暖かくなると、飼育水槽の壁面からモヤモヤッと伸びてくる「アオミドロ」。
水槽の見栄えが悪くなるし、酷い時にはメダカや水草がアオミドロに絡んでしまう事故もあって、水槽内の悪役的な存在!
一回生えてくると、水を換えても擦り落としてもイタチごっこ。
全く収まる気配がなくて嫌になりますよね。
みなさまも「アオミドロ」にお困りではありませんか?
日差しが強くなる夏に向けて、徐々に存在感を増してくる厄介な存在が「アオミドロ」ですよね。
「アオミドロ」は、水槽の壁面に生えていることに気が付いて、慌てて擦り落として水換えをしても、一度発生するとあっという間に広がっていくので、頭を悩ませる存在です。
水槽での横見飼育も、ガラス面に「アオミドロ」が付くと本当に見栄えが悪いですよね。
みなさまも、毎年夏場にアオミドロに悩まされていませんか?
今回はそんな厄介な「アオミドロ」の対策について解説をしていきたいと思います。
アオミドロの発生原因と駆除方法について
「アオミドロ」の発生は、メダカの飼育水が汚れて「栄養過多」になっているサインかもしれません。
飼育水槽の「栄養過多」の対策は「アオミドロ」の予防にも直結しています。
※「栄養過多」の詳細は中盤で説明しています。
窒素やリンなどコケや藻の栄養源について
見えにくいですが、上の画像のウィローモスに薄っすらと纏わりついているのがアオミドロです。
ちなみにアオミドロに限らず、コケや藻が好む栄養素は「窒素」や「リン」などです。
「窒素」はアンモニアが分解されると増える「硝酸塩」に含まれていて、「リン」は「餌」や「ph調整剤」、「水草用の肥料」などに含まれてます。
つまり、飼育水の汚れは、そもままアオミドロの養分になります。
また、植物の成長に太陽の光が欠かせません。
でも、過剰な日光は「コケ」の大繁殖の原因になります!
ですから、特に夏場の日差しが強い時期は、水温管理を含めて日除けなどの日当たりの調整が大切になります。
「窒素」「リン」「カリ」は植物の3大栄養素であり、植物の成長に最も重要で、大量に必要とされる成分です。
ですから、飼育水に「窒素」や「リン」が増えると、水草だけでなく「コケ」類の栄養源にもなり、「栄養過多」が「アオミドロ」の発生を助長するのもご理解いただけると思います。
その他、「ph調整剤」の中には「リン酸」を含むものがあるので、普段から添加剤を使用している方も注意が必要です。
また、植物の成長には日光が必要です。
ですから、日当たりが良すぎる環境も「アオミドロ」の発生原因になります。
「リン酸除去剤」について
飼育水がグリーンウォーターにならなくても良い方は、市販の「リン酸除去剤」を添加することで「アオミドロ」の発生を予防することができます。
「リン酸除去剤」を使用すると、植物にも悪影響が出ますので、水草水槽での使用は控えてください!
※「リン酸除去剤」は植物の成長を阻害する薬品ですので、水草を育てている方は使用を控えてください。
文中にでてきた「グリーンウォーター」にご興味がある方は、以下の記事をご参照ください。
グリーンウォーターの必要性や作り方について、詳細に解説をしています。
水質悪化時に起きる飼育水の「富栄養化」とは
前述しましたが、「アオミドロ」が発生する環境は、水が「栄養過多」になっている可能性があります。
水が「栄養過多」になることを、「富栄養化」と言います。
「富栄養化」は、水草を栽培しない場合、デメリットしかありませんので、早急な対策と改善が必要です。
「富栄養化」の解消方法について
「富栄養化」って聞くと、その響きがなんだか難しそうですが、対策は特に難しいことはありません。
簡単に言えば、「栄養過多」は「水槽内を掃除」して「水を換えてあげる」ことで改善できます。
大切なポイントは水槽の掃除をする際に、水底に貯まった「糞」や「汚泥」をしっかり取り除くことです。
特に水底に「砂利」や「赤玉土」など底砂を敷いてらっしゃる方は、「砂利」の中に溜まった「糞」や「食べ残し」を綺麗に掃除してください。
そうしなければ、貯まった汚れが水槽内に溶けだして、せっかく水換えをしたのに「栄養過多」に戻ってしまう原因になります。
大変ですけど、掃除する時には徹底して掃除をしてあげましょう!
頻繁で大規模な「掃除」や「水換え」は、メダカにとってもphや環境変化の負担が大きくなる行為です。
可能な方は、大掃除をするよりも、新しい水槽を準備して、新しい水に今までの水槽の水を半分混ぜて、優しく水合わせをしながら引っ越す方法が安心です。
優しい水合わせとは、画像のように浮かせて温度を同じにしたり、点滴式の水合わせで優しく水を混ぜたりします。
水合わせに興味がある方は、以下の記事もご参照ください!
