みなさまは、冬のメダカの室内飼育で、観賞魚用ヒーターを使用していますか?
私は、物理的にすべての水槽を加温するのが難しく、ヒーターの数が増えると電気代も凄いので、6割の水槽はヒーターなし(無加温)で飼育しています。
緩やかに冬眠(のような状態)させているのですが、この方法が手間もかからず歩留まり(生き残り率)も高いようです。
これを機会に、みなさまもチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
今回は、私流「冬の無加温飼育」を解説させていただきます。
冬のメダカの室内飼育は、観賞魚用ヒーターを使うもの。
そう思われている方も、多いのではないでしょうか?
確かに、年中メダカが元気に泳ぐ姿を楽しむためには、観賞魚用ヒーターが必要です。
でも、電気代が高騰する昨今。
春まで無加温で冬眠してもらうのも、一つの選択肢ではないでしょうか?
今回は、私が実践している室内の無加温飼育~冬眠までの流れを説明させていただきます。
屋外同様に室内も水温が10℃を切るまでは給餌をします
室内飼育も屋外(外飼い)同様に、水温が10℃を切るまでは給餌を行ってください。
ただし、水温が15℃を切ると、メダカの消化能力が低下してくるので、できるだけ消化に良い餌を与えるようにしてください。
基本的に、粗タンパク質が多い餌はNGです。
活き餌や高成長を売りにしている餌は、消化に悪いので避けた方が安心です。
※餌の栄養面と消化の良さはトレードオフの関係にあります。
そして、水温が10℃を割り込んだら、給餌を止めて(餌切り)そのまま冬眠させてあげてください。
私は、水温が15℃を切ったら消化に良い「メダカの舞 メンテナンス」を与えるようにしています。
メダカの舞の中でも「メンテナンス」は、弱ったメダカでも消化できるように、粗タンパク質を抑えている消化に優しい餌です。
冬眠前、冬眠開け、そして病気中のメダカの餌に「メンテナンス」が最適ですよ。
暖かい日に元気に泳いでいるのを見かけたら、どうしたら良いですか?
メダカは寒い冬の間、水底の比較的暖かいところで、エネルギーを温存しながら生きています。
※水底が暖かい理由については、記事の最後の方にある「氷の下でも生き残れる理由」の記事のリンクをご参照ください。
冬の間も暖かい日が続くことがあります。
そんな時、もしメダカが元気に泳いでいたら、少々餌をあげても大丈夫です。
とは言え、メダカも長い絶食で消化器官が弱っています。
メダカが消化不良で死んでしまうことを避けるため、餌の量は少量に留めてください。
室内は、外に比べて温まりやすいので、餌を与える機会も多くなります。
ただ、水換えをストップしている状態で餌の食べ残しが増えると、水質が悪化しやすいので、その点もご注意ください。
繰り返しになりますが、消化不良と水質悪化対策の両面で、餌を少量に留めることが大切です。
冬眠(水温10℃)までの水換えについて
私は、給餌をしている期間2日に1回1/3~1/5程度の水換えを行っています。
そして、水温が10℃に近づくにつれて、換水量を減らしていきます。
換水を減らしていく流れは、感覚なので説明が難しいのですが、餌食いを見ながら、最終的に4日に1回1/5まで減らしています。
水温が10℃を切り、メダカが冬眠状態に入ると餌を切ります。
その期間は、餌の残りや糞が出ないので、水も殆ど汚れません。
それに、ろ過バクテリアが増えた方が水質を維持しやすいので、冬眠中は基本的に水換えをしません。
水換えで大切なこと
特に冬場の水換えで大切なことは、水温ショックを与えないことです。
寒い時期は、同じ場所で貯め水していても、日当たりやエアコンの加減で意外に水温差が発生します。
メダカにとっては、その僅かな水温差も負担になるので注意が必要です。
経験上ですが、メダカは足し水の温度が少々高い場合に比べて、冷たい場合のショックに弱いように感じています。
ですから、寒い時期の水換えは、より慎重に実施してください。
私は水温ショック対策に、すべての水槽を点滴法で注水しています。
点滴法は注水に時間が掛かりますが、水温変化が緩やかなので、メダカにとって安心です。
以下は、手作り点滴容器の記事です。ご興味がある方は是非ご覧ください。
冬眠したら水温差でショックを与えないために、原則水換えを止めてください!
ただし、水の蒸発分の足し水はお忘れなく。
水量が少ないと、万が一氷が張った日に、メダカが死んでしまう原因になります。
水槽の置き場所について
「室内だったら、日当たりの良い場所に置いておけば、冬でも元気に育ってくれます!」みたいな記事もあります。
ただ、私は安全に春先まで冬眠して欲しいので、気温変化が少ない場所を選んで、静かに眠ってもらうようにしています。
メダカは水温が何度まで大丈夫ですか?
メダカは短時間であれば、水温35℃以上でも耐えられると言います。
私も、色揚げで28℃~30℃の加温飼育をしています。
ところで、水温の下限は何℃なんでしょうか?
メダカは若魚以上に成長していて、ある程度の水深が確保されていれば、水面に氷が張っても大丈夫です。
実は、水面が凍るような気温でも、水底の水温は4℃前後に保たれています。
ですから、メダカの水温の下限は4℃前後なのかもしれませんね。
寒さで水が凍るようなことがあっても、水深があればメダカは生き残ってくれるので大丈夫です。
以下の記事で、水が凍っても生き残れる理由を説明しています。
安心できると思いますので是非ご覧ください。
最後に
最初に室内飼育を始めたころは、何度もポツポツ死を繰り返してメダカを減らす日々でした。
ポツポツ死の原因追及で、メダカが嫌いになりそうになったことも沢山あります。
結局、辿り着いた結論は水質維持の大切さです。
大量に加温飼育をすると、電気代だけでなく、水換え用の貯め水の確保にも気を使います。
私は、飼育の負担を軽くする意味でも、メダカたちを冬眠させてあげる飼育法は理に適っていると思います。
最近は、ロングフィンのメダカが増えた関係で、管理面から室内飼育が増えてきました。
そして、室内飼育を追求する中で、冬場の無加温飼育に辿り着きました
冒頭でも書きましたが、すべての水槽を加温すると、水質管理が大変で電気代も凄いので、手間とコストの両面で、冬の無加温飼育は有効です。
室内で無加温飼育しても、メダカたちは元気に春を迎えてくれるます。
この記事がみなさまのお役に立てると嬉しいです。