
皆さまは、水槽の低床材やろ材にどのような素材を選択されていますか?
赤玉土など園芸用土?砂利?ソイル?市販のリングろ材?
ざっと並べただけでも選択肢はたくさんありますよね。
いったい何を使うのがベターなんでしょうか?
今回は、単純なようで意外に悩ましい、低床ろ材の選択について詳しく解説をさせていただきます。
ろ材にバクテリアを定着させて水を浄化する「生物ろ過」。
メダカを安全に健康に飼育するためには、ぜひ活用したい水質維持方法のひとつですね。
ところで、バクテリアを定着させる低床ろ材として一般的なのは園芸用の赤玉土ですが、その他の軽石や日向ボラ土など様々な園芸用土は、低床ろ材として使えないのでしょうか?
今回は、園芸用土のろ材活用について、各用土ごとに比較説明をさせていただきます。
※この記事内での低床ろ材には、ザルなどを用いて飼育容器内にろ材を設置することも含んでおります。

私が書いているろ過バクテリアの記事です。
バクテリアについて興味がある方は、こちらもご参照ください。

一般的なメダカの飼育方法はこちらがおススメです。
【STEP1】底床ろ材の素材は何がいいの?

著名なブリーダーさんだけでなく一般の愛好家さんも広く使っている、最もポピュラーな素材が赤玉土です。
赤玉土は硬質赤玉土の方が使いやすいと思います。
その他の各用土についても、以下で説明していきますのでご覧ください。
私が知る限り、赤玉土の他に軽石(含む日向ボラ土)、砂利、ソイルなど多孔質の土や石などがろ材に使うことができる素材です。

メダカは弱酸性~弱アルカリ性の水質で飼育が可能です。
でも、私の経験上はメダカは弱アルカリ性の水質を好むので、水質を弱アルカリ性に変える素材を使用した方がメダカの健康のためには良いようです。
ただ、なかなか弱アルカリ性の素材で、安価かつ処分が容易な物がないのため、弱酸性の赤玉土に水質を弱アルカリ性に変える牡蠣殻を添加して使用している方が多いです。

些細なことですがph管理はメダカ飼育で重要です。
phについて詳細が知りたい方は以下の記事をご参照ください。

ここからは、各用土についてご説明させていただきます。
赤玉土

赤玉土は園芸店でも基本用土として販売されていますので、入手が簡単でコストパフォーマンスが良い素材です。
最もポピュラーなメダカの低床ろ材と言えます。
赤玉土には一般のものと硬く焼き入れをしているものがありますが、私は焼き入れをしているもの(硬質)をおすすめしています。
・肥料分が少なく無菌で安心
・価格が安い
・弱酸性(ph5~6程度)
・素材が土なので交換時の処分が容易
赤玉土のメリットは処分が容易なこと
赤玉土の特徴の中で、メリットでありデメリットでもあるのが、長く使用すると粒が崩れて土に戻ってしまうことです。
つまり、長期間使用して赤玉土が潰れて粒状を維持できなくなると、ろ材としての効果を発揮できなくなるために、新しいものと交換する必要があります。
ただ、素材が土ですから、ご家庭の庭などに簡単にまくことができるので使用後の処分が容易なことが赤玉土の魅力です。

こういった形で、赤玉土のろ過装置を手作りしてみましたが、筒の中にエアを入れると激しく攪拌されて、赤玉土が一気に砕けてしまった経験があります。
こういう使用はボラ土や軽石向けです。
軽石(日向ボラ土含む)
私がよく使うのが軽石(日向ボラ土)です。
硬くて粒が崩れないので、容器の中で強めにエアをかけても潰れず丈夫なところが魅力の素材です。
肥料分が少なく無菌
日向ボラ土は価格が安い(軽石は少し高価)
購入前にphのチェックは必要
硬くて崩れないので繰り返し使える
水に浮くものもあるので選別が必要
日向ボラ土は粒の色がバラバラで、見た目の好みがわかれる

メダカに使用できるのは弱酸性から弱酸性の範囲なので、購入前に用土のphのチェックが必要です。
メダカはph6.5~7.5を好むので、ph6は若干酸性が強いかもしれないですね。
私が使用する時は牡蠣殻を少量混ぜて使用しています。



