みなさまは、メダカのタンクメイト(混泳・コケ取り)にピッタリな「ミナミヌマエビ」をご存じですか?
「ミナミヌマエビ」の他にも「ヌマエビ」には様々な種類がいますが、簡単に採取ができて、水槽で手軽に繁殖できるのが「ミナミヌマエビ」の魅力です!
「ミナミヌマエビ」以外の「ヌマエビ」は、汽水域(海の近くでやや塩分がある場所)で子供時代を過ごすので、水槽では大人まで育つことができません。
コケ取りでメジャーな「ヤマトヌマエビ」も、抱卵はしても上記の理由で水槽内で繁殖させることができません。
みなさまは「ミナミヌマエビ」をご存じですか?
日本で採取できる「ヌマエビ」には、「ミナミヌマエビ」以外に「ヤマトヌマエビ」や「ヌカエビ」など様々な種類がいます。
しかし、私が知る限り近所の河川で採取が可能で、水槽内で簡単に繁殖できるのは「ミナミヌマエビ」だけで、そこが「ミナミヌマエビ」の魅力になっています。
今回は、メダカのタンクメイトにピッタリなミナミヌマエビの採取と飼い方について解説をさせていただきます。
ミナミヌマエビの採集場所とシーズン・採取方法など
乱獲の原因になるので、具体的な採取場所は話せませんので、大まかな地域だけお話しします。
ミナミヌマエビは日本中の様々な河川に生息しています。
ただし、ネット上には東北以北の冬に寒くなる地域は生息していないと書かれています。
私の経験では、流れが穏やかな小川や、一見して流れが速い川でも、比較的流れが緩い場所などで採取でき、春先から秋口まで獲れますが、蜂や蛇などが少ない春先が安全だと思います。
また、沼や用水路などでも採取が可能です。
屋外のビオトープでも育てていますが、数回氷が張った年でも、全滅せず生き残っているので、よほど寒い場所でなければ採取可能だと思います。
私は福岡や長崎にしか住んだことがないので、北部九州地域で採取できることしか確認できていません。
ただ、ネットの情報を見る限りは、関東から西の地域であれば採取可能のようです。
補足ですが、一般的にミナミヌマエビは5℃~30℃の水温で生存可能と言われています。
肉食のエビの混入に注意してください
河川で採取する場合は、肉食の「スジエビ」や「手長エビ」、「ザリガニ」などの混入リスクがありますので注意してください。
基本的に腕(ハサミ)が長いエビは肉食なので、よく観察して紛れ込まないようにしてください。
ミナミヌマエビでは腕が見えにくかったので、チェリーシュリンプの写真を載せています。
メダカと混泳できるのは、こんな風に腕が短い「草食」のエビたちです。
この画像は大型種の「手長エビ」です。
手が長いエビは、ほぼ肉食と思って間違いないです。
基本的に肉食のエビは手が長いので、小さくてもこんな感じのシルエットのエビがいたら、メダカとの混泳は避けてください。
メダカと混泳しないのでしたら、肉食の「スジエビ」も飼育が楽しめます。
ミナミヌマエビの採取場所のイメージ
このような町中の公園でも採取できる場所はあります。
散歩がてら色々探してみてください。
採取場所を公開すると乱獲の原因になるので、採取場所がわかるような写真の公開は控えますが、こんな感じの沼や川で採取できます。
ミナミヌマエビの採取方法
先程の写真のように、大きな岩の岩肌などを網でガサガサすると、「ミナミヌマエビ」が採取できます。
また、「ミナミヌマエビ」は集団で生息しているので、一匹見つけることができれば、同じ場所で数十匹は採取可能です。
大きな石や、岸壁などを丹念にガサガサしてみてください。
意外に簡単に見つけることができます。
こんな感じで、大きな岩を一個一個ガサガサしてみてください。
網は高価なものでなくて普通の虫取り網で大丈夫です。
私は、平坦な川底を探りやすいように、わざと先端をつぶして使用しています。
川で採取することが難しい方は、ネットで購入することもできます。
大型のヤマトヌマエビは、水槽内での繁殖ができませんが、寿命が3年以上と長い上に、苔取り能力は最強です。
巻貝のメリットと採取に興味がある方は以下の記事もご参照ください。
ミナミヌマエビを採取してきたら行う事
無事に採取してきたら、肉食のエビや昆虫などが混入していないかを確認して、問題がなければ水合わせをしていきましょう。
ミナミヌマエビの水合わせについて
エビ類はメダカ以上にph変化に弱いので、以下の画像のイメージを参考に、優しく水合わせをしてあげてください。
こんな感じで100均のコンテナに穴をあけたものでも、点滴式の容器風に水合わせをすることができます。
ご活用してみてください。
以下に、点滴式水合わせ容器の手作り方法を載せておきます。
手作りが苦手な方はこのような道具をご活用ください。
ミナミヌマエビの飼育環境について
