みなさまは、メダカと一緒に巻き貝を飼育している水槽を見たことがありますか?
巻貝との混泳は、メダカを飼育していると割と見かけるポピュラーな風景ですよね!
貝の種類は、イシマキガイだったりヒメタニシやレッドラムズホーンだったり様々。
でも、それって勝手にメダカ水槽の中に巻貝が住み着いたのでしょうか?
それとも意図的にメダカと巻貝を飼育しているのでしょうか?
メダカ初心者の方であれば、そんな疑問を持たれたことはありませんか。
メダカと巻き配を一緒に飼うと何かメリットがあるのでしょうか?
水槽の見た目とか雰囲気の問題なのでしょうか?
今回は、メダカと巻貝を共生させるメリットや採取方法について解説をさせていただきます。
みなさまは、メダカの水槽の中で巻貝が混泳している水槽を見たことがありますか?
巻貝が勝手に住み着いたのでしょうか?
実は、メダカと巻貝を共生(混泳)させると様々なメリットがあります。
そこで今回は、メダカと巻貝を共生(混泳)させるメリットと注意点、そして実際の採取の方法や種類などに付いて解説させていただきます。
メダカとイシマキガイやヒメタニシなどの淡水巻貝を混泳させるメリットとは
巻貝とメダカを混泳させるメリットで、最初に思い浮かぶのは、水槽内の掃除など水の清浄化の効果です。
イシマキガイやヒメタニシなどの巻貝は、メダカの水槽の中に発生する
①メダカの糞や餌の食べ残し
②プランクトンなどの死骸
③アオミドロや藍藻、茶苔などの苔類全般
を食べて水槽内をお掃除してくれます。
そのため、巻貝を共生させておくことで、水質悪化を軽減させる効果が期待できます。
しかもヒメタニシなど一部の巻貝は・・・
ヒメタニシなど一部の巻貝は、単純に水槽の底に沈んでいるメダカが食べ残した餌を食べるだけでなく、水中に漂っている有機物(糞や餌が溶けだしたもの)を、水ごと吸い込んで浄化特徴があるので、高い水の浄化効果が期待できます。
ヒメタニシをメダカと混泳させて飼育すると、必要以上に水槽内のグリーンウォーターが濃くなることを抑制する効果もあります。
その他、プランクトンなど微生物の死骸も食べてくれるので、大雨のあとにグリーンウォーター内の植物プランクトンが死んで沈殿し、腐って水を汚すトラブルの軽減にも役立ちます。
大雨のあとに、水質変化のショックで死んでしまった植物プランクトンの死骸は、凄く水を汚すので危険なんです。
それを掃除してくれるって頼もしいですよね!
イシマキガイやヒメタニシは、雨が多い梅雨時期には欠かせない存在と言えそうですよね!
雨による水質悪化については、以下の記事にまとめています。
その他、メダカの水槽の壁面についた苔や余分な水草を食べてくれるので、壁面の苔の抑制に役立ちます。
短期的にはメダカの餌の食べ残しのお掃除よりも、苔を食べてくれる能力の方が、見た目に効果が体感しやすいと思います。
特にガラスやアクリルの水槽でメダカを飼育している場合、ガラス面に苔が生えてくると一気に水槽の見た目が悪くなるので、水槽飼育では巻貝がいるのといないのでは大きな違いが出ます。
ただし、ロボット掃除機みたいに隅から隅まで綺麗にしてくれるワケではないので、定期的な苔の掃除は必要です!
メダカと巻貝を混泳飼育していれば苔の手入れが不要とまではいかないので、苔を増やさないための飼い方に注意してください。
イシマキガイやヒメタニシが対応できる苔の種類
イシマキガイやヒメタニシはガラスや壁面につく茶苔や点状の苔だけでなく、水槽の大敵である藍藻やアオミドロまで食べてくれます。
ですから、巻貝を共生させておくと、メダカの飼育環境にもよりますが、ずいぶん水槽内の苔の掃除が楽になると思います。
いくら巻貝を入れてメダカを飼育していても、日当たりが良すぎたり、水槽の水換えが不足すると苔は増えてしまいます。
貝を入れているからと言って、日々のメンテナンスを怠ってはいけません!
