メダカを観察している時に、ヒレや体にフワフワっとした綿のような物質が付いていてビックリした経験はありませんか?
私が初めて見つけたときには、何の病気だろうって凄く不安になりました。
もし、メダカに綿のようなものが付きっぱなしだったら、それは水カビ病という細菌感染の可能性が高いです。
水カビ病であれば、急いで対応しないと、メダカが弱って死んでしまいます。
今回は、とても危険な水カビ病の原因と、治療方法について解説させていただきます。
みなさまは、メダカの表面にフワフワとした綿のようなものが付いているのを見付けてビックリした経験はありませんか?
もし、メダカにずっと綿のようなもの付いていたら、それは水カビ病という危険な感染症かもしれません。
水カビ病を放置すると、あっという間に全身にカビが広がり、最終的にはメダカが衰弱死してしまいます。
どうして、メダカがそのような病気に感染してしまうのでしょうか?
そして、どのような治療したらよいのでしょうか?
今回は、メダカの病気の中でもポピュラーな、水カビ病の危険性と治療方法について解説をさせていただきます。
ふわふわと白い綿がつくメダカの水カビ病(綿かぶり病)の症状と特徴は?
水カビ病は、真菌系の水カビ菌による感染症です。
水カビ菌が寄生しやすい場所は外傷や、他の病気でダメージを受けた患部が多く、他の病気と併発が多いのが特徴です。
放置すると水カビは全身に広がり、重症化すると感染した患部の周辺に赤い充血が見られるようになります。
私の経験では、感染の時点で既にメダカが弱っていることが多く、基本的に自然治癒は難しいようです。
特にヒレ長メダカは、選別の際にヒレに擦れ傷を負うことが多く、水カビ病に感染しやすいので注意が必要です。
私は、選別時の擦れ傷に、水カビが感染するが怖いので、ヒレ長メダカは水ごとネットで安全に掬うように心掛けています。
水カビ対策でお困りの方に、水ごとネットはおすすめのアイテムです。
メダカの水カビ病の原因と予防法について
水カビ病は、サブロレグニア、アクリア、アファノマイヤスなどの水カビ科糸状菌が原因です。
水カビ病の菌は、常に水中に存在する菌(常在菌)ですが、メダカが元気なうちは殆ど感染しません。
水カビ病感染の主な原因は
・輸送や網による擦れ傷
・水温の低下
水カビ病の予防方法は、メダカが擦れ傷を作らないような丁寧な取り扱いと、弱らせないための水質管理が重要です。
メダカの擦れ傷対策に効く粘膜保護剤「プロテクトX」の活用法
メダカの移動時の擦れ傷ケアに特化した製品が、「プロテクトX」です。
メダカの輸送直後のダメージ軽減に、プロテクトXをご活用ください。
水カビ病の治療に効果がある塩浴や薬浴について
水カビ病の治療には、マラカイトグリーンやメチレンブルーを主成分とする「ニューグリーンF」や「ヒコサンZ」などの鑑賞魚用の治療薬が使用されます。
「めだか屋SUN」では体力回復に効果がある「塩浴」に、「グリーンF」を使った薬浴を併用して治療を行っています。
治療薬を溶かした薬液の中で、数日間メダカを泳がせる治療を「薬浴(やくよく)」と言います。
熱帯魚店で、青い液体の中を魚が泳いでいる風景を見たことがありませんか?それが「薬浴」です。
そして濃度0.5%程度の塩水でメダカを泳がせて、体力を回復させる治療を「塩浴」と言います。
この「薬浴」と「塩浴」の二つが、一般的な病気の治療法になります。
以下に、「薬浴」と「塩浴」の記事を載せていますので詳細は省きますが、病気が軽症の場合は、塩浴で体力を回復させ自己免疫のみでの完治を目指すこともあります。
簡単な薬浴治療の流れと注意点
・原則として薬浴中は餌やりはしません。
・突然、メダカを薬液にいれると、メダカがph変化などのショックでダメージを受けて、逆にメダカが弱ってしまう原因にあります。
ショック症状の対策としては、薬の濃度を薄目からジワジワ濃くしていくなど、丁寧な水合わせが大切です。
・塩浴も薬浴と同様に、一気に塩分濃度を上げないための工夫が必要です。
食塩など粒が細かい塩は、直ぐに溶けて一気に塩分濃度が上がってしまうので、ゆっくり溶ける粗塩などを使う方が安心です。
・その他、治療薬や塩の使い方については、各製品の説明書でご確認ください。
水カビ病の治療薬の種類と使い方について
メチレンブルーなどの治療薬はけっこう高価ですが、一回当たりの使用量が少ないので、一度買ってしまえば長く使えます。
治療薬の使用量は、小型水槽であれば数滴程度と少量なので、一度買ってしまえば使用期限まで十分に使えるので、コストパフォーマンスはそれほど悪くはありません。
メダカの水カビ病など病気は伝染しないの?
基本的に水カビ病は、細菌感染なので伝染しません。ですが・・・
一度水カビ病が発生した水槽は、発病したメダカと一緒にいたメダカたちも、水質悪化などで体力を落としている可能性があり、結果として衰弱から水カビ病にかかるリスクが高まっています。
大切なことは、発病の原因が擦れ傷なのか、水質悪化による体力低下が原因なのかを、しっかり見極めることです。
もし、発病の原因が水質悪化による体力低下であれば、病気が蔓延する前の速やかな環境を改善が必です。
メダカの水カビ病の症状は自然治癒しますか?
鯉や金魚などは、稀に自然治癒の事例があるようです。
しかし、メダカは鯉や金魚に比べて体が小さく体力もないので、自然治癒は難しいと思います。
私は、水カビ病が自然治癒した経験はありません。
メダカを救うための確実な対策は、できるだけ速やかに治療してあげることです。
隔離や薬浴など手間はかかりますが、大切なメダカを守るために、早急な対応をお願いいたします。
水換えについては、この記事を読んでみてください。
最後に
私の実感として、特に梅雨時期の屋外飼育は「水カビ病」と「尾ぐされ病」が頻繁に発生します。
また室内飼育では、水換えが不足すると定期的な感染が見られます。
メダカの飼育法は、主に「水換え派」と「バクテリア活用派(水換えを控える派)」に分かれます。
でも、結局は「水換え派」でも「バクテリア活用派」でも、切っても切れないのが「尾ぐされ病」と「水カビ病」です。
私は、屋外ではバクテリアを活用し、室内では水換えを中心に水を維持しています。
その理由については他の記事で説明していますが、一番大切なのは日々の観察と早期発見だと思います。
最初は手間取るかもしれませんが、頑張ってみてください。
この記事が、みなさまのお役に立てると嬉しいです。