メダカの飼育で水面の緑色の膜や水槽のレイアウトにまとわりつく藍藻(シアノバクテリア)の毒性と対策・除去について

店長メグ
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みなさまは、水面にドロドロの緑色の膜が張ったり、ろ材や水槽の隅にドロッとした藻がついて困った経験はありませんか?

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もし見かけた経験があれば、それは「藍藻(シアノバクテリア)」という菌が原因かもしれません。

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「藍藻」は、他のコケ類と異なり、”青酸カリ”よりもずっと強力な毒素を発生させるので、メダカにとって、とても危険な存在です。

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ですから、もし「藍藻」を発見したら、早急な対応をおススメいたします。

水面や水槽内のレイアウト素材にベトッと張り付いて厄介な「藍藻」(らんそう)。

アオミドロのような髭(ひげ)状のコケでなく、ドロッとしていて強い臭いがするようでしたら、藍藻(らんそう:英名シアノバクテリア)という、藻に似たバクテリアの仲間が増えている可能性が高いです。

水面に膜上に増えた場合、一見すると「グリーンウォーター」のようにも見えますが、青いフィコシアニン(青い色素)を持つので、全体にやや青みがかって見える事が多く、ドブのような刺激臭がしたら「藍藻」の可能性があります。

「藍藻」は見た目が悪いばかりでなく、生き物に有害なミクロシスチン、シリンドロスパーモプシン、アナトキシン-a、サキシトキシンなどの毒素を発生させ、その毒性は青酸カリよりも強力なので早急な改善が必要です。

今回は、そんなメリットもなく、ただ不快なだけの存在、「藍藻」の対策について解説させていただきます。

藍藻の発生原因と効果的な対策とは

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藍藻の発生原因は以下の通りです。

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その中でも、私が考える”藍藻”が増える最大の原因は、餌の与え過ぎです。

①水質が弱アルカリ性

②水質が硬水

③水槽内にレイアウト用品などに付着した菌(シアノバクテリア)が持ち込まれた

④水流が弱い・水が淀んでいる(通水性が悪く低酸素状態)

⑤リン酸塩の増加

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①弱アルカリ性の環境や②水の硬度が高い環境(ミネラル分が量が多い環境)は、飼育環境作りの都合で、意図的に作っている場合もあると思います。

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ですが、もし「藍藻」が発生した場合は、できる限り可能な範囲で、環境の調整をご検討ください。

その他、④や⑤の餌や水質・水流などに関する事項は、水質維持の面でもデメリットしかないので、至急の改善が必要です。
また、③の原因になるような、どこから来たかわからないレイアウト素材(石や流木)や水草は、安易に水槽に入れない方が安全です。
拾ってきた流木などは必ず下処理をしてから使用してください。

水槽内の流木のイメージ
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以下の記事で、流木の下処理を解説しています。

藍藻(シアノバクテリア)を防ぐためのph改善方法について

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”ph調整剤”の使用が簡単ですが・・・

「ペーハー調整剤」の中には、「藍藻」が必要とする栄養の”リン”を含むものがあります。

ですから「藍藻」が発生したからと言って、安易に「ペーハー調整剤」で”酸性”に誘導すると、水中に”リン”が増加して、逆に「藍藻」を活性化させる危険があります。

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「藍藻」の対策には、ph調整剤は不向きかもしれません!

phを酸性にする方法とは

赤玉土を入れたメダカ水槽の様子
phが酸性になるボラ土を敷いた水槽の画像
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phを酸性に変えたい場合は、底砂にソイルや赤玉土を使用するのが、最も簡単な方法です。

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また、アルカリ性の原因になる、砂利や石組レイアウト、牡蠣殻などの使用を控えると、phがアルカリ性になることを緩和できます。

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以下のようなものが水槽にあると、水質がアルカリ性になります。

水流が弱くて水が淀むと藍藻発生の原因になる

水流を抑えてメダカを飼育している様子
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メダカは水流が苦手だから、水流を控えて飼育していますよね。