貝類に適した水質・phについて
巻貝は貝殻が酸に侵されるので、基本的に酸性の水質が苦手です。
必ずしも必須ではありませんが、可能な範囲でアルカリ性に保つようにしてあげてください
水槽内の水のph(ペーハー)はこのような試薬で検査できます。
phをアルカリ性に保ちたいときには、牡蠣殻(かきがら)の添加が最適です。
巻貝の餌と餓死について
巻貝は水槽内の苔や食べ残し、糞などを餌にすることはご説明しました。
ですから、逆に掃除が行き届いた飼育環境では餌不足で餓死することもあります。
だからと言って、貝のために餌を多めに入れるなどの対策はしないでください。
過剰な餌は水質悪化の原因になり、メダカにとっても巻貝にとっても害にしかなりません。
ですから、水槽が綺麗で貝の餌不足が懸念される場合は、定期的に貝を間引いてあげるなどの対応をしてあげてください。
また、貝類は水槽内の水草を食べますので、底に植える必要がないマツモなどの水草を入れてあげると、貝の非常食の効果が期待できます。
日本の河川で採取できる巻貝でメダカとの混泳飼育におすすめの巻貝とは
ここからは具体的な巻貝の種類についてご説明します。
参考ですが、以下のリンクからミナミヌマエビの採取の記事をご覧いただけます。
ミナミヌマエビにご興味がある方は、この記事を覗いてみてください。
ヒメタニシ
最初に紹介するのは、水に含まれる汚れもお掃除してくれる頼もしい存在、ヒメタニシです。
ヒメタニシは夜行性の貝で、大きくなっても親指大くらいです。
寿命は2年くらいですが、環境が良ければ4年くらい生きることもあるようです。
私は自分のところで繁殖を繰り返しているので、寿命は確認できていません。
日本で採取できる巻貝は、年中屋外で飼育できます。
ですから、ビオトープや屋外のすぃいく水槽でも、気温を気にせず混泳できるので、日本の巻貝が安心です。
ただし、夏の閉鎖的な水槽の水温は高くなりがちなので、日本の巻貝であっても、夏の暑さには注意が必要です。
冒頭でも書きましたが、ヒメタニシは汚れた水を吸って、水中の余分な有機物も食べてくれます。
ですから、ヒメタニシは貝類の中でも水質浄化の能力が高い貝と言えます。
その他、水底に溜まった糞や食べ残しの餌、死骸、水草の破片なども食べてくれるので、水槽内を綺麗にしてくれるスペシャリストと言えます。
ヒメタニシの注意点
最強の水槽の掃除屋ヒメタニシにも欠点があります。
ヒメタニシは水槽内で繁殖が可能な巻貝で、卵ではなく直接稚貝を産みます。
そのため放置しておくと、一回の出産で3匹ほど増えて、数が多いと水槽内でドンドン増えていきます。
スネール(水槽でいつの間にか増える小型の巻貝)のように爆発的には増えませんが、それでも一定のペースで増えてしまうので対策が必要です。
当然、ヒメタニシも糞をしますので、増え過ぎたヒメタニシは、逆に水質悪化の原因になります。
ヒメタニシは、高すぎる水温に弱いので、注意が必要です。
室内の暑さ対策には、このような冷却ファンがあると安心です。
ヒメタニシは低水温には強く、水温が5℃程度まで下がっても生存が可能です。
私の経験では、短期間であれば氷が張るような水温でも、生き残ることもできています。
とは言え、冬場の低水温の環境では、殻にこもって冬眠のような状態になります。
逆に30℃を超えるような高い水温には弱いので、夏場の屋外や、体外光を伸ばすための加温飼育の際は注意が必要です。
夏場は、すだれや波板を使って遮光するなどの陽射し対策をしてあげてください。
ヒメタニシは凄く増えるので、最初は少ない数を導入して、増えてきたら定期的に間引く必要があります。
水槽内で繁殖できる巻貝を導入すると、水槽をリセットをする以外に、完全に取り除くことが困難になるので、導入前には十分に検討をする必要があります。
番外編 キラースネール
もし、貝が増え過ぎて困った時には、貝を食べてくれる貝もいます。
特に、必要のない貝が増えてしまった場合は、キラースネールが役に立つと思います。
タニシの類は、水の外を移動することがあります。
水槽に蓋がないと脱走することもあるので、注意が必要です。
イシマキガイ
イシマキガイも日本の河川でポピュラーな巻貝です。
先に答えを言うと、イシマキガイは水の浄化能力ではヒメタニシに劣りますが、卵を産んでも水槽内で繁殖できず、数が増え過ぎないことが魅力です。
苔取りの能力は高いのでご安心ください。
イシマキガイは、大きくなっても2cmくらいで、ヒメタニシよりは一回り小型の貝になります。
また、貝の頂点付近が欠けることが多いので、他の貝との区別がしやすいと思います。
イシマキガイは、ヒメタニシのように水ごと汚れを取り込んで浄化することはできません。
ですから、基本的に水底に沈んでいる糞や食べ残しと、苔の除去が役目になります。
苔を食べる能力は、ヒメタニシにも劣りませんのでご安心ください。
水の浄化能力なら、直接水を取り込んで有機物を濾しとるヒメタニシの勝ちってことね!
