みなさまはメダカの稚魚(針子)の餌に何を使っていますか?
私は培養のしやすさからミジンコを使用する機会が多いです。
でも「ミジンコ」ってなんだか難しそうなイメージがありませんか?
みなさまの中にも、興味はあるけど難しそうで、使いたくてもチャレンジできていない方が多いのではないでしょうか?
メダカの稚魚の餌でよく聞かれる「ミジンコ」
みなさまの中でも、「ミジンコ」が気になっている方も多いのではないでしょうか?
でも調べてみると、稚魚の成長にすごく良さそうだけど、増やしている最中に全滅したとか、育て方が難しいとか、そんな記事がたくさんあって、なかなかチャレンジできずにいる方も多いのではありませんか?
私も、実際にチャレンジする前までは、自分には難しいと決めつけて諦めていました。
今回は、なんだかハードルが高そうな「ミジンコ」の、採取を含めた簡単な入手方法と、育て方について解説させていただきます。
【STEP1】ミジンコの入手の方法
ここからは、採取を含めたミジンコの入手方法を解説させていただきます。
タマミジンコの採取方法
「ミジンコ」の中でも「タマミジンコ」は近くの田んぼで採取が可能です!
簡単なのでチャレンジしてみてください。
在来種である「タマミジンコ」は、近所の田んぼなどに生息しています。
サイズは1mmくらいととても小さいですが、ちゃんと目に見えますので、じっくり眺めていれば発見できると思います。
ですから、わざわざお金を払って購入しなくても、近くに田んぼがある方は、少しお出掛けするだけで、簡単に手に入れる事ができます。
田んぼは稲を育てる場所ですから、基本的に日当たりが良く、「ミジンコ」の餌になる植物プランクトンが豊富で、用土に含まれる栄養分も「ミジンコ」の成長に欠かせません。
また、稲穂が適度に遮光してくれるので、水温も適度に調整されています。
それに、田んぼは水流が弱いので、流れを嫌うミジンコにとって最適な環境であり、「タマミジンコ」に限らず、様々なミジンコにとって過ごしやすい住処になっています。
一見して何もない田んぼの土の中にも「タマミジンコ」の休眠卵が眠っています。
温かい季節は、田んぼで泳いでいる「タマミジンコ」を網ですくうことができます。
また、一見「ミジンコ」がいなさそうな寒い冬でも「ミジンコ」は土の中で卵の形で休眠して生存しています。
ですから、農家さんが水を張る前で何もいないように見える田んぼの土の中にも、たくさんの「タマミジンコ」の卵が眠っています。
それを採取して水に入れておくだけで環境が合えば「タマミジンコ」は孵化して増えてくれます。
どうですか?
「タマミジンコ」の採取って簡単そうでしょ?
暖かい季節であれば、泳いでいる「タマミジンコ」を、観賞魚をすくう網やコップなどを使ってすくうことができます。
無断での採取は、田んぼの所有者さんなどとのトラブルの原因になります。
生きているミジンコの捕獲、卵を得るための土の採取に関わらず、私有地に立ち入る際は、必ず持ち主の許可を得てくださいね。
私は、味噌の空き容器が、サイズも手ごろで蓋つきなので、「ミジンコ」をすくう時にも、持ち帰るときにも重宝しています。
その他、以下のネットが安くて携帯しやすいので採取に便利です。
私は、このネットと味噌の容器があれば、いつでも「ミジンコ」や「ヌマエビ」の採取ができるので、常に車に積みっぱなしで行動しています。
ミジンコの購入方法
採取したくても、田んぼが遠い方も多いですよね・・・
それに、外来種の「オオミジンコ」は基本的に田んぼでは採取できません。
近くに田んぼがなくて「タマミジンコ」が採取できない方も多いと思います。
それに外来種の「オオミジンコ」は基本的に採取できません。
採取が難しい場合は、Amazonなどのネット通販で購入する方法が簡単です。
私も季節の変わり目で全滅させてしまった時など、定期的に「オオミジンコ」を購入しています。
外敵混入のリスク
田んぼで採取する場合は「タマミジンコ」だけでなく、メダカの餌に向かない「ケンミジンコ」や「カイミジンコ」に加えて、外敵の「ヤゴ」など肉食昆虫が混入するリスクがあります。
天然の「ミジンコ」の採取を行うと、少なからず不要な生き物の混入リスクがあります。
外殻が硬くて餌にならない「ケンミジンコ」「カイミジンコ」、稚魚の捕食者になる「ヤゴ」などの肉食水生昆虫、その他プラナリアや貝などの混入リスクがあります。
そういった不要なリスクを避けるためにも、ネットでの購入が安心です。
ネットでの購入を検討される場合は、以下のリンクをご参照ください。
餌になる「生クロレラ」がセットになっている商品が、最初のチャレンジには便利でおススメです。
【STEP2】ミジンコの増やし方
ミジンコが入手できたら、そのまま与えるのではなく、増やしてから与えてみましょう!
採取したり買ってきたミジンコを、そのままメダカに与えていては、繰り返し入手する手間やお金が気になりますよね。
そこで、入手したミジンコをそのまま餌にするのではなく、自分で増やして増えた「ミジンコ」をメダカに与えるようにすると、費用や手間の削減になります。
ここからは、実際にミジンコを増やしていく方法や大切な情報をまとめていきます。
太陽と水温の管理
適度な日光と酸素と餌(栄養)があればミジンコはドンドン増えてくれます。
私は年間を通して室内でミジンコを増やしていますが、暖かい時期は屋外でも培養しています。
経験上ですが、屋外でしっかり太陽に当ててそだてるほうが室内よりも「ミジンコ」は良く増えてくれます。
やっぱり、生き物にとって太陽は大切ですし、屋外の方がミジンコの餌になる植物プランクトンも良く増えますからね!