メダカを飼育するうえで、メダカが苦手な強い水流を抑えるのは、仕方がないことです。
でも、ビオトープや石組みなどの、複雑なレイアウトでメダカを飼育をしていると、石などが水の流れを妨げて空気や水流が届かない場所が増えるため、水が淀みやすくなり「藍藻」の発生原因になります。

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水上・水中に関わらずレイアウト(石や流木など)で水の流れや酸素が届かない場所(止水域・しすいいき)が増えると、「藍藻」が発生する原因になります。

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このようなレイアウトはおしゃれですが、油断すると藍藻の原因になりやすいので、注意が必要です。

いくらメダカが水流が苦手といっても、適度なエアレーションの実施や、通水の良いレイアウトを心掛けることは”藍藻”の予防に大切なことです。

また、底砂が厚すぎると、砂の目詰まりから水底の通水が悪化して「藍藻」発生の原因になります。

もし「藍藻」が発生した場合は、底砂の厚みを減らすなどの対応も効果的です。

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藍藻予防は、底砂の掃除も効果的です。

また、底砂の粒が細かすぎると、砂粒の隙間が詰まりやすく、水底付近が淀む原因になります。

ですから、できるだけ水底には、目の細かい砂などは使用しない方が安全です。

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通水に関していえば、ベアタンク(容器の底に砂や砂利を敷かないからっぽ容器での飼育方法)に徹する方が、確実な対策かもしれません!

藍藻の栄養となる”リン”の増加対策

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窒素・リン酸・カリは植物の三大栄養素と呼ばれます。

植物の三大栄養素の”リン酸”は「藍藻」にとっても大切な栄養源です。

そして、”リン酸”は、食べ残された餌や、糞が原因で水中に増えていきます。

また、その他にも水道水、砂や岩や土、アクアリウム用品などにも微量に”リン酸”は含まれています。

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”リン酸”が増えると、コケや藍藻が増える原因になります。

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「リン酸」の主因は「餌」が多すぎることだと思います。

メダカが「過密」だったり「餌」が多すぎると、「藍藻」の栄養となる「リン」が溜まりやすくなります。

「藍藻」が発生したら、過密の解消や「餌」を減らすなどの対策が必要となります。

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餌の与えすぎは、水質維持やメダカの健康維持の面で、デメリットしかありません。

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適正な餌の量については、以下の記事をご参照ください。

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メダカの餌って、思っているよりも少なくても大丈夫です。

「餌」が過剰になると、水が汚れるなど害しかありません。
メダカが餌を欲しがる姿を見ると、ついつい餌をあげたくなりますが、そこはグッと堪えてください。

孵化したての「稚魚」や、成長期で色柄共にしっかり育てたい「若魚」、産卵をさせている最中の「種親」は十分な栄養が必要なので、一日に何度も餌を与える「飽和給餌」が必要です。

ただ、それ以外のメダカについては1日2回程度2~3分で食べきる量の餌をあげるだけで大丈夫です。

もしメダカが痩せてくるようでしたら、一回の餌の量は増やさずに、一日の回数を増やすようにして対処してください。

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一回あたりの餌を増やすと、食べ残しが増える原因になるので危険です!

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餌の量は、必ず給餌回数の増減で調整してください。

食べ残されて水底で腐るリスクが少ない、「ミジンコ」や「ゾウリムシ」などの生き餌の活用も、水質改善に効果的です。

メダカの餌にするために増えたミジンコを集めている様子
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このホコリのようなものが、ゾウリムシです。

私が増やしたゾウリムシの画像
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詳しい生き餌の活用方法については、以下の記事をご参照ください。

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もし、掃除をしても、「餌」の量を絞っても「藍藻」が出てしまう場合は、リン酸を除去する「リン酸除去剤」があるのでご検討ください。

