どうしてメダカの室内飼育は難しいの?屋外(外飼い)との違いと屋内が難しい理由・水質管理で注意するポイントを解説します

店長メグ
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メダカを、屋外(外飼い)では上手に育てることができていたのに、室内で飼育してみるとメダカがポツポツと落ちて、全滅させてしまった経験はありませんか?

私も最近まで室内飼育に凄く苦手意識を持っていました。

同じように水を換えて、給餌もちゃんとやっているのに、室内と屋外で違いが出るのはなぜなんでしょうか?

屋外で飼育しているときは元気だったメダカ。

室内に連れてきたら、なんだか元気がなくなったと感じることはありませんか?

屋外も屋内も、同じように飼育しているのに何が違うんだろう?

そう感じていらっしゃるみなさまへ、屋外と室内における飼育の違いについて解説させていただきます。

【STEP1】メダカの屋外飼育(外飼い)と室内飼育の違い

屋外と室内の違いは、大きく以下の5つになります。

①太陽光

②風

③雨

④気温変化

⑤容器の大きさや水量

⑥昆虫のなどの捕食者

店長メグ
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この中で室内飼育を難しくしてしまう要素は何番だと思いますか?

お分かりですね。正解は①②⑤です。

今回は、室内飼育のデメリットになりえる①②⑤についてご説明をさせていただきます。

メダカにとって太陽光の大切さ

屋外飼育と屋内飼育で一番異なるのは太陽光です。

太陽光の恩恵について以下に記載します。

A. ビタミンDの生成に日光が欠かせない

B. 紫外線による殺菌効果

C. 植物プランクトンなど天然のエサが良く増える

D. ろ過バクテリアがよく増える

E. 植物が良く育つ

などです。

A.ビタミンDの生成

ビタミンDはカルシウムの吸収に必要なビタミンで、ビタミンが不足すると、体内でカルシウムを吸収する働きが悪くなり、骨が曲がったり弱くなったりします。

これは人間も同様なので、太陽にあたらないと弱くなるイメージは掴みやすいと思います。

B.紫外線による殺菌効果

メダカの飼育水の中にはキレイに見えても、水カビ菌をはじめとした常在菌※1が存在します。

元気な状態のメダカであれば常在菌に対して抵抗力があるのですが、何かの影響で体力がなくなってしまうと常在菌に感染して病気になってしまいます。

そのため、太陽光の殺菌効果で常在菌が減少することは、感染症の予防として効果が高いです。

※1常在菌とは水中に常に存在する菌の総称です。

C.植物プランクトンなど天然の餌が増える

飼育容器に太陽光が良く当たると、飼育水中にメダカの餌となる微生物や植物プランクトンが増え易くなります。

メダカは胃袋を持たず、常時食べ続けることで生きるためのエネルギーを確保していますので、本来であれば少ない量の餌を常に与え続けることが理想的な給餌になります。

そのため、天然の微生物エサが豊富になる太陽光のもとでの飼育が、メダカにとっては健康的なのです。

D.ろ過バクテリアが良く増える

ろ過バクテリアも太陽光の下が良く繁殖するようです。

そのため、換水を行ってバクテリアが減少しても、立ち上がり(バクテリアの再繁殖)が早く、生物ろ過の効率が良いことも屋外飼育のメリットです。

E.植物が良く育つ(ビオトープの場合)

メダカのフンなどの有機物はろ過バクテリアによって、有機物⇒アンモニア⇒亜硝酸⇒硝酸塩の順で分解されていきます。

ただ、最後の硝酸塩を減らす方法は換水や植物の吸収に頼ることになるため、水草が元気に育つ屋外飼育の方が換水を少なくできる=ろ過バクテリアを減らさずに済む=水質が安定するという結果になります。

店長メグ
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室内飼育は基本的にこの太陽の恩恵を全て失うんですよね。

メダカの飼育が難しくなることも理解できませんか?

メダカにとって太陽光の代替

太陽光の代替としてみなさん浮かぶの照明だと思います。

照明はアクアリウム用の植物も育成できるものがおススメですが、普通のLED蛍光灯などでも代用できます。

ただ、普通のLEDは植物育成用のものと異なり、光の成分(赤・青)が少なく紫外線も照射されないため、昼夜をはっきり分ける程度の効果に留まることにご注意ください。

私はタイマーを使用して、年中朝6:00~夜8:00まで照明を照射しています。

メダカにとって風の大切さ

風が吹いて水面を波立たせることで、酸素が水中に溶け込む働きがあります。

そのため、風が吹かない室内での飼育では水面を波立たせる水流を作る外掛け式のろ過装置か、エアレーションが必要になります。

どうしても、エアレーションが難しい場合は、浅めで口が大きな容器で飼育することで水と空気の接点を増やすよう心掛けてください。

メダカの飼育容器の大きさや水量

すべての方が該当するわけではありませんが、殆どの場合室内飼育の方が飼育水槽が小さくなりがちだです。

水槽が小さいと水が汚れやすくなり、換水の回数も増えます。

換水が増えた結果ろ過バクテリアが十分に増えず、生物ろ過が弱まってしまうことが飼育を難しくしてしまうポイントになります。

店長メグ
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基本的にろ過装置を設置した場合を除いては、室内で生物ろ過(バクテリアによるろ過)は期待しないほうが正解だと思います。

基本的に、水質維持はマメな水替えで対応する方が安心です。

【STEP2】メダカの室内飼育で大切なこと

室内ではバクテリアの繁殖が悪く、水量も少ない為、飼育水が汚れるスピードが屋外と段違いだとお考え下さい。

そのため、室内飼育では大切なことは、まめな換水しかないと思います。

※水槽にしっかりろ過システムを設置してらっしゃる場合は別です。

ただ、メダカは温度ショックとphショックにとても弱いので、水替えの際にしっかり水合わせをしないと、逆にメダカが体調を崩す結果にもなります。

店長メグ
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実際にポツポツ死が始まったら、少し対応が変わります。

【STEP3】まめな水替え+新しい水をしっかり水合わせする

これは飼育容器が多い方にとって、とても時間がかかる大変な作業です。

特に加温飼育をしていると、本当に水温を合わせる作業に時間がかかります。

そう言ったところが室内飼育の難しさになります。

【STEP4】水合わせのコツ

①ヒーターの使用

②(できれば)水を足すときは点滴法で水を足す

水温合わせは大切なので、加温飼育用のヒーターを使って温度を合わせています。

あとは可能な限りですが、点滴法を行うと安心だと思います。

店長メグ
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私の手作りの点滴容器です。作り方は以下の記事をご覧ください。

最後に

ここまで室内飼育の難しさを書いてきましたが、基本は太陽の恩恵が得られないことが一番だと思います。

ただ、このデメリットは照明やろ過装置の設置、まめな水替えなどで緩和することは可能です。

屋外に比べて室内の飼育は大変ですが、冬場の繁殖活動を成功させるためにも屋内と屋外の違いをご理解いただければと思います。

私の記事がみなさまのお役に立てると幸いです。