水を屋外に放置していて、緑に変色した状態を「グリーンウォーター」(青水)と呼びます。
「グリーンウォーター」は、その成分である「植物プランクトン」が、メダカや稚魚の餌になり、水を浄化し、色揚げに貢献するので、メダカの飼育に最適な水と言われています。
そして、「グリーンウォーター」は日差しが強い時期であれば、ただ放置するだけで自然に色付いて仕上がっていきます。
でも、意識して「グリーンウォーター」を作ろうとすると、なぜかうまく行かずに悩んでしまった経験はありませんか?
私も初心者の頃、思うように「グリーンウォーター」を作れず、とても苦戦しました。
このようなとき、どうしたら良いのでしょうか?
今回は、液体肥料を使った「グリーンウォーター」の作り方と使い方について、解説させていただきます。
この記事の前半は「ミジンコ」や「クロレラ」について書いています。
直ぐに「グリーンウォーター」の作り方をご覧になりたい方は、次の章まで読み飛ばしてください。
グリーンウォーターとクロレラやミジンコなどの生き餌の特徴について
グリーンウォーターとは、植物プランクトンが増えて色が緑色に変わった水を指し、別名青水(あおみず)と呼ばれています。
①植物プランクトンがメダカの餌になる
②植物プランクトンが過剰な栄養分を吸収し水を浄化してくれる
③水質をメダカが好きな弱アルカリ性に変えて、更に色揚げ効果もある
”グリーンウォーター”は、3拍子揃ってメダカ飼育に欠かせない存在となっています。
グリーンウォーターは特別なものではありません。
夏場の気温が高い時期に、水を天日に晒しておくだけで、自然に色が緑色に変化してグリーンウォーターになります。
でも、なぜでしょうか?
私も最初の頃、全ての飼育水槽をグリーンウォーターにしようと頑張りましたが、かなり苦戦しました。
グリーンウォーターはいつも水を放置するだけで自然に変化するのに、作ろう作ろうと意識すると、なかなか変化してくれないんです。
色々調べたり、実験しながら辿り着きました!
この記事では、私が様々に見聞きし、試行錯誤の結果に辿り着いた、液体肥料を用いたグリーンウォーターの作り方について解説しています。
グリーンウォーターを自在にコントロールできるようになると、メダカの飼育がかなり楽になります。
冬場の日差しが弱い時期は、いくら飼育水を日光に晒しても、簡単には「グリーンウォーター」になりません。
クロレラの活用について
そんな時期に、「グリーンウォーター」の代替品として定番なのが「クロレラ」です。
クロレラには、メリットもありますが、沈殿して水を汚しやすいなどのデメリットもあります。
ただし、「グリーンウォーター」と「クロレラ」は似て非ざるものなので、「クロレラ」を活用する場合には、以下の記事で「グリーンウォーター」との違いをご確認ください。
また、工夫次第では室内でグリーンウォーターを作り出すことも可能です。
興味がある方は以下の記事をご参照ください。
メダカの餌にミジンコの活用について
ミジンコを増やしたい時に、グリーンウォーターが手に入らない時期は、クロレラを活用すると上手くいきます。
以下に、ミジンコの増やし方のリンクを載せているので、興味がある方はチャレンジしてみてください。
栄養豊富なスピルリナの効果について
”スピルリナ”も”グリーンウォーター”の代替品として定評があります。
クロレラに比べてスピルリナの方が、メダカにとって栄養の吸収が良いと言われています。
市販の餌にもスピルリナが含まれていることが多いです。
それくらい、メダカとスピルリナは相性がよいです!
この画像はキョーリンの「メダカの舞のメンテナンス」の成分表です。
先ほども言った通り、メダカの舞の成分にも、スピルリナが含まれています。
私が知る限り、スピルリナは粉や錠剤で流通していています。
このような錠剤をそのまま与えるだけでなく、すり潰して少量を餌に混ぜたり、練り込んで使用することもできます。
ハイポネックス(液体肥料)を活用した効果的なグリーンウォーターの作り方について
グリーンウォーターの主成分は、水槽の中に増えた植物プランクトンです。
ちなみに、ハイポネックスは、定番の植物用の液体肥料です。
カルキ抜きした水に、10,000倍に希釈したハイポネックスを添加して、日なたに放置するか、11時間以上LED照明などで光を照射してください。
ちなみに、「黒い」水槽よりも「白」や「透明」の水槽の方が、グリーンウォーターの仕上がりが速いです。
特に、室内でグリーンウォーターを作る場合は、「白い」水槽一択です。
ちなみに、写真の中で使ってる水槽は、メダカ飼育の定番のNVボックス13のクリアです。
先程ハイポネックスを10,000倍に希釈して使用すると書きました。
10,000倍に希釈する場合の計量は、2リットルのペットボトルに、ハイポネックスを0.2CCを入れるのが簡単だと思います。
ハイポネックスを入れて1週間くらい放置すると、こんな感じに仕上がります!