ただし、水温が30℃以上になると「ミジンコ」が全滅するリスクがあるので、真夏は遮光などの工夫が必要です。
大きな容器で水量を多くする対策も効果的です。
いくら太陽が当たる方が「ミジンコ」が元気に育つといっても、真夏で水がお湯のようになれば「ミジンコ」は死滅してしまいます。
ですから、夏の暑い期間は遮光ネットで直射日光を遮るなど、水温を調整する工夫が必要です。
私は遮光用に作った屋根と遮光ネットで夏の日差し対策をしています。
メダカも水温が高すぎると危険なので、まとめて対策をしてください。
ミジンコの餌は何がいい?
ミジンコの餌は様々ありますが、私は天然の「グリーンウォーター」か、入手が難しい場合は「生クロレラ」で代替えしています。
ただし、「生クロレラ」は購入に月額千円以上かかるので、出費を抑えたい方は「むっくりワーク」がおススメです。
ミジンコの餌でポピュラーなものは、鶏糞、エビオス錠(胃薬)、生クロレラ、むっくりワーク(ミジンコ専用餌)などがあります。
私は天然の「グリーンウォーター」が最適な餌だと思っていますが、「ミジンコ」の消費に対して「グリーンウォーター」の培養が追いつかない事が課題になります。
また、お庭がない方などは、「グリーンウォーター」を作る場所の確保も大変ですよね。
そこで、「グリーンウォーター」の代替えとなるのが「生クロレラ」です。
その他にも、「むっくりワーク」など「ミジンコ」の餌になるものはありますが、「ミジンコ」の増殖スピードで比較すると「生クロレラ」が一番だと思います。
「鶏糞」を試したこともありますが、増殖の効果の割に臭いが気になるので、今は使っていません。
ただ、「生クロレラ」は価格が高いので、費用の面で「むっくりワーク」を検討する価値があります。
「生クロレラ」は賞味期限がおおよそ一カ月で、冷凍すると細胞が壊れて腐るので、冷凍保存もできません。
ですから、定期的に適量を購入する必要があり、その不便さも課題です。
私は手作りの培養容器でミジンコを増やしています。
具体的な容器の作り方と、容器を活用したミジンコの増やし方については、以下の記事を参考にしてみてください。
夏はこの容器を屋外に放置するだけでも「ミジンコ」は良く増えます!
【STEP3】ミジンコ導入のメリット
「ミジンコ」は「ブラインシュリンプ」と異なり、メダカの飼育環境で死滅せずに逆に増殖して餌になってくれます。
そこがミジンコの最大の魅力です。
メダカに限らず、観賞魚の稚魚用の餌で栄養分が優れているのは「ブラインシュリンプ」です。
しかし「ブラインシュリンプ」は給餌の度に人間の手で孵化させる必要があります。
また、餌として与えた際に、水槽内で増えることもありません。
「ミジンコ」は水槽内でメダカと共生し、自然増殖をしてくれるため、メダカが常に捕食して栄養を補給することができ、メダカの成長速度がグンと上がります。
メダカは胃袋を持たないので、人間のように3食でまとめて食べてOKというわけにはいきません。
常に栄養を得るために餌を食べ続けています。
メダカは人間と異なり、常に餌を探して栄養を取り続ける必要があります。
そのメダカの1日の食事のサイクルに最もマッチするのが、自然増殖して絶えることがない「ミジンコ」と言えます。
特に「オオミジンコ」は成体がメダカの稚魚の口に入らないため、捕食されることなく水槽内で生き残り、常にミジンコの幼生を供給する餌の畑のような存在になります。
ですから、ミジンコをうまく活用することができれば、メダカの餌やりが楽になりますし、成長速度アップも期待できます。
栄養分の「ブラインシュリンプ」か、ずっと食べれる「ミジンコ」か最終的にはみなさまの環境や好みで決めていただいて大丈夫だと思います。
ちなみに私はいいとこどりで両方です!
【参考】ブラインシュリンプについて
ご参考までに「ブラインシュリンプ」のこともご説明します。
「ブラインシュリンプ」とは「アルテミア」というホウネンエビの仲間の幼生です。
毎日人間の手で卵を孵化させてあげる必要がありますが、栄養価が断トツなので、ブリーダーさんの間では欠かせない稚魚用餌となっています。
ご興味がある方は以下の記事をご覧ください。
簡単にブラインシュリンプに必要な用品をご紹介します。
ブラインシュリンプの卵は使用量に応じて購入量を調整ください。一般の方であれば、100グラムでも数か月使えると思います。
古い卵は孵化率が下がるので、まとめ買いは避けた方がいいですよ!
孵化器は、前述のブラインシュリンプの記事の中で、手作り方法を書いていますが、手作りが苦手な方は準備しておく方が便利だと思います。
最後に
ここまでミジンコについて説明してきましたがいかがでしたか?
もしかすると、「ミジンコ」が田んぼで採取できることを、ご存じない方も多かったのではないでしょうか。
説明を聞くとハードルが高そうに感じる「ミジンコ」ですが、田んぼで簡単に採取できるとなれば、やってみようと思う方もいらっしゃると思います。
「ミジンコ」は、メダカと同じ環境で増やすことができますので、導入の手間もそれほ多くないと思いますし、メダカを育てている方でしたら水質管理等も問題なく対応できると思います。
この記事がみなさまのお役に立てると嬉しいです。
最後まで、ご覧いただきありがとうございました。