アオミドロを増やさないための「富栄養化」の予防と対策について
「アオミドロ」の予防とメダカの健康のために、以下の「栄養過多」を避ける飼育を心掛けてください!
いくら餌を欲しがっていても与え過ぎは禁物
水温が上がるとメダカたちが「餌」を欲しがるので、ついつい「餌」をたくさんあげたくなる気持ちはわかります。
ですが、「餌」の食べ残しは、底に沈んで腐って水を汚すので、餌の与え過ぎは禁物です。
メダカを含め淡水魚の飼育で誤解されがちなことですが、飼育に必要な「餌」の量は意外に少ないです。
「稚魚」や成長期で色揚げやヒレを伸ばしている最中の「若魚」、産卵をさせている「種親」などは、十分な栄養が必要なので、何度も餌を与える必要があります。
しかし、それ以外の一般のメダカについては、1日1回~2回の2~3分で食べきれる量の餌をあげるだけで大丈夫です。
過剰な「餌」は食べ残されて水底に沈殿し、水を汚す原因になるので注意が必要です。
特に、水槽の底砂に砂利や赤玉土を敷いていらっしゃる方は、沈んだ餌が砂利に潜って見落としがちになるので、一層注意が必要です。
餌の量を増やす場合は与える回数で調整が基本
どうしてもメダカの痩せすぎが気になるようでしたら、一回当たりの量は増やさずに、与える回数を2回、3回と増やして対策してください。
一回あたりの量が増えると食べ残しのリスクが上がるので、必ず回数で調整してください。
また、弱くて餌の争いに負けてしまうメダカのために、多めに餌を与えてしまう方もいるようです。
しかし、弱いメダカのために食べ残しのリスクを負うのは危険です。
ですから、餌の争いに負けて痩せてしまうようなメダカがいたら、餌を増やすのではなく、弱いメダカを隔離するようにしてあげてください。
過密にしないための適正な飼育数の目安について
一般にメダカは飼育水1リットルに1匹と言われていますが、それは最低限の話です。
どうしても「アオミドロ」が生えてしまう場合は、飼育水2リットル以上にメダカ1匹を心掛けてあげると「栄養過多」の予防になり、水質悪化を低減させ、より健康的にメダカ育てることができます。
飼育している容器の水量が不明な場合は、飼育容器に2リットルペットボトルで水を注いで、注いだ本数と同数~2倍のメダカを飼育すると適切な水量になり安心です。
水草とメダカを共生させて植物に過剰な栄養分を吸収させると効果的
水草は余分な栄養(窒素・リン)を吸収してくれるので、水底に植えなくても大丈夫な、「マツモ」や「アナカリス」を水槽に入れておくと、手間が掛からずに安心です。
飼育水が「グリーンウォーター」になるだけでも、植物プランクトンが栄養を吸収してくれるので、「アオミドロ」対策に効果があります。
浮草の使用が、一番簡単かもしれませんね。
過剰な日光はコケや藻の原因になるので注意
日当たりが良すぎると、植物だけでなく「コケ」類も成長しやすくなります。
急に「コケ」が繁殖しだしたら、しっかり日除けをしてあげることも大切な対策ですよ!
梅雨が明けて、サンサンと太陽が当たるようになると、メダカにもしっかり日光浴をさせてあげたくなりますよね。
しかし、夏場は水温対策と「コケ」類の繁殖防止のために、遮光が大切です。
特に、夏場の午後の西日は強烈ですから、しっかりとした日差し対策が必要になります。
夏の日除け方法については、以下の記事をご参照ください。
混同されやすい藍藻(シアノバクテリア)との違いについて
「アオミドロ」と対をなす水槽内の嫌われ者、「藍藻」の対策方法は以下のリンクからご覧いただけます。
アオミドロも藍藻も、本当に見た目が悪くなるので嫌ですね。
最後に
アオミドロ対策は①栄養過多の防止と②適切な日除けが肝心です。
ここまで「アオミドロ」の対策について書いてきましたがいかがでしたか?
私の経験ですが、「栄養過多」の解消は当然として、やっぱり日当たりが良い場所の水槽が「アオミドロ」に侵略される場合が多いように感じます。
ですから、全ての水槽を日除けすることが難しい場合には、特に日当たりが良い水槽から優先に遮光をしてあげるだけでも「アオミドロ」の予防になると思います。
水槽がモサモサになる前に対策をしてあげてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
この記事が、みなさまのお役に立てると嬉しいです。