この要領で素材のphを確認してください。
軽石のメリットは硬くて崩れないので繰り返し使える
硬くて粒が崩れないことが、軽石の最大の魅力でありデメリットでもあります。
形が潰れず繰り返し使えることはすごく便利なのですが、軽石はその分処分が困ります。
私は使わなくなっても園芸で鉢底の素材として使うので問題はないですが、ご家庭では石なので処分が大変です。
そう言った意味で赤玉土と真逆の素材と言えます。
軽石のデメリットは水に浮くものもあるので選別が必要 なことです
最大のデメリットですが、軽石は結構水に浮きます。
ですから、最初に水にさらして水に浮く石を選別する手間が必要になります。
私は水に浮いてしまう軽石は園芸の鉢底に使うので無駄はありませんが、ここもメダカだけ飼育されてる方にとってはデメリットだと思います。

私の飼育環境ですが、白い箱の中身とウォーターマッシュルームの鉢の中は日向ボラ土です。


室内の飼育容器はこのような感じです。
鉢の中の日向ボラ土が入っていますし、素焼きの鉢も多孔質の素材ですからろ材として効果があります。
ソイル

熱帯魚を飼育している方には定番の低床材です。
定番ですので詳しく書きませんが、今まで紹介した中でダントツに高価なことがデメリットだと思います。
たくさんの飼育容器を使用するブリーダーさんが、低床にソイルを使ったら大変な金額になってしまいます。
種類にもよりますが、ADAのアマゾニアなど一般的に栄養系と呼ばれるソイルは、水槽内で水草を育てるために栄養分を多く含んでいるため、植物を栽培しない水槽であれば栄養分が多すぎて、水質悪化やコケの増加にが懸念されます。
もし、ソイルを選択される場合は吸着系のソイルをご選択ください。

水草も同時に楽しむ場合は、ソイルがベストの選択だと思います。
JUNプラチナソイルは、吸着系ソイルの定番で、ソイルを使用する予定の方へおすすめです。
砂利

砂利は小さな石の総称です。
砂利の殆どが、石のほかにサンゴや貝の破片など、カルシウム分を多く含んでいるので、水質を弱アルカリ性に変えるものが多いです。
アクアショップで川魚用を購入されると問題ないと思いますがソイルと同様に高価です。
DIYショップの資材コーナーで砂利を購入する方法もありますが、素材も様々で塩分など含むものありますので、選択には注意が必要です。
アクア専用の砂利の方が、角が丸くて魚が怪我しにくく成分も保証されているので、安心してお使いいただけると思います。

砂利は、今回私が紹介した低床材の中で、唯一水質をメダカが好きなアルカリ性にできることが最大の魅力です。
逆に、高価で軽石同様繰り返し使える代わりに、処分に困ることがデメリットです。
【STEP2】低床ろ材にキチンとバクテリアを定着させることが大切!

ここまで低床ろ材について説明をしてきましたが、大切なことはバクテリアをキチンと定着させて増やすことです。

空気中に微量ですがバクテリアは浮遊していて、飼育水を数週間から数カ月(一部換水しながら)使い続けることで、水に入り込んだバクテリアは1日に2%ずつ増加して次第に必要な量まで増えてくれます。
【STEP5】バクテリア剤について

市販のバクテリア剤を使用すると、安定してろ過バクテリアを定着させることができます。
飼育が楽になるので初心者の方ほどおすすめです!詳細は以下の記事をご覧ください。
【STEP6】ろ過バクテリア飼育は屋内飼育では推奨しません

ここまで低床ろ材とバクテリアろ過の大切さを説明してきましたが、実は室内飼育ではあまり推奨していません。
室内は日光が当たらないため、屋外に比べてバクテリア繁殖が進まない印象を持っています。
熱帯魚は室内で生物ろ過で無事に生きているじゃないかというご意見もあると思いますが、熱帯魚は大型のろ過槽を持ったフィルターを使うから可能なのだと思います。
メダカは水流を苦手とするので、ろ過器を設置してもほとんど水流を出せません。
つまり、ろ過の効果が限定的というか、ろ過不足に陥ることが多いです。

室内飼育環境では、ろ過バクテリアを添加しながら、まめな水替えで水質を維持する方法をおすすめしています。
最後に
ご家庭で飼育される範囲と量であれば、お好みでどの低床材を使用されても問題ないと思います。
ただ、多くの容器を使用して本格的に飼育をされる場合であれば、費用面で選択肢が赤玉土や軽石などの園芸用土に絞られると思いますし、処分のするときの負担面を考慮しながら決めていいと思います。

参考までに、日向ボラ土ですと、この10キロのサイズでも300円程度です。
ソイルで10キロですと数千円ですから、コスパの差は歴然です。
初心者の方が安心して使えるのは、アクアリウム専用のソイルや砂利が確実だと思います。
水草を植えるかどうかや、思い描く川底のイメージでソイルか砂利を選んでいただいて問題ないと思います。
今回の記事がみなさまのお役にたてたら嬉しいです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。


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