私のヌマエビ用の水槽はこんな感じです。
「ミナミヌマエビ」は水が古い方が調子が良いので、変にコケなどを触らずに、殆どノーメンテナンスで運用しています。
日本の河川で生きているヌマエビは、岩などから染み出すミネラル分の影響で、phが弱アルカリ性の環境で生きています。
ですから、底砂を砂利にして水質を弱アルカリ性に保つ方が調子が良いと思います。
「ミナミヌマエビ」はph変化に敏感なので、あまり水換えをしない方が調子が上がってきます。
水換えの代わりに、濾材になる砂利などの底砂や、濾過効果のある装飾品を入れてあげると、水槽の水の安定性が高くなります。
ミナミヌマエビの飼い方について
ここからは具体的な飼育方法を解説していきます。
先ほども申しましたが、「ミナミヌマエビ」は水換えによるph変化が苦手です。
ですから、基本的に水換えをしない飼育が主になります。
ミナミヌマエビの水換えについて
ヌマエビの飼育は水換えが肝心です。
換水が苦手といっても、水槽内に濾過に必要なバクテリアが増えて、水質が安定するまでは水換えが必要です。
最初の1ケ月は週に一回を目安に1/5程度の水換えをしてあげてください。
その際も、水合わせのところで書いたように、点滴法を用いた優しい注水を心掛けて、エビがphショックを受けないように配慮してあげてください。
可能であれば、メダカ同様にバクテリア剤を使ってあげると、水槽の立ち上がりが早くなるので安心です。
足し水する水は、前日から汲み置いて、水槽の水と足し水用の水が同じ水温なるようにしてください。
また、エビ類にとってカルキはとても危険なので、時間を掛けて汲みおいてカルキを抜くか、市販のカルキ抜き剤を使用してください。
導入後2か月くらい経過して、エビが元気に餌を食べているようでしたら、以降は蒸発分を足し水する程度で大丈夫です。
大切なことは、水を汚さないために、餌が過剰にならないこと。
その意味でも、ウイローモスやマツ藻など、餌になる植物を入れてあげて、固形の餌を少なめにする方が安定すると思います。
また、植物は稚エビの隠れ家にもなるので、入れておいて損はないと思います。
エビは水草に付く農薬で死んでしまうことがあるので、水草を買う時には必ず無農薬を確認するようにしてください。
私はメダカを含めて、カルキ抜きにアクアリウム用の浄水器を使用しています。
いくつも水槽を使う方は、貯め水をするよりも、浄水器を使う方が簡単です。
ヌマエビに最適な濾過フィルターについて
濾過フィルターは高価なものでなくて、このようなスポンジフィルターで大丈夫です。
メダカもヌマエビも強い水流が苦手なので、エアレーションの酸素の流量は弱めにしてあげてください。
余裕がある方は、底面濾過のフィルターを併用してあげると、一層水質が安定します。
ヌマエビの餌について
餌はヌマエビ用の餌があります。
その他、「レッドビーシュリンプ」用の餌なども喜んで食べますよ。
「ミナミヌマエビ」は水槽の内の苔を食べてくれます。
とはいえ、コケだけでは安定的に食べ物を供給できないので、ヌマエビ用の餌を与えてください。
その他、レッドビーシュリンプと同様に「ウィローモス」なども喜んで食べます。
メダカの水槽で「ウィローモス」を使ってらっしゃる方は、餌にも隠れ家にもなる「ウィローモス」はおすすめですよ。
寒い時期のヒーターの使用について
「ミナミヌマエビ」は年中室温で問題ありません。
冬に繁殖をする予定がなければヒーターは不要です。
ヌマエビの繁殖について
すごくザッとした説明で恐縮ですが、「ミナミヌマエビ」は環境が合えば水槽内でドンドン増えてくれます。
もし、抱卵がはじまらない場合は、水質に問題がある可能性があります。
ヌマエビに限りませんが、繁殖がうまくいかない時は、水質が悪いケースが多いように思います。
ヌマエビはph変化が苦手なので、やみくもに水換えをするのもおすすめできません。
可能であれば、検査薬をつかってしっかりアンモニアの検査をする方が安心です。
アンモニア検査ができない場合は、最初の半月から1カ月の間、週に1回を目安に1/5の水換えを行ってみてください。
最後に
ここまで「ミナミヌマエビ」の採取と飼育について書かせていただきましたがいかがでしたか?
エビって飼育してみると意外に可愛い生き物で、私は「ミナミヌマエビ」からエビ飼育の沼にハマって、今では「チェリーシュリンプ」や「レッドビーシュリンプ」も飼育しています。
「ミナミヌマエビ」はメダカのコケ取りにも有効ですので、ぜひチャレンジしてみてください。
この記事が、みなさまのお役に立てると嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。