メダカが病気にかかった時に、真っ先にしないといけないのが他のメダカとの”隔離”、その次にやるのが”薬浴”や”塩浴”などの治療です。
ただ、メダカや金魚の病気といっても色々な病気があって、また病気ごとに”薬浴”で使う”薬”も違っていて・・・
効果が似ている薬もたくさん種類が色々あって、結局全部の薬を揃えないといけないのかよくわからなくて・・・・・・
薬浴用の薬を眺めているだけで、頭の中がグルグルになりませんか?
水槽の中のメダカを観察していたら、『なんか変だ!?』『これって病気!?』とビックリしたことはありませんか?
私は、病気のメダカを見つけると、驚きとショックで5分くらい固まってしまいます。
差別はいけないんですが、お気に入りのメダカが病気だったらパニックですよね。
もし、メダカの病気を見つけたら、隔離して治療用の薬を使って薬浴治療をする必要があります。
今回は、薬の種類も病気の原因も様々な、メダカの病気と薬浴治療について、詳しく解説をさせていただきます。
今でも、なんの病気?治るの?薬は何がいいの?って、持ってる薬のパッケージを見ながらドタバタやっています。
飼育を始めたばかりの方が、メダカの病気を見つけパニックになっても普通のことです。
その気持ちは凄くよくわかります。
最初はどうしていいのかわからないし、死んでしまいそうで怖いですもんね。
そこで今回は、みなさまもお悩みであろう、メダカの病気の症状や「薬浴」の方法「治療薬」の選び方などについてまとめてみました。
最初に、メダカの「薬浴」治療の方法について説明します
「薬浴」の基本は、飼育水槽から別の水槽に隔離して、数日間薬液の中で「薬浴」を行って、病気が治ったら徐々に水合わせをしながら元の水槽に返すだけの単純な作業です。
簡単に書けば、それほど難しくは感じませんよね。
メダカの薬浴治療で準備する道具
1.隔離容器(バケツなどでOK)
2.治療薬(病気ごとに異なる)
3.(できれば)エアーポンプ
4.(加温飼育中のメダカは)温めるためのヒーター
薬浴中は濾過フィルターは使わないので、酸欠防止と水質悪化の軽減のために、軽くエアレーションをすることが望ましいと思います。
メダカが水流が苦手なことは承知していますが、わずかでも水に流れがないと、水に含まれる有機物が腐って水質が悪くなるので、エアレーションをする方が安心です。
メダカの体力が落ちているときに、更に水温変化でストレスを与えたくないので、加温中のメダカであればヒーターを使用して水温に調整してあげてください。
加温中でなくても、元の水槽と隔離水槽の間で、水温に差が出ないように、しっかり温度合わせをするなどの配慮をしてください。
薬浴の治療日数の目安
薬浴の日数は、一般的に1週間程度と言われています。
数日の薬浴で、見た目に病気の症状が落ち着いたように見えることもありますが、完全に殺菌して病気を治すために、しっかり既定の日数薬浴をしてあげてください。
特に白点病など寄生虫が原因の病気は、しっかり既定の日数薬浴をしないと、生き残った卵から寄生虫の幼虫が孵化して、再度メダカに取り付いて再発することもあります。
治療期間の餌やりの方法とタイミングについて
メダカの治療用の薬は、細菌を殺す薬なので、当然濾過に必用なバクテリアも殺菌します。
そのため、薬浴中は全くバクテリアによる濾過は働いていません。
バクテリアがいないので、濾過フィルターを入れても全く効果はありません。
その為、水質悪化の原因になる餌やりは、避けたほうが安全です。
どうしても薬浴期間が長くなって、メダカの餓死が心配な時には、1週間から10日の期間中に1回~2回程度、少量の餌を食べ残しがないか確認しながら与えて下さい。
できれば以下を参考に、餌やり後に一度薬液をリセットすると安心です。
薬浴治療中の水換えと交換頻度について
先程も書きましたが、薬浴中は濾過に必用なバクテリアも殺菌されてしまうため、濾過が働いていません。
ですから、できれば2日に1回完全に薬液を水換えしてあげてください。
大切なことは、水換えによって薬液の濃度が変わると、メダカが水質変化によるショックを受けてしまうので、水換えというよりは、新しく同じ濃度の薬浴を作って水合わせをしながら引っ越す方が安心です。
実際に薬浴治療を行う手順を解説
ここからは、実際に薬浴を行っていく手順をご説明します。
隔離する水槽の水量の確認方法
正しく薬浴を行うためには、治療薬の用法・用量をシッカリ確認する必要があります。
特に治療薬はメダカにとっても負担になるので、適切な用量を守ることが大切です。
そのため、薬浴治療は最初に隔離する水槽を決めて、その水槽の水量を把握することから始めてください。
水槽の水量の確認は、計量カップなどを使う方が確実ですが、計量カップがなくてもペットボトルを使用して、水が何杯入るかでも計算することができます。
薬浴をすると、水槽に薬液の色素が染みつく場合があるので、水槽には色付いても困らない物を使うようにしてください。
繰り返しですが、薬も限度を超えると毒になるので注意が必要です!
