメダカを綺麗に育てたいと思う気持ちは共通だと思います。

ところで、綺麗なラメ入りメダカの卵や稚魚をいただいてきたのに、成魚になったらパッとしなくてガッカリした経験はありませんか?

みなさまも、思い通りにメダカのラメや体外光が増えなくて、育て方で悩んだ経験が多いのではないでしょうか。

実は、メダカは稚魚の飼い方次第で、色や柄の仕上りに差がでるんです。

でも、具体的にはどんなメダカのラメの出し方があるのでしょうか?

そして、簡単なラメメダカの作り方があるのでしょうか?

そこで今回は、メダカのラメを出して体外光を伸ばすための、メダカの飼い方のコツについて解説をしていきます!

先ほども申しましたが、私はメダカの飼い方次第でメダカの美しさが変わることを知ってから、どうしたらビッシリと「ラメ」をのせ「体外光」を綺麗に伸ばせるのかについて、苦悩を重ねる日々が続きました。
そして今日まで、様々なWebの記事を読み漁ったり、たくさんのことを実験し検証してきました。
その結果、多くの飼育経験を積む中で、徐々に私なりの飼育方法が確立できてきました。
今回は、みなさまのお役に立てればと思い、私が蓄積してきたメダカのラメを出して体外光を伸ばすための、メダカの飼い方のコツを、ワンストップでご紹介させていただきます。

三色系や紅白系のメダカの柄を綺麗に引き出す方法

三色メダカや紅白メダカなど、柄物と呼ばれるメダカは、こんな模様のメダカたちです。



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三色メダカなど、いわゆる柄物のメダカは24℃以下の低い水温でじっくり育ててください。

また、過密を避けてプラ舟などの大型水槽で少ない数のメダカを飼育すると、より色が揚がると言われています。
一般に「一冬超すと色が揚がる」と言われてるのは、冬場には長い期間水温が下がることと、残念ながら冬眠中に死んでしまうメダカがいて、自然に飼育密度が下がることが理由だと言われています。

確かに私の経験でも、昨年パッとしなかった三色メダカが、翌年になって綺麗に色揚がりすることは多いです。

選別漏れを人にあげた後、翌年会いに行くと綺麗に変身していて「しまった!」と残念がるイベントは、私にとってのあるあるです。

春先の水温が低い時期は、柄物のメダカを育てるのに良い時期なのではないでしょうか?

ラメメダカのラメを増やすための飼い方のコツとは

メダカのラメとは、全身に輝くラメ模様の事です。

ラメの多さは、ほぼ遺伝と固定率で決まるそうです。

ですから、ラメメダカの作り方の基本は、適切に選別交配を繰り返すことと言えます。

とは言え、メダカの育て方の工夫次第で、ラメを増やす方法はないのでしょうか?

短期的なラメメダカの作り方、ラメの出し方はないのでしょうか?

その答えが、ずばり『ストレス掛けない』環境でメダカを飼育する飼い方です。


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ラメメダカのラメを増やすにはメダカにストレスを掛けずに飼育することが大切
先程も書きましたが、ラメメダカのラメの多さは遺伝と固定率の影響が大きいです。
大切なことは、ラメが多いメダカを種親にして(遺伝面)、できる限り「ストレス」を掛けずに飼育する(環境面)ことです。

メダカのラメを出すための、メダカにストレスを与えない育て方とは
メダカのラメの出し方とは
①綺麗な飼育水で
②水温を安定させて
③ph水温など水質変化を極力抑えて
④餌もしっかり与えて
⑤余裕がある広さの大型水槽で過密にならないよう気を付けるです。
「メダカにストレスを与えない」飼い方とは、まず大型水槽で過密を避けて十分に餌を与えて育てること、そして可能な限りphや水温変化などの負担を与えずに飼育することが飼い方のコツです。

ラメメダカのラメの増やし方については、以下の記事により詳しく書いていますので、ご興味がある方は是非ご覧ください。
メダカの過密を避ける飼い方とは

メダカの飼育では、一般的にメダカ1匹に1L以上の水量が目安と言われています。
しかし、メダカにストレスを与えないためには、余裕をもって1匹2L以上の水量で飼育することが理想です。
メダカ1匹あたり水2Lの飼育環境の目安は、小型水槽の定番NVボックス13でメダカの飼育数が5~6匹、大型水槽の定番60Lのプラ舟だとメダカ25匹前後が飼育の目安になります。

ラメが綺麗なメダカを増やすためには「いい種親」と「水量がある大型水槽」を使うことが理想です。
また、メダカの針子や稚魚を早く大きくするためにも、水量に余裕がある大型水槽で飼育することが大切です。
私は、稚魚の育成水槽に、価格とサイズが手軽な水量が60Lのプラ舟を愛用しています。