ただし、「リン」は植物に欠かせない3大栄養素の一つなので、「リン酸除去剤」を使用すると水草の生育に悪影響が出るのが難点です。

水草の栄養が不足するので、水草水槽での「リン酸除去剤」の使用は控えてください。

藍藻の予防にはまめな水換えと清掃が大切

私がメダカの水換えをしている様子

定期的に過剰なリン酸を取り除くことで、「藍藻」の発生を抑制することができます。

水質改善の基本は水換えです。

可能な限りまめな換水を実施して「藍藻」の発生を予防してあげてください。

また、水底に餌の食べ残しや糞が腐ったものが堆積すると、リン酸が増加する原因になります。

リン酸予防のためには、まめな清掃を心掛けてください。

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水槽内の掃除が雑だと、たとえ水を換えても、底砂の汚泥の中からリン酸が溶け出して、水中に不要な栄養が増えてしまいます。

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ですから、基本的に水換えと底砂の掃除はセットでお考え下さい。

どうしても藍藻を改善できない場合には水槽のリセットが確実な対策

メダカの飼育水槽をリセットしている様子
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ここまで書いてきた対策を試しても改善しない場合は、水槽をリセットして「藍藻」の菌をすべて追い出してしまいましょう!

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ただし、水草やレイアウト素材に藍藻の菌が残る場合があるので、綺麗に洗えないものは再利用しない方が確実だと思います。

究極の「藍藻」対策は水槽のリセットです。

リセットをする際には、シアノバクテリアが再混入しないように、飼育用品を綺麗に清掃することが大切です。

また、流木など菌や汚れが染み込みやすい素材は、再使用を避けた方が賢明だと思います。

その他、新たに水槽のレイアウトを検討する際に、通水の面も考慮に入れて淀んだ場所を減らす工夫が大切です。

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大掛かりな清掃や頻繁な水換えは、メダカにとって水質変化の負担が大きくなります。

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ですから、何度も大掃除が必要な場合は、水槽をリセットして、優しく水合わせの上で、引っ越しする方が安全な場合もあります。

「リン酸」を排出するためといっても、繰り返される大規模な水換えはメダカにとって負担が大きいことです。

また、清掃で頻繁に汚物を巻き上げる行為も健康的とは言えません。

ですから、「藍藻」が収まらず対策を繰り返す必要がある場合は、思い切って水槽をリセットする方がメダカにとって安全な場合もあります。

掃除しても掃除しても改善しない場合は、大変ですが思い切ってリセットしてください。

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新しい水槽の中にシアノバクテリアが混入するリスクがあるため、通常の水合わせのように古水を混ぜることができません。。

ですから、「藍藻」対策で水槽をリセットするときには、点滴法を用いるなど、いつも以上に丁寧な水合わせが大切です。

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水合わせや注水は、点滴方式の水合わせが安全です。

メダカの水槽に点液容器で注水している様子

点滴式の水合わせ容器は、以下の記事を見ながら手作りすることもできますし、手作りが苦手な方は、市販の水合わせ容器を活用する方法もあります。

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メダカの水温合わせを行っている様子
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藍藻と対となる水槽の厄介者!アオミドロ対策は、以下の記事をご参照ください。

藍藻対策のまとめ

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藍藻対策は①止水域を作らないこと、②リン酸の蓄積を防ぐこと、③外部から持ち込まないことが肝心です。

まるで水槽内に絡むようにベットリと発生し、ひげ状のアオミドロより見た目が悪い「藍藻」。

また、「藍藻」は青酸カリより強力な毒素を出すので、ホントに厄介です。

「アオミドロ」の記事でも書きましたが、厄介者の駆除で大切なのは、適切な飼育数と適切な餌の量の管理です。

可愛いメダカに、たくさん餌をあげたくなる気持ちはわかりますが、グッと堪えて餌の量を適正に調整してみてください。

きっと良い結果が得られると思います。

この記事が、みなさまのメダカ活に役立つと嬉しいです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。