ただし、苔取り能力だけでみると、イシマキガイも負けていません!
イシマキガイは、河川を降って海の近くの汽水域(若干塩分があるエリア)で産卵・孵化する習性のため、真水の水槽では産卵をしても孵化することはありません。
そのため、ヒメタニシのように水槽内で増え過ぎて困るといったトラブルは皆無です。
ただし、汽水域を生息エリアにする貝なので、完全な真水の環境では、寿命が短くなりがちといわれています。
イシマキガイの注意点
イシマキガイは、水槽内での寿命が1年程度と短い上に、真水で繁殖ができないため自然に減って行きます。
ですから、数が減ったら定期的に補充してあげる必要があります。
※自然環境では10年くらい生きるとも言われているようですが、真水では寿命が短くなるようです。
また、卵が孵化しないといっても、水槽の壁面に卵を産み付けるため、卵が水槽の景観を悪化させるデメリットがあります。
壁面に卵を産み付ける習性があるので、アクリル水槽は卵を取り除くときに傷を付ける可能性があります。
ですから、イシマキガイはガラス水槽での飼育をおススメします。
もし、卵が付いてしまったら、以下のようなスクレーパーや三角定規などでこそぎ落としてください。
イシマキガイは、タニシと違って水槽の外に逃げ出す心配はありません。
その他、イシマキガイはヒメタニシに比べて弱いという欠点があります。
壁面についている貝は安心ですが、水底に降りて全く動かないような貝は、死んでいる可能性があります。
そのまま放置すると、腐って水を汚してしまうので、数日様子を見ても動きがない貝は、水槽から取り出すようにしてください。
イシマキガイも適正な水温はヒメタニシと同じようです。
ただ一般的に、川の流れが速い水域に住むイシマキガイの方が、高い水温に弱いと言われています。
ヒメタニシとイシマキガイのまとめ
ヒメタニシは、水を直接浄化するので、他の貝に比べて水質改善の効果が高い反面、水槽内で繁殖して増え過ぎるデメリットがある。
また、水槽から逃げ出してしまう習性がある。
イシマキガイは、水槽内で増えることがないので、定期的に間引く必要はないが、ガラス面に卵を産み付けるデメリットがある。
また、ヒメタニシに比べて弱く、真水での寿命が短い。
ヒメタニシもイシマキガイも良いとこ悪いとこがあるのね!
近所の河川で巻貝を採取する方法
ヒメタニシは、田んぼや池、川、用水路など真水のエリアに生息しています。
私の経験では、水の流れが緩やかな場所、水の流れが止まって淀んでいる場所で見かけることが多いです。
イシマキガイは、割と海に近い川の下流付近で見かけることが多いです。
コンクリートの堤防や、川底の石や岩などに付いているので、すぐにわかると思います。
基本的にイシマキガイもヒメタニシも、石や岩、壁面についているので、丹念に探してあげると、すぐに見つかると思います。
採取後の対応
基本的に貝類は魚よりも酸欠に強いので、バケツに水を入れておくだけで、エアレーションなしでも大丈夫です。
とは言え、高水温や水質の悪化は負担が大きいので、できるだけ速やかに飼育水槽に移してあげるようにしてあげてください。
何もいないように見える川の水にも、色々な生物や植物の卵や幼生が紛れています。
可能な限り、河川の水を水槽に混ぜるのは避けた方が安心です。
イシマキガイが採取できるエリアは汽水域が多く、水に若干の塩分が含まれている場合があります。
ですから、海に近いエリアで採取した場合は、しっかりと水合わせをする方が安心です。
水槽の掃除には、レッドラムズホーンも効果的です。
見た目も綺麗ですし、餌の食べ残しが気になる時には、導入を検討してみてください
最後に
今回は、メダカと巻貝を混泳させるメリットと注意点について解説させていただきましたが、いかがでしたか?
貝類は、メダカや針子を食べてしまう不安がなく、水底の餌の食べ残しや糞を食べて、水質を綺麗に保つ効果があるので、メダカ飼育に最適な同居人と言えます。
特に、死んでしまったプランクトンも食べてくれるので、環境変化が大きい屋外飼育でも、その効果は期待ができます。
個人的には、巻貝には増え過ぎるなどのデメリットもありますが、水質浄化のメリットの方が大きいので、メダカのタンクメイトにおススメです。
この記事が、みなさんまのお役に立てると嬉しいです。
最後までご覧いただいて、ありがとうございました。
最近、髪を短くした私です!