治療薬の入れ方
先ほども書きましたが、薬浴用の薬はメダカにとっても負担が大きいものです。
ですから、治療薬は可能な限り低濃度から初めて、時間をかけて徐々に適量まで増やして行くことをおすすめします。
薬浴の治療期間中について
薬浴期間の取扱については、前半に記載した内容をご確認ください。
薬浴治療が終わったら行うこと
薬浴終了後も、治ったと油断しないでください。
薬液から、急に真水へ移動すると、メダカにとって負担が大きいので注意が必要です。
私は、水換えの間隔を1時間にして、時間をかけて3~4回程度1/3の水換えを行うことで、徐々に薬剤の濃度を落として行きます。
水換えの最後の2回の注水は、これから行く先の水槽の水を使ってあげると、水槽に戻った時の水の変化を抑えることができるので、メダカの負担を軽減できると思います。
通常の水合わせであれば、最後にメダカが泳いでる水ごと行先の水槽に注ぎますが、薬浴後は治療薬が飼育用の水槽に混ざると、濾過バクテリアを含め水槽内の生態系が破壊されてしまい危険なので、飼育水槽の水に近くなるまで換水を繰り返して、最後は選別網で掬って優しく移動させてあげてください。
繰り返しですが、薬液が飼育水槽に混ざると、微生物や濾過バクテリア、ヌマエビなどに悪影響があります。
ご注意ください。
病気の治療と治療薬の選択について
今回は私の経験で、メダカへの感染が多いものを中心にご紹介します。
その他の病気についても、別の記事で個別に紹介してますのでご参照ください。
白点病の治療について
ヒレになどに白い点が付いていたら、それは白点病の可能性があります。
白点病は、主にメダカの尾びれなどから広がり始め、エラにまで病気が広がると、メダカが呼吸困難で窒息死してしまう怖い病気です。
白点の大きさは0.5~1.0㎜程度で、白点虫という寄生虫がその正体です。
白点虫は高水温に弱いです。
ですから、ヒーターで水温を28~30℃に維持しながら薬浴すると効果的です。
使用する治療薬は、最もポピュラーで汎用性があるメチレンブルーで大丈夫です。
尾ぐされ病の治療について
急にひれに切れ目が入ってきたり、徐々にヒレが溶けたように小さくなっていって、その先が赤く充血していたら尾ぐされ病です。
尾ぐされ病は、カラムナリスという常在菌(どんな水の中にも自然に存在する菌)が原因です。
そして、メダカが水質悪化でストレスを受けたり、選別作業中に網でメダカが怪我をすると、そこにカラムナリス菌が感染し発病します。
使用する薬剤はグリーンFリキッドです。
そして、病気が重度の場合は単価が上がりますが、グリーンFゴールド顆粒をおススメします。
水カビ病の治療について
メダカに綿のようなものが付いていたら、ほぼ水カビ病です。
水カビ病は、尾ぐされ病と同じで、水質が悪化すると発症します。
水カビ病の原因となる水カビ菌は、真菌類の一種で常在菌なので、水槽の中に常に存在しています。
尾ぐされ病同様に、水質が悪化すると増殖してメダカに悪さをします。
水カビ病も白点病と同じで、メチレンブルーで治療ができます。
その他病気の記事リンク
各病気の詳細は以下の記事をご覧ください。
薬浴はメダカにとって負担が大きいので、軽症のうちは水換えや塩浴で対処する方が安心です。
病気の原因となる表面やひれの怪我の対策には、粘膜保護剤がおすすめです!
最後に
ここまでメダカの薬浴について書かせていただきましたが、いかがでしたか?
「薬浴」と聞くとなんだか難しい印象があると思います。
冒頭でも書きましたが、私も最初は何もわからず苦戦しました。
ですが慣れてくると、それほど難しいこともなく対処できるようになると思います。
薬の種類は病気ごとに多岐にわたりますが、最初は汎用性があるメチレンブルーを用意しておくと安心です。
大切なメダカですから、病気もしっかり治療してあげたいですよね。
この記事が、みなさまのお役に立てると嬉しいです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。