幹之(みゆき)メダカに代表される、背中に入る金属光沢のラインを体外光(たいがいこう)と呼びます。
最近の幹之メダカは、固定率が上がっているので、簡単にフルボディまで体外光が伸びてくれます。
でも、カブキメダカとか三色体外光メダカだと、なかなか伸びなくて悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
もし、体外光が伸びずに悩んでいらっしゃる方がいたら、この記事を最後までご覧ください。
解決の糸口が見えるかもしれません!
幹之メダカが、光を反射させながら泳ぐ姿は見事の一言ですよね。
ほんの数年前まで、目の後ろまで光りが伸びていれば(グレード:スーパー光)貴重とされてきました。
最近では、口の先までしっかり体外光が伸びている(グレード:フルボディ)ことが当たり前ですよね。
でも、幹之メダカ以外の品種(カブキ・三色体外光など)は、丁寧な育て方をしてあげないと光が伸びません。
体外光を伸ばす技術も、ブリーダーさんの腕の見せ所です。
今回は、体外光を伸ばす飼育方法についてご説明させていただきます。
【STEP1】メダカの体外光を伸ばす飼育方法とは?
先に答えを言っちゃうと、過密気味に白い容器で育てて、常に水温を28℃以上に保つと、体外光が綺麗に伸びると言われています。
体外光の伸ばし方として最もポピュラーな方法が、高水温を維持して育てることです。
特に水温28℃~30℃(最低水温28℃以上)を維持できれば、最も良い効果が得られると言われています。
屋外飼育でメダカの体外光を伸ばす場合
屋外飼育の場合は、高水温を維持するために、以下のような飼育方法をお試しください。
・初夏の水温が高い時期に集中して採卵する
⇒屋外でも高水温を維持しやすい
・黒い容器を使用して日当たりが良い場所で育てる
⇒黒容器が太陽の熱を集めて水温が上がりやすい
・体外光が速く伸びた早熟個体を種親にして選別累代する
⇒フルボディになりやすいと言われています
初夏の水温が高い時期を選んでを採卵をする
体外光は水温が28℃~30℃(最低水温28℃以上が必須)で伸びやすいと言われています。
ですから、初夏に採卵を始めると、真夏の水温が高い時期に成長期を迎えるので、効率良く体外光を伸ばすことができます。
黒容器を日なたに置いて高水温を維持して育てる
初夏の採卵が効率的なことはわかっていても、できれば春先からチャレンジしたいですよね?
春先に採卵する場合(夏もですが)は、黒い容器と日当たりの良い場所を選んで育てることで、高水温を維持しやすくなります。
※ただし真夏は水温が上がり過ぎるので、西日の遮光対策も重要になります。
ご注意ください。
夏場の注意点
夏場に油断すると、メダカが茹で上がりますよ!
先程も書きましたが、夏場の黒容器は簡単に水温30℃を超えていきます。
私が経験した最高水温は35℃ですが、容器が小さいと40℃を超えることもあるようです。
いくら高水温に強いとメダカでも、35℃はさすがに苦しい水温。
ですから、夏の間は遮光ネットや簾を使って、暑さ対策をすることが大切です。
また、急激に水温が上昇すると、水中のアンモニウムイオン(NH4+)が有害なアンモニア(NH3)に急変して、メダカがアンモニア中毒で全滅するリスクが高まります。
そのため、暑い間はしっかりメダカの様子を観察しながら、適宜水換えや日当たりの調整をすることが大切です。
私のところでは、こんな感じで日除けをしていました。
今は日よけ屋根ができたので万全です!
日よけを含め私のお店の近況は、以下の記事でご覧いただけます。
【STEP2】メダカの加温飼育とその効果
熱帯魚用ヒーターを使って高水温で飼育することを、加温飼育と言います。
加温飼育をすると、年中綺麗なメダカを育てることが可能です。
そして、太陽光よりも安定して高水温を保つことができるのが、加温飼育のメリットです。
加温は体外光だけでなく、ヒレの伸長や産卵にも効果があるのでお試しください!
加温飼育をすると、体外光だけでなく、こんな若魚でもしっかりヒレが成長します。
ご興味がある方は、以下のリンクから加温飼育の記事をご覧ください。
水温が高いとアンモニアや細菌が悪さをしやすくなりますので、ポツポツ死に注意が必要です。
加温の際は以下の記事を参考に、アンモニア対策を実施してください。
これは、私が実際に使用しているヒーターです。
温度調整式ヒーターは一般的に5,000円くらいしますが、こちらは半額以下なのでおススメです。
1年以上故障なく使えているので、品質も問題ないと思います。
【STEP3】メダカを白容器で過密気味に飼育する
白い容器(透明含む)で過密気味に飼育すると、体外光がよく伸るといわれています。
私も成長期には白容器を使用しています。
定番のNVボックスにもクリアカラーがあるのをご存じですか?
強くて耐久力もあるので、特に普段からNVボックスをお使いだったらおススメです。
メダカの白容器の飼育効果
メダカは黒色素胞が発達すると、体外光の成分である虹色素胞(の中のグアニン層)が吸収されてしまうことが分ってきました。
グアニン層とは、太刀魚やイワシにもみられる金属光沢の色素で、それ自体は無色なのですが、光を反射をすると金属風に見えます。
最近は、明るい環境で黒色素胞を抑え込み、虹色素胞を発達させるために、白容器で飼育するようになりました。
メダカの過密飼育の効果
メダカに限らず、魚は過密に飼育されると成長が鈍ります。
そこを逆手にとって、意図的に過密に飼育することで「成長を鈍化させる=体外光が伸びる成長期を長くする=体外光がよく伸びる」効果を狙っています。
最後に
せっかく、〇〇メダカ体外光とか〇〇幹之メダカを育てたのに、体外光が伸びないと残念ですよね。
私も、ちゃんとした育て方を知るまでは、何度も詐欺にあったような気持ちになりました。
ちょっとした工夫・気遣いでメダカは格段に綺麗に育ちます。
みなさまにも、綺麗なメダカを育てる喜びを実感していただけたら嬉しいです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。