私も、飼育場で様々な照明を使っていますが、室内でグリーンウォーターを作るには、より明るい照明を使う方が確実です。
私が使っている中で一番コスパがいいのは「GEX クリアLED POWER III 300」です。
「LED POWER III 300」は、こんなにコンパクトなのに明るさが500lmもあります。
植物にとって光は大切なので、育成にあたっては最低でもこのクラスの照明が欲しいところです。
室内の場合は、水温を25℃~30℃まで加温することもポイントです。
水槽に軽くエアレーションをして水を攪拌すると、仕上りが早まるだけでなく、水面に膜が張ることの防止にもなります。
夏の気温が高い時期だと、わずか数日でグリーンウォーターが仕上がります。
ただし、屋外ならではの注意点もあるのでお気をつけてください。
ですから、屋外でグリーンウォーターを作る場合は、波板などを使った雨除け対策が必要です。
ハイポネックスはこのような商品で、DIYショップや園芸店だけでなく、ドラッグストアなどでも販売しています。
ハイポネックスのメダカへの危険性ついて
仕上りが速いといっても、やっぱり園芸用の肥料を、メダカの水槽に入れるのは心配ですよね。
私も、最初はかなり不安に思いながら使っていました。
ハイポネックスは園芸用の液体肥料です。
先程も申しましたが、ハイポネックスを10,000倍に希釈して使用すると、グリーンウォーターの仕上がりを早めることができます。
ただし、ハイポネックスを直接添加すると、飼育水が栄養過多になり、苔の発生を助長するなどの悪影響がありますので、飼育水への直接添加は避けてください。
いくら希釈すると言っても、メダカに液体肥料は健康被害が心配ですよね?
実際、ハイポネックスに害はないのか?
先ほどもご説明したように、ハイポネックスを10,000倍に希釈して使用しています。
そして10,000倍に希釈したものを、更に少量ずつ水槽に添加するので、1水槽あたりのハイポネックスの使用量はごく僅かです。
メダカに害がないように、かなり希釈して使用しています。
私のところでは、実際にメダカが全滅した等の事故は出ていません。
ですが、最後は自己責任でお願いします。
そして、どうしてもハイポネックスの害が心配な方は、後半に解決策を記載していますのでご確認ください。
どうしても害が気になる場合はEZ Green(イージーグリーン)がおすすめ
ハイポネックスによるメダカの害が気になる方は、キョーリンさんから発売されている「EZ GREEN」がおススメです。
ハイポネックスに比べて高価ですが、観賞魚メーカーの商品ですから、安心してお使いいただけると思います。
いくら大丈夫と言われても、大切なメダカに液肥を使うのは怖いですよね。
私はEZ Green(イージーグリーン)を知ってからは、安心を買う意味でEZ Greenを使うことが多いです。
ハイポネックスを使わないグリーンウォーターの作成方法について
どうしても、メダカの飼育水に混ぜ物をすることが不安な方はこちら!
いわゆる有機栽培です!
メダカを飼育していた水(古水)に残っている糞などは、天然の栄養になります。
ですから、単純に古水を日なたに放置するだけで、自然にグリーンウォーターに変化します。
どうしても、飼育水に薬品を入れることが心配な方は、有機栽培が安心だと思います。
メダカの水槽に雨が降り込むと、グリーンウォーターが傷んで水質が悪化します。
以下の記事を見ながら、雨除け対策は万全にしてください。
私はテラス屋根ができるまで、こんな風に雨除け対策をしていました。
危険なアオコとグリーンウォーターの混同は危険なので、判断には注意が必要です。
最後に
ここまで、主に液体肥料を活用したグリーンウォーターの作り方について、ご説明させていただきましたがいかがでしたか?
メダカの飼育で、グリーンウォーターを使いこなせるようになると、よりメダカが元気になり、飼育の幅もグッと広がります。
グリーンウォーターの作成は、コツを掴めば意外に簡単なので、是非チャレンジしてみてください。
ただし、あまりに液肥(ハイポネックス)が多くなると、飼育水にアンモニアが出たりと弊害もあります。
私の経験上、極少量の使用であれば弊害も少ないので、この記事をご覧いただいたうえで、適量を使うようにしてください。
単純な内容ですが、凄く活用できるテクニックだと思います。
この記事がみなさまのお役に立てると嬉しいです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。