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その他のメダカのストレスになる原因とは
飼育密度以外にもメダカのストレスになる要素があります。
その一番の要因は「水質悪化」です。
水をできるだけ清浄に保つためには、まめな水換えや濾過に欠かせないバクテリアの管理、食べ残しを増やさない餌の与え方などに気を付ける必要があります。
また、メダカの移動や水換えの際に、丁寧に水合わせをすることも、メダカのストレス軽減のためには大切な事です。

水槽の水を綺麗に保つためには、「水換え」と「濾過バクテリア」のバランスが大切です。
以下に、私の水質維持のノウハウをまとめていますので、併せてご覧ください。

室内でメダカを飼育する場合は、テトラのVAX-60を使用すると水流が優しくて安心です。

もし室内飼育に向けて、大型の外部フィルターをお探しだったら、水流が優しいVAX-60をおすすめします。

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VAX-60を30㎝キューブ水槽と並べるとこんな感じで、意外にコンパクトです。


メダカ飼育で使いやすい30cmキューブ水槽はこちらです。

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メダカのラメを増やし体外光を伸ばす遺伝の特徴と影響について
最初に書きましたが、メダカのラメの増え方は、メダカの遺伝の影響が大きいと言われています。
逆を返せば、メダカのラメの増え方は高確率で親から子へ遺伝します。

綺麗なラメ入りメダカを作るためには、ラメメダカの種親をしっかり選別して交配を続けることが大切です。

そして、綺麗なラメメダカの種親を入手することも、綺麗なラメ入りメダカを増やすための近道と言えます。

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ラメメダカを綺麗に育てるための餌選びについて

メダカの餌の管理は、以下の記事をご参照ください。


メダカに餌を与えすぎると食べ残しから「リン酸塩」が増え、メダカに有益な「グリーンウォーター(青水)」ではなく、有害な「アオコ」が発生する原因になるので注意が必要です。

何事も、ほどほどが大切です。

グリーンウォーターはこのような感じの緑色の水です。

暑い時期であれば、水を屋外に放置するだけで、水の中に植物プランクトンが増えて、自然にグリーンウォーターが仕上がって行きます。

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ph変化や水温変化などを和らげる水合わせの重要性

急激な「水温」や「ph」の変化でメダカに負担を与えることは、メダカにとってストレスになるだけでなく、命に関わる場合があります。
メダカにストレスを与えないための飼育方法については、以下の記事をご参照ください。
使用する飼育水槽が小さいほど、点滴式の水合わせ容器を使って優しく注水することによる、phや水温変化の軽減が期待できます。
点滴式の水合わせ容器のDIYは凄く簡単なので、お時間がある方は是非チャレンジしてみてください。

水合わせ容器は、こんな感じで穴を開けるだけなのでとても簡単です。


このように、穴を開けてチョロチョロと足し水するだけでも、ph変化を抑える効果が期待できます。


phはこのような検査薬で確認できます。

飼育中にphが大きく変化することがないよう、定期的なph確認が大切です。

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phは、このような機械でも測ることができます。


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手作りが苦手な方は、このような水合わせの道具もありますので、ご活用ください。


幹之メダカなどの体外光(たいがいこう)を綺麗に伸ばすための飼い方とは

体外光とは、幹之メダカに代表される、背中に輝く金属光沢のラインの事です。
写真の紅白幹之メダカの背中が、キラキラと光っているのが体外光です。
体外光は、メダカの色素の一つ、虹色素胞の中のグアニンの層が光を反射することで生まれます。
「グアニン層」という言葉を覚えておくと良いと思います。



メダカの体外光を綺麗に伸ばす飼い方とは
①常に28℃以上の高い水温で育てる(ヒーター加温飼育含む)
②白い水槽で育てる
③稚魚の期間をやや過密気味に育てる
の3点が大切です。
①メダカを常に28℃以上の高水温で育てる
昔から言われてきた「体外光は高い水温で育てると良く伸びる」をより明確に説明したのが、メダカの水槽の水温を常時28℃以上に保つです。
特に寒い時期や室内飼育では、熱帯魚用のヒーターを用いて、最低水温を28℃以上に維持すると「グアニン層」がよく発達して、良い結果が出ると言われています。
ただし、加温飼育をしていても、しばしば水温が28℃以下に下がるようなことがあると、加温飼育の効果が低下するようです。
特に、水換えの際には、しっかり水合わせをして、足し水で水温が下がらないように注意してください。
また、屋外では朝晩の冷え込みの影響をうけるので、外飼いより室内の方が水温を維持しやすいと思います。

このヒーターは32℃まで自在に温度調整ができるのに、値段もすごく安いので加温飼育におすすめです。
私もこのヒーターを使っていますが、若干設定温度とずれる(水槽が大きければ当然ですが)ことを除けば問題なく使用できています。
使用期間も3年を超えているので、私が使った範囲では耐久性にも問題はないと思います。

