冬の室内加温飼育が難しい理由を解説します/なぜメダカは水温を高くして育てると体調を崩しやすいのか?健康面でみた推奨水温とメリットデメリット

店長メグ
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みなさまメダ活は楽しんでいますか?

この冬こそ、ヒーターを活用した加温飼育にチャレンジして産卵を継続したいとお考えの方や、寒い時期でもしっかり体外光を伸ばしたいとお考えの方も多いと思います。

でも、冬にメダカを室内で飼育すると、夏に比べて弱って死にやすいって感じたことはありませんか?

私もホント最近まで冬の加温飼育に苦手意識が強かったです。

メダカを冬の間に室内で飼育していると「夏に比べてなんだか弱りやすいな?死にやすいな」って感じる事が多いのではないでしょうか?

と言っても、冬にも産卵を継続したいし、折角なら体外光もギラギラに伸ばしたいですよね。

私も品種改良にチャレンジしたくて何度も冬の加温飼育に挑みましたが、何年も何年も失敗の連続でした。

店長メグ
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ホントメダカの室内飼育って難しいですよね・・・

今回は、水温ごとにメリット・デメリットを説明しつつ、なぜ冬の飼育が難しいのか、水温何℃で飼育すると成功しやすいのかについて解説させていただきます。

【STEP1】飼育環境から適正水温を検証

店長メグ
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殆どの熱帯魚は水温20℃~27℃での飼育が推奨されています。

熱帯魚の飼育で水温を調べれると、ほぼ全魚種で『20℃以上27℃以下で飼育してください』か『26℃で前後で飼育してください』と書かれていることが多いですよね。

店長メグ
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最後まで読んでいただけると分かりますが、生存できる水温が20℃~27℃なのにピンポイントで24℃~26℃が推奨されるのは理由があるんです!

店長メグ
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市販のヒーターで温度固定のタイプもこのレンジの製品が殆どです。

【STEP2】病気予防の面から適正水温を検証

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ここでは様々な感染病と水温の関係をご説明します。

水カビ病

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水カビ病の原因となる水カビ菌は、水温25℃以上で活性が上がります。

反対に水温が20℃以下になると水カビの進行スピードが速くなる特性があります。

つまり、水カビを避けるためには20℃~25℃の間で飼育する事が大切なんです。

※水カビ病の特性で考えると、適性な水温の目安は20℃~25℃以下

尾腐れ病

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尾腐れ病の原因となるエロモナス菌は、水カビ菌同様に水温25℃以上で活性が上がります。

尾腐れ病の予防のためには、水温を25℃未満に設定することが望ましいみたいですね。

※尾腐れ病の特性で考えると、適性な水温の目安は25℃未満

松かさ病

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松かさ病の原因となるカラムナリス菌は、水温20℃以上で活性が上がります。

カラムナリス菌は20℃以上で活性が上がるので、熱帯魚飼育では避けられない存在とお考え下さい。

予防のためには水質管理が大切です。

【STEP3】水の特性から適正水温を検証

店長メグ
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明確にどこからが高水温・低水温という線引きはありません。

ただ、私が様々な資料を見る範囲では、28℃以上を高水温、20℃未満を低水温と呼ぶことが多いように思います。

ここでは上記の温度で高水温・低水温を定義します。

ただし、明確にここからとは線引きせず「例えば高水温のメリットは28℃に近づくにつれて徐々に傾向が出始めて、28℃を超えるとより傾向が顕在化する」とお考え下さい。

高水温のメリットとデメリット

高水温のメリット

・28℃以上で白点病の治療効果が高まる


高水温のデメリット

・水が腐りやすくなる(水中の有機物が腐りやすくなる)

・溶存酸素量が低下(酸欠)

・無毒なアンモニウムイオン(NH4+)が急激に有毒なアンモニア(HH3)に変質する
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水の腐敗についてご興味がある方は、以下のエアレーションのの記事をご覧ください。

また、水温上昇でアンモニアの毒性が上がることについてはメダカの突然死の記事をご覧ください。

低水温のメリットとデメリット

低水温のメリット

・20℃以下で様々な病原菌の活性が低下する


低水温のデメリット

・20℃以下になると水カビ菌の進行速度が速くなる

【STEP4】生物ろ過の面で適正水温を検証

店長メグ
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ろ過バクテリアは、水温が高くなり過ぎると活動が低下し、急激にろ過能力も落ちてしまうので注意が必要です。

生物ろ過を適正に運用するためには27℃以下の水温を保つことが大切です。

生物ろ過やろ過バクテリアについては以下の記事をご参照ください。

店長メグ
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私が室内の生物ろ過飼育で愛用しているのがVAX60です。

高いろ過力だけでなく、排水がシャワーパイプになっていて、すごく水流が優しいのが魅力の製品です。

水流が苦手なメダカには最適ですよ!

【STEP5】メダカをより綺麗に育てるための水温について

メダカを綺麗に育てる方法

・水温28℃~30℃の範囲で飼育すると体外光やヒレが良く伸びる
 ※最低水温を28℃以下にしないことが大切

・水温30℃以上で飼育するとダルマメダカの発現率が大幅に向上する

店長メグ
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メダカを綺麗に育てる為の飼育方法については以下の記事をご覧ください。

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この飼育方法を基準に考えると、メダカをより綺麗に育てるためにはヒーターで加温して水温28℃以上で飼育する事が大切なんです。

ここまでご覧になられた方ならもうお気付きだと思いますが、メダカの美しさを追求するほど飼育難度が上がるんです。

まとめ

店長メグ
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ここまで様々な切り口で適正な水温について説明してきました。

以下の表は、それを体系的にまとめたものです。

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ご覧いただけるとわかりますが、できる限りメダカが健康で病気にかからないよう飼育するために最適な水温は24℃~26℃前後と言えます。

【STEP5】で説明しましたが、冬場のメダカの加温飼は体外光やヒレを綺麗に伸ばすために28℃~30℃の範囲で行われます。

でも、上の図でわかるようにメダカを28℃以上の高水温で飼育することは、病気から守り健康に育てるという切り口で見るとデメリットだらけで危険なんです。

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結論から言えば、メダカをより綺麗に育てようと水温を高めれば高めるほど、飼育難易度はドンドン上がってしまうんです。

ですから、体外光やヒレを伸ばしたい気持ちも理解できますが、加温飼育に慣れるまで25℃~26℃飼育で育てる方が安全です。

冬場の加温飼育で悩んだら、無理をせず24℃~25℃位からチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

最後までご覧いただきありがとうございました。

この記事がみなさまのお役に立てると嬉しいです。