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メダカを加温飼育すると、水槽内のアンモニアが有害化しやすく、病原菌の活動も活発になりやすいので注意が必要です。
②メダカ(針子・稚魚)を白い水槽で飼育すると体外光が伸びる
メダカの体外光の素になる「虹色素胞」は、濃い体色のベースになる「黒色素胞」が発達すると吸収されて薄くなることが分かってきました。
そこで、メダカの保護色の機能を利用して、意図的に「白い水槽」で飼育することでメダカの体色を薄くして、濃い色の素の「黒色素胞」の発達を抑え込み、虹色素胞を守りながら体外光を伸ばす飼い方が確立されてきました。


メダカを「白い水槽」で育てると体外光は良く伸びますが、白っぽいメダカに仕上がるので、濃い柄を楽しみたいメダカは、「白い水槽」での飼育は避けた方が良いと思います。


あのメダカ飼育の定番NVボックス13に、透明(クリア)タイプがあるのはご存じですか?

凄く丈夫で使いやすいので、メダカの小型水槽におすすめです!

雰囲気は似ていますが、白い水槽とクリア水槽の印象は若干異なります。



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こちらは、NVボックス13より、一回り大きい22リットルタイプのNVボックスです。

”わけぷか”が綺麗に4個収まるので、セットで使うと凄く便利です。

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③メダカの稚魚をやや過密気味な環境で飼育する

体外光を伸ばす飼い方は、ラメメダカを作る飼育方法と真逆ですから、ご注意ください。
熱帯魚の飼育では一般に知られていることですが、魚を過密な状況で育てると、これ以上の過密を避けるためか成長速度が遅くなります。
その性質を逆手にとって、意図的に過密飼育を行うことでメダカの成長速度を遅くして、体外光が伸びる成長期を長くする飼育方法が生み出されました。
以前から、成長が遅いメダカの方が体外光が伸びるようだと言われてきましたが、そこに着目して確立されたのかもしれませんね。

メダカの体外光について詳しく書いた記事はこちらです。

併せて、飼育水槽の色による、メダカの色柄やラメ・体外光の変化についてまとめた記事もご覧ください。

私は、大型水槽を使って湯煎方式で加温飼育をしています。


楊貴妃メダカやオロチメダカなどを選別交配して血統の体色を濃くする方法

楊貴妃メダカやオロチメダカなどは、意図的に色が薄い水槽にいれて体色を薄くしてから、少しでも色が濃いメダカを選別して種親にすること(選別交配)で、血筋の体色を揚げていきます。

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メダカを30分くらい白い水槽に入れて、色が薄くなったところで種親を選別し、少しでも色が濃いメダカを種親にすることで血統の色を高めていく方法があります。
これは主に朱赤(赤色)タイプや黒いタイプのメダカで行われる色揚げ方法ですが、より体外光が伸びたメダカを選別する際にも、白い水槽での選別は効果があるようです。
注意点ですが、特に楊貴妃メダカなど赤いメダカを長時間白い水槽で過ごさせると、薄くなった体の色がもとに戻りにくいと言われています。
ですから、赤いメダカは色が褪せてしまわないよう、選別が終わったら早めに黒い水槽に戻してあげてください。

楊貴妃メダカなど赤いメダカをの色を濃くする方法は、以下の記事にまとめています。

是非ご覧ください。
メダカを綺麗に育てる飼い方のまとめ

ここまでのメダカを綺麗に育てる飼い方を、体系的にまとめると以下のようになります。
①水温は、柄物のメダカの色を揚げる場合は水温24℃以下、体外光を伸ばす場合には最低水温が28℃以上。
②飼育密度は、柄やラメを増やす場合は過疎(低密度)飼育、体外光を伸ばす場合は過密(高密度)飼育。
③飼育容器の色は、体外光を伸ばすには白容器、色柄を揚げるには黒容器。

ここでお気付きですか?
三色体外光メダカのように、「柄」と「体外光」といった異なる要素を並行して育成する必要があるメダカは、綺麗に飼育する「コツ」に矛盾が発生するんです。

えっ!高温で飼育するの?低温で飼育するの?

過密?過疎?・・・ってなりますよね💦
ですから、三色体外光メダカなどの飼育は、成長過程で水温や飼育密度を適切に変えていく必要があります。
具体的には、成長期に高水温・過密飼育・白い水槽で体外光を伸ばして、成魚になったら過密を解除し、24℃以下の低水温・黒い水槽でシッカリ柄を出していく必要があります。
そのように複雑な飼育が必要になるので、花魁メダカなどを綺麗に育てるのは難しく、このあたりのテクニックがブリーダーさんの腕の見せ所になります。
私たちも頑張って少しでも綺麗なメダカを生み出して行きたいですね!
最後までご覧いただいて、ありがとうございました。


私の飼育場の様子です。

ここまで書いてきた内容が、動画